実は根が深い 香港と中国の確執

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清明節連休が終了しました。

清明節(旧暦の2月17日)というのは、先祖の霊を弔う日で、お墓参りにいって、お墓の清掃をしたり、あとは冥幣、紙銭と呼ばれる紙で作ったお札を焼いたりするみたいです。亡くなった人が、あの世に行ってからも、お金に困らないようにという意味らしいですが、「あの世に行っても、お金のことを考える」のは、中国人ぐらいでしょうね。

写真は、香港回帰(1997)より

爆買い中国人は香港スルーで日本で爆花見?

実は今年の連休は、香港のイースター(復活祭)連休とも重なったみたいですが、香港では本土からの旅行客が、激減しているみたいですね。
ひとつは、爆買い中国人客が、人民元高を背景に、日本や他の海外へ行ってるので、香港に落とすお金も相対的に、減ってしまうのは無理も無いところです。香港ドルのレートも、現在1HKD=15.5円で、一時10円を切っていたことからすれば、割高感は否めないです。
中国人は、細かいお金にはうるさいので、お値打ち感のある日本で買い物して、ついでも爆花見?でもするほうがいいということになるでしょうね。中国において、日本といえばまず「さくら」なので、なおさらです。

ヒートアップする反水客デモ

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反水客デモ(ある新聞より)

もうひとつは、香港で今反水客デモがヒートアップしているのが大きいようです。
水客というのは、粉ミルクや紙おむつなど日用品を香港から中国本土へ関税を通さずに持ち出す大陸中国人のことですが、それに反対する反水客デモは、以前からあることはありましたが、最近、かなり過激化しているみたいですね。以前の民主化デモの人間が主体となっているようです。一般市民が自発的にやっているのであればともかく、過激派が主導しているとなれば、ちょっとそれは違うのではないかということですね。
http://www.hkpost.com.hk/index2.php?id=11371#.VSVVttJ9GSo
一面記事–旅行者排斥デモ 香港独立を扇動

そういった状況に、さすがに焦りを禁じえなくなったのか香港の梁振英長官が反水客デモが、香港のイメージや評判を著しく傷つけたと、反水客デモに対して警告をしているようです。
昨年の香港民主化デモで、経済が停滞してしまった香港としては、あの二の舞を繰り返して、またしても香港経済に暗い影を落としてしまいかねない運動は、規制していきたいところなんでしょう。香港経済は、大陸の金持ちにお金落としてもらってナンボなんですから。

犬猿の仲 中国と香港

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昨年の香港デモより

ただそうはいっても、上記のような過激な行動は別としても、実際、大陸人と香港人は仲が悪いのも事実です。香港人は、中国大陸に行きたがらないし、中国人もショッピング以外では、あまり香港へ行きたがりません。
自分の住んでいる広東省深セン市羅湖というのは、ちょうど、この二つの中間なんですが、中国大陸と香港のこの二つの関係は、ちょっと複雑です。食文化、言語、風俗は似ているんですが、民度とか思想が違うんです。

これは、日本人と中国人の関係の悪さとは、ちょっとニュアンスが違います。日本と中国は距離が有り、また言語も違うので、お互いに勝手なイメージをつくって判断するんですが、中国大陸人と香港人の場合は、お互い華人だし、距離が近いということで、憎悪がより具体的、現実的なんですね

大陸の中国人客に対する態度としては、日本であれば、爆買いといった行為がものめずらしく報道されこそすれ、ある程度以上の中国人しか日本へは来ませんし、多くの日本人にとっては所詮は他人事です。
しかし、香港へ来る大陸中国人というのは、レベルもピンきりだし、彼らの行動が、かなり香港人たちの生活にダイレクトに影響を及ぼします。
まあ、一国二制度といったところで所詮、香港は中国なんで、しょうがないのですが、その点では、台湾とも温度差があるようです。

意外にクールな香港デモに対する大陸側の反応

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昨年の香港デモより

逆に、大陸中国人も香港人に対して、冷淡かつ無理解です。

例えば、中国大陸人に「昨年の香港デモについて、どう思うか?」ということを、大陸中国人に投げかけてみるのであるが、大体において、否定的な意見しか返ってこないです。

「時間と金の無駄」とか「単なるわがまま」とか。
「なんで?」と聞くと「だって、ある商店は、国慶節の為に、準備していた〇万元がパーになったとか、そんな損害を与えて意味が無いでしょう。」とか、主に、経済面のマイナスのニュース等を根拠に話しをします。

これが、我々、外国人であれば「まあ香港の学生たちの気持ちは分からなくも無いけど、経済の為には、しょうがないよね。」くらいで、心情的には分かるけども、現実的には、実経済のことも考えてみれば仕方ないというくらいのニュアンスではないだろうかと思うんですが。

でも、彼ら大陸人というのは、そういうシンパシィすらないです。しかも、そこらのおばちゃんが言っているならともかく、大卒でかなり教育の高い若い人が、こうなんですから、あとは推してしるべしでしょう。
というか、ふだん、香港人と大陸人は、ネット上で、罵倒しあっているような関係で、香港の若者がやっていることに対して尊重しようと言ったところで、土台無理な話です。

経験していないことはイメージできない

彼ら大陸人のそういった、自由、民主に対する無理解というのは、中国共産党のマインドコントロールの賜物?なんでしょうが、彼ら自身もそれに全く気がついていないわけではなく、うすうす気がついてはいるのです。
ただ人間と言うのは、自分が経験していないことは、イメージできない動物なんだと思います。中国本土の人間に、民主や自由といったことを、言っても、所詮、絵に描いた餅なのでしょう。

それは、今の日本の草食系の若い男に、高度経済成長を生き抜いてきた世代の親父が「もっとガツガツしろ!」と言ったところで、無理なのと同じでは無いのかと思います。彼らは、高度成長期という上り坂経済というものを、一度も経験していないのですから、イメージできるわけ無いし、またその必要も無いのです。

水客の想い出  実は自分も・・・・

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水客に対する荷物規制(上水駅にて)

実は、水客なんていうのは、世界中どこでもやっているのです。
実は、自分も経験があります。香港ではありません。もう十数年前、ブルガリアからトルコへ旅行していた時の話です。

旅行で、ブルガリアからバスに乗って、トルコ国境までやってきた時のこと。にわかに、バスの添乗員が、ワインのビンを、客に配布しだします。
「あれ?サービスのつもりかな、それにしても、ワインの瓶2本というのはいささか多すぎるぞ、まさか、これを買えというのではあるまいな。」と思って
「こんなもの注文した覚えはない!!」と添乗員に言いましたが、彼は「いいから、いいから」と言うきりです。

それから、国境の検問所で、バスから下ろされたあと、そのワインの瓶2本をもって、バスの乗員たちは、横一列に一斉に整列させられました。自分ももちろん、ワインの瓶を片手に一本ずつもって並びました。実に間抜けです。
そして、国境を抜け、トルコ領土に入るやいなや、さっきの添乗員の男が、そのワインを乗客から回収するのです。今となっては忘れましたが、お駄賃として何らかの見返りはあったかもしれません。

結局、自分はしらないうちに、まんまと水客に仕立てられていたわけです。

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