中国株式市場、暴落中 それでも株を炒めるか?

hk-stock-exchange

中国株式市場の下げが止まりません。

この2-3週間、連日、ジェットコースターのように上げ下げを繰り返しており、政府がてこ入れするも、ほとんど効果が無いようです。
まあアレだけ上がっていたので、ある程度の調整は誰でも予想はできますが、あまりに調整の速度が速すぎて唖然とします。一日最大10%までしか下がらないようになっていてコレなので、もしストッパーがなかったらと思うと、恐ろしいものがあります。

売りが売りを呼ぶ展開に

shanghai-stock-market2
上海総合指数、SSEC・週足チャート分析<サーチナ・ファイナンス>

実体経済が良くないのに、株価だけがドンドン上がれば、いつかは調整することはわかりきってます。しかし、どうして、こんなにも一方的な状況になってしまうのか?

まず中国本土市場(上海、深セン)は、所詮、個人の素人投資家(股民(グーミン))の寄せ集めにすぎないということです。日本やアメリカの株式市場のように成熟した市場とは違います。

彼らというのは、いわゆる追衆心理が非常に強く、目先の動きに極めて追随しやすいです。とにかく「今は株がいいらしい」と聞けば「この流れに乗り遅れるな!」とばかりとびつきます。企業の業績とか経済指標など二の次なのです。

そういった個人投資家は、一旦トレンドが下げに転ずると、下げの恐怖に耐え切れず、我先にと出口に向かっていくので、そうなると、もうポジティブになれといっても無理です。

素人がいきなり信用取引

さらにまずいのが、彼らのうちかなりの部分が、信用取引だということです。

信用取引というのは、要するに、借金して倍率を上げて行う取引ですが、相場が上がっているうちはウハウハ状態ですが、一旦、下がり始め、追い証が発生し、資金が無ければ、そのまま強制的に処分させられ、退場させられます。
そのように強制的に売らされると、また株価が下がります。するとまた強制的に売らされて、という所謂「売りが売りを呼ぶ」という負のスパイラル状態になってしまうわけです。

そもそも中国市場は値幅が大きく、値動きが荒っぽいので、現物株(自分のお金の範囲で買う取引)で十分なんです。そこへきて、倍率をかけて信用取引で一儲けしてやろうなどという欲豚になると、今回のような大暴落で、一発でレッドガードになって退場という羽目になります。
(この点については、故邱永漢先生も「信用取引はするな!」と言ってます。)

こうなると、今までとは逆のバイアスがかかってきて、当局も金利を下げたり、手数料の引き下げを発表したり、てこ入れに動いてますが、一旦、弱気に傾いている投資家の投資意欲を回復させるのは極めて難しく、効果は限定的のようです。

というか、一発退場をくらって「二度と投資は御免」という人間を大量生産している可能性もあります。為替取引もそうですが、レバレッジをかけた信用取引の場合、レッドカードで一発退場をくらうと、再起不能になってしまいます。

45兆円に膨らんだ信用取引-中国株の危うさ、相場急落で露呈 – Bloomberg

人生を終了させてしまう人も

まあ、それでも高い勉強料の範囲で済めば、まだ人生やり直せますが、本当に、人生が終わってしまう場合もあるようです。

例えば、ある長沙に住む男性(32歳)は、投資金額170万元(約3400万円)を元金にして、その4倍の倍率で株式取引をしていたようですが、6月10日の下落で、すべて失って、帰らぬ人になってしまったとのことです。

また、以下は、広州で200万元(4000万円)損失をだした主婦が、帰らぬ人となった話。
我炒股,不能变成股炒我_新浪新闻(中国語)
株を炒めるのは自分であって、株に炒められることがあってはならない

正直、社会不安にもつながりかねないです。

外部からお金を借りる股民も

こんな未熟な投資家たちを保護するべく、政府が、信用取引に対してもっと規制すればよかったのでは?と思ってしまうのですが、以下のように、一般的な証券会社による信用取引ではあきたらず、外部の業者からお金を借りる人間もいるので、結局は同じことなのかもしれません。

利息22%で借りて株式投資も-中国の信用取引、綱渡りの実態 – Bloomberg

アウディがどうのこうのとか言ってますが、中国人の成金は所詮こんなものかも知れません。(実際、会社の下の駐車場に行ったら、アウディとかポルシェがゴロゴロしてます。)

自分の携帯にも相変わらず貸し金業者「貸款(タイクァン)」から電話がかかってきますが、そういった業者は、こういったレバレッジをかけようとする人間を取り込んだり、既に投資で穴を開けて、資金繰りに奔走している人間に金を貸そうとしているのかもしれません。

いずれにしても、ろくなもんじゃないことは確かです。

政府としては、人民元を国際化し、中国市場を徐々に解放して、外資を呼び込みたいという狙いもあるのでしょうが、このように市場が暴落を繰り返すと、そのようなメリットよりもむしろ、デメリットのほうが大きいような気がするのですが、どうなんでしょうかね?単に、中国の素人個人投資家のお金が、市場の肥やしとなり、ヘッジファンド等へと富が移動しただけではないのかと。そして貧富の格差がまた広がると。

まあ、資本主義や株式市場自体が、そういう世界であるといってしまえばそれまでなんですが


FXで泣いた主婦達 – YouTube
リーマンショックの頃の話ですね。為替については全くしりませんが、1000万円で2億4000万円の取引をするって、ものすごくリスキーだと思うのですが・・・・免許取りたての人が、F1に参戦するようなものでは?

株を炒める?

chaogu

ちなみに、株式取引をすることを、中国語で「炒股(チャオグー)」といいます。中国語で「炒(チャオ)」は「炒める」で、股票(グーピャオ)は株式のことなので、「株を炒める」という言葉になります。なんとも含蓄のある?言葉です。

要するに、中国人にとって投資というのは、企業のファンダメンタルズがどうだとか、マクロ経済がどうだとか小難しいことより、とにかく「株を炒める」行為に過ぎないわけです。
これなど、まさに中国人の投資観(投機観?)を表しているのではないでしょうか。

「炒(チャオ)」という言葉は、もともとは「炒飯(チャオファン/チャーハンのこと)」を作るときに、中華鍋の中で米をひっ繰り返す行為のことですが、株や不動産を、まさにチャーハンを炒めるがごとく売買することから「炒股」「炒房(チャオファン)(不動産投機)」という投機売買にも使用されるようになってしまったようです。

しかし、株式市場がそのようになってしまうのも、ある意味、無理は無いかもしれません。中国には、日本のようなギャンブルがないからです。日本には、パチンコはじめ、競馬、競輪など合法的に許容されているギャンブルもあるし、株式市場、為替、金融派生商品なども豊富にあります。しかし、彼らには、そういった手段が身近に少なすぎるのです。
共産党がギャンブルを認めないのは、そんなものを認めると、一般庶民は、破産するまで遊んでしまい、社会不安につながることが目に見えているからだろうと思います。

それでも株を炒めるか? 中国政府はなりふり構わぬ株価下支え

今後の展開ですが、恐怖によって、冷え込んだ投資マインドの回復は容易では無いし、下向きの圧力はかかり続けるでしょう。中国政府も、ここへ来て、完全に尻に火がついたのか、なりふり構わない手段で株価下落を阻止しにかかってます。
IPO停止、自社株買いの強制、信用取引は追証なし・・・・・もはや何でもアリです。先進国の市場ではありえないのでしょうが、まあやむをえないところでしょう。

また、日本のメディアは「中国崩壊か!?」みたいに書くかもしれませんが、この程度の調整で済むのであれば、単なるミニバブルの調整に過ぎず、バブっていた部分が剥げ落ちて、やっと適正な価格になってきたというにすぎないでしょう。市場は下がる時も有るということを人民にしらしめたという意味では、かえってよかったのではないかと思ってます。

まあ、この程度で済めばという話ですが・・・・

関連する記事

中国株式バブル進行中 女房を質に入れても株を買う? 2015年5月25日
中国株式市場は、現在、爆上げ中。上海総合指数は4,800ポイントを突破、売買代金も約2兆元(約36兆円)と記録を更新し続けている。股民(個人投資家)の中には家を売って、全部株式に突っ込んでいる人もるようで、いわゆる「女房を質に入れても株を買う」という状態になりつつあるようだ。
hsbcHSBC香港で口座をつくってみる 2008年10月10日
私事になりますが、2008年暮れ、リーマンショックさめやらぬ中、香港へ出かけてHSBCへ行って口座を開きました。口座を作りに行ったのは、有名なセントラルの本店ではなく、中国から最も近い上水(シャンスイ)駅前の支店です。
suicide (2)飛び降り騒ぎ 深圳羅湖にて2015年7月16日
夕方6時ごろ、外に出てみると、至るところ人だかりができており、一斉に同じ方向を向いている。彼らが見ているのは、道の向かい側30階建て位のビルの屋上付近。どうも、そこに人がいるみたいだなのだ。

 その他、関連する記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA