劉翔について

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劉翔が引退したみたいですね。

最近、ほとんど彼の広告も見なくなって久しいので「そういえば、そんな人がいたなあ」くらいにしか思わないのですが、でもやはり一つの時代が終わった感じがする中国人も多いかもしれません。

自分が中国へきた2006年当時というのは、まさに中国が北京オリンピックを目前にして、高度経済成長の最終仕上げをしているような感じでした。彼が飛翔する姿というのは、まさに経済の道を全速力で駆け抜けていく高度経済成長の中国のイメージとして、ぴったりだった気がします。

劉翔 – Wikipedia

「飛人」劉翔 動画

動画はデビューから、2004年のアテネオリンピックでの金メダル。さらには、2008年北京オリンピックでの電撃的な棄権、その後のリハビリの日々から、引退するにいたる彼の心境に至るまでを追っています。

2015-04-09期 纪实 刘翔 挥不去的“飞人”记忆 腾讯视频(中国語)

中国人も歩けば、劉翔に当たる

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自分が、中国へ来たのが2006年の春節で、アテネ五輪で劉翔が金メダルォとって間もない頃だったので、あけても暮れても劉翔という感じでした。
朝は、バス停で劉翔(写真)を横目に見ながら駅へ急ぎ、会社のエレベータ前では、遅刻時間を気にしながら、モニターで劉翔とご対面、家に帰ったら帰ったで、TVをつけると、また劉翔が・・・・という具合に、中国に来て一日たりとも劉翔を見ない日はなかったといっていいくらいである。まさに「中国人も歩けば、劉翔に当たる」状態で、スポーツというジャンルを越えた国民的英雄でした。もう一人、国民的英雄として、姚明(ヤオミン)(バスケとボールの巨人)もいたけれど、やはり競技での実績と言う点で、劉翔に軍配が上がるでしょうね。

北京オリンピックでの電撃的な棄権

しかし、あの北京オリンピックでの電撃的な棄権。劉翔の雄姿を一目焼付けよう、あの感動をもう一度と期待に胸を膨らませてTVの前に集まった中国人民13億人の聴衆を置き去りにして、彼は消えてしまったわけであるが、その後が、もう大変です。

「あれだけ広告で稼ぎまくって、結果コレ??」
「負けてアレコレ言われるのがいやで逃げたのだ。怪我は言い訳に過ぎない。」
というような批判コメントがある一方
劉翔だって人の子だ。神ではない。
「本人が一番つらいのだ、そっとしておいてやれ」
的に彼を擁護する発言も。

劉翔に何が起こったのか?

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中国人にとって、これはもはや、一アスリートの棄権という問題を超えていた。何せ「劉翔が勝てば中国の勝ち、劉翔が負ければ中国も負け(動画)」という心理状態だったのであるから。(しかし、中国のことだから、本当に賭けで、大金を失った連中もいそうだが)
中央電視台(CCTV)などでも、「劉翔に何が起こったのか」ということを、劉翔の直前の様子などを取り混ぜながら、検証していた。
インターネットでは、劉翔を支持する派、支持しない派に分かれて、喧々諤々の論争状態。その中で、下のような説もあり面白い。

http://tieba.baidu.com/f?kz=467629669
見よ!この日、身をひるがえして去りゆく後姿を!彼が背中に背負っている番号1356を!
13億人56民族、すべてが彼の背中に重くのしかかっているのである。今日の結果がいかに引き起こされたかを思ってみるがいい。

しかし、偶然とはいえ鋭い指摘ですね。

自分のイメージについていけなかった劉翔

結局、中国人民は、広告等の効果により、劉翔が一着でゴールを駆け抜ける映像を繰り返しインプットされ「劉翔=絶対の存在」というイメージを洗脳され続けていたということなんでしょう。そして、自分とは全く違うところで、勝手に一人歩きをするイメージに、劉翔自身もついていけなかったと。

その後、劉翔はロンドン五輪でも棄権をするなど、結局、競技への復帰はできなかったわけですが、動画の中で彼は「怪我は怪我で、起こってしまったことはどうしようもない。今では、それも一つの財産だと思っている。」と言っています。

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