「中国人社員も一緒ならいいです」 日中プライバシー(隠私)感覚の違い

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広東省は、このところ、冬とも夏ともつかない気候が続いている。
一昨日は、日中27度にも達し「12月にクーラー?」と思いつつ、スイッチを押してしまったが、今日の朝は一転して肌寒く、電気ストーブを入れるような感じ。
といっても、十度を切らない程度なので、たいした寒さではないのであるが、いかんせん広東省の暖房器具は貧弱なので、日本よりも寒く感じてしまう。

さて、もう十年近く前の話になるが、以前、まだ自分が、会社勤務していた頃、こういうことがあった。

会社が、ある日本人向けの雑誌に広告を出すことになり「日本人社員の顔写真を広告に出したいので、これからいっしょに写真をとりましょう。」という話になった。

その会社は、日系ではなく中国ローカルの会社だったので、「自分の会社に、日本人の窓口担当がいますよーー。」というのをアピールしておきたいということなのだろう。まあ、担当が中国人だと、日系企業からコンタクトされないので、理解はできるし、よくある話である。
有り体に言えば、日本人を広告塔として利用したいということであるが、そもそも、そのために、わざわざ金のかかる日本人を雇っているということもある。

当時、会社には私を含めて日本人は3人いて、自分は、日本人的には抵抗を感じないわけではなかったが、これも中国系の会社に勤務した因果だとあきらめていたのと、ある地域限定の雑誌だからまあいいのではという感じで「とりあえず、日本人3人一緒であれば・・・」ということで応諾した。(別に、特段、自分の顔に自信があったわけでもない。)

中国人老板も、それで了解した。

しかし、ここで問題が発生する。

中国人社員も一緒ならいいです

他の日本人女性社員2人が、日本人3人一緒という案にも難色を示し始めたのである。

彼女らは、ああでもないこうでもないと逡巡した挙句「中国人社員も一緒ならいいです。」と言い始めた。中国人社員は、当時6-7人いたので、全員で約10人になるから、それなら個人が目立たなくていいということなのだろう。まあ、日本人的には、わからないこともないが、それだと、会社側の意図とは、少しずれてしまうことは否めない。

案の定、それを聞くやいなや、中国人老板は、みるみるうちに不機嫌になり、「前任の◆◆さんや、〇〇(私のこと)はOKで、あなたたち2人は、なぜ駄目なのか???」といたく立腹してしまったのである。

そのあと、いろいろ、押し問答のようなやり取りをした後、結局いやだというものを無理に載せることもできないだろうということで、とりあえず、写真の件は一旦、取りやめになったと記憶している。

結局、会社は、しょうがないので、自分ひとりだけの写真で広告をうったりしていたが、まあ、それでも、広告をみて、コンタクトしてくれた会社もあり、それなりの効果はあったようである。
ただ、その後、広告について、ある客に意見を聞いてみたところ、「なんかココ、怪しい広告やなあ。いっぺん、電話してみたろって思って・・・・」(理由ひどすぎ)ということで、相当、怪しい広告であったことは言うまでも無い。
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これだけいれば、目立たない?(記事とは関係ありません) 

日中プライバシー感覚の違い

こういう、すれ違いというのは、日本と中国のプライバシー(隠私)の感覚の違いに因るものであろう。

一般的に中国では、公の場に個人の顔と名前を出すと言うのは、特に珍しいことではなく、簡単に自分の顔とかを、ウェブサイトにアップしてしまう傾向にある。それは、微信(ウィーチャット)なんか見ていても、わかるが、ガンガン、自分の写真をアップする。(そんなに自分の顔に自信があるんかい?というのはさておき)

また、中国では、広告で人物の顔写真を載せるということは、当たり前である。それは、中国の路上で、走っているバスとかを見ても分かるが、食品から生活日常品、衣料品、病院など、どのような分野ても、個人を前面に押し出すのが常である。

一方、日本というのは、プライバシーの問題もあって、個人の写真や名前を出すことを嫌う。基本的には匿名文化である。日本で世界的に有名な企業名は、TOYOTAであり、SONYであって、社長が誰になろうが知ったことではないが、中国の場合は、どんなに巨大な会社でも、アリババはジャックマー(馬雲/马云)、ホンハイ(鴻海)は郭台銘というように、トップの顔がはっきりしている。

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こんなところにまで、ジャックマーが・・・・アリババ系列であることを、謳い文句にしている、場末の宅配屋(快递)。

あと、中国人と会話をするとわかるが、彼らは、相手に興味があれば、かなりプライベートで直接的な質問をガンガンしてくるはずである。「どうして中国に来たのか?」から始まって「いま、いくつ?」「結婚しているのか?」とか、日本人であれば、ちょっとはばかられるような質問でも彼らはする。

一方、日本では、やはり一定の距離をとろうとするし、特に女性にこういった質問をすると、即、セクハラ認定されてしまいかねない。あとは、SNSで噂が広まったらどうしようとか、今の日本の男女は、考えることがありすぎて、はたから見ていても大変そうである。

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