「偽」人民元

20yuan

中国はニセモノ、コピーが非常に多い国であるが、究極のニセモノといえば、やはり偽札であろう。
中国にいると、偽札をつかまされることが、たまーにあるようだ。

自分も経験があり、当初は、偽札だと気がつかなかったのであるが、近くのウォルマート(沃尔玛)のレジで二度目に断られた時、「もしかして、この札は」と思い、家に帰って、他の20元と見比べたところ「あ、確かにこれは・・・」と初めて気がついた。

さすがに、百戦錬磨のウォルマートの店員だ。言われてみれば、この20元札は、偽の胡散臭さで満ち溢れている。
どこで、そう間違って紛れ込んだのかは、今となっては思い出せない。大方、タクシーの釣銭を受け取る時に、紛れ込んでいたとか、そんなところだろう。

冒頭の写真、本物はどっち?(答えは下)

検証 人民元

先ず、根本的に違うのは、紙幣の長さ

縦は微妙に短くてわかりにくいが横が、明らかに4ミリ位短い
毛沢東の右肩あたりはまだ同じ位置であるが、左肩になると完全にずれている。
これは、もう決定的である。ちなみに、裁断で間違えたというような感じではなく、辻褄は合っている。ただ、洗濯して縮んだというレベルを超えている気がする。

また、紙の質が違う
何か、もっさりとした感じ。しかし、よく触ってみればという位なので、レジで支払いの時に、気がつくとは思えない。しかも、「使い古し」あるいは「洗濯」によって、この様な紙質になると考えられなくも無い。特に「洗濯説」は結構説得力がある。ズボンのポケットの中に入れておいて、洗濯なんかしたりすると、ちょうど、紙がこんな感じになってしまいそうなのだ。

あとは、透かしの花の模様が微妙に違う、とか、札番号の数字が微妙に小さいということがあるが、これだけでは、偽と断定することはできないレベル。

ただ、横の長さが4ミリ違うというのは、やはり洗濯して縮むレベルではないだろう。もはや動かしがたい証拠に思われる。というわけで、「」だろうと判断。
冒頭写真:上が偽札、下がホンモノです。

いい仕事してますねぇ~

ちなみに、この20元札、中国人に鑑定?してもらったところ
「あ、これ、偽札」と、5秒で判定されてしまった。さすが、本場の中国人はすごい。

何故、そんなにすぐに分かる?と聞くと、触った感じが違うのだそうだ。
全く「いい仕事してますねぇ~」という感じ。自分も、早くそんな違いが分かる男になりたいものである。

まあ、どのみち、ど素人の自分が分かるくらいであるから、あまりレベルの高い偽札では無いのであろう。というか、長さが違うなんていうのは、基本中の基本ミスだと思うのだが、作った人間も、それに気づかないわけではあるまいと思うが・・・・・いったい、何を考えているのだろうか??

ちなみに、この偽札、中国では、一般に銀行に持っていっても、交換はしてくれない(らしい)し、ばば抜きのように他人に押し付けるのもなんなので、以後、自分のコレクション?として保管してあります。

実際、偽札はどの程度、流通しているのか?

chaopiao お札数え機(点钞机)

しかし、中国の偽札というのは、一体、どの程度流通しているのだろうか?

中国国務院が発表したところによれば、昨年、中国で偽造人民元11.6億元押収されたとのことである。これはあくまで摘発された額面であって、実際に流通している金額となると、想像もつかない。はっきり言って、偽福澤諭吉が、神社で数枚、見つかったといっては大騒ぎになっていた日本なんてかわいいものである。
ちなみに、日本の紙幣は偽造しにくいのではないかと思います。偽造防止技術が発達しているのもそうであるが、他の国の紙幣に比べて、断然、紙の質がいいのである。あれは少々のことでは真似しきれるものではないのではないだろうか。それに比較すれば、人民元はペラペラで、本物でも子供銀行みたいに感じてしまう。

人民元は、最高でも100元(約1900円)で、高額紙幣は印刷していない。これもひとえに、高額紙幣を作ったりすれば、速攻で偽造されてしまうからなんだろう。高額になればなるほど、偽造する側にとっては、効率がいいのである。(ちなみに、隣りの香港は、500香港ドル、1000香港ドルといった高額紙幣がある。)とはいえ、高額紙幣が無いと、分厚い紙幣の束を持ち運ぶことも多くなるし、ひどいのになると、銀行の窓口で、リュックの中から、札束をどっさり持ち込んでいる輩もいる。
ということで、銀行やその他の商店では、お札数え機(点钞机)が大活躍することになる。これは、同時に、偽札を検査する役割も果たしている。さすがに銀行のは、精度が高いものであろうが、一般のものであれば、数百元程度で購入できる。

偽札業者をどうやって摘発するか?

jiachaopiao1
こういった、偽札というのは、主に広東省で印刷されて、全国に出回っていくと言うことを聞いたことがある。どうして広東省なのかはわからないが、そういった状況に対し、警察の方も、手をこまねいているだけではなく、常に摘発に動いているようである。
以下は、2005年9月22日、広東省恵州市で6200万元(9億3000万円)の偽札が押収されたという事件。
http://gd.sohu.com/20050922/n240435989.shtml
警察は、捜査にあたって、2週間前から、アルバイトや農民、商人といった民間人として、付近に潜伏しつつ調査活動していた模様で、尻尾をつかんでから一気に行動を開始したとのこと。またその後、恵州の警察から広州の警察に連絡して、広州の関連施設にも捜索が入り、関連の施設からあわせたものを含めれば、3億元(45億円)押収したとのことである。
結局、一つのアジトを見つければ、裏でつながっているから、あとは芋ズル式に捕まえられるということなのなんでしょう。

偽札に関する都市伝説

また中国においては偽札は、そこいらの店で使うなんてまどろっこしいことはせず、偽札と本札を闇の偽札市場で交換するようである。本当か作り話かわからないが、以下のような話もある。
【2005年6月中旬、ある男が北京で偽札を売っている男と知り合いになり偽札6枚をもらった。 この偽札を使ってもうけたのに味をしめ、さらに15万元で75万元の偽札を買った。家に帰って調べてみたら、7000元の本物の偽札の下の札束は全部白紙だった。すぐに警察に通報したら自分が逮捕されて拘留され起訴された。】
はっきり言ってアホである。というか、ただの作り話だろう。しかし、そういう都市伝説のような話が、実際におこってしまいそうな気がするのは、やはり中国である。

偽札の処分方法

では、いったい押収された偽札はどうされるのか?
もちろん焼却処分であるが、下のような感じで焼却するらしい。
jiachaopiao2 偽札の山

jiachaopiao3 並べる

jiachaopiao4 ひたすら並べる

jiachaopiao5 燃やす

とまあ、紙ですから、燃やしてしまうに限るってことですね。しかし、どうして焼却炉で燃やさず、こんな原っぱまでやってきてイチイチ並べなければならんのだろうか?

多いと見るか少ないと見るか?

chaopiao-yinshua 造幣局の様子

しかし、普通に生活している分、偽札においそれと出くわすわけではない。自分だって、10年生活していて、20元札一枚なのである。感覚的には、せいぜい、数百回から千回の取引で、一枚という感じではなかろうか。
一般的には、都市部の大手銀行のATMから引き出していれば、まず間違いないだろうが(稀に、銀行のATMから出したお金に偽札が紛れ込んでいたというような話も聞くことはあるが)むしろ、釣銭を受け取る時のほうが要注意である。夜のタクシーの釣銭でつかまされることは、容易に想像できる。
もちろん日本のような国からすれば、10年暮らしていて1-2回としても、すごい確率かもしれない。なにせ神社のお祭りで、偽福沢諭吉が数枚でてきたら、事件になるような国である。宝くじで数億円あたる確率より少ないのだ。
10億分の1から見れば、1万分の1でも相対的に多く見える。結局のところ、これを多いと見るか、少ないと見るかは、個人の感じ方の問題だろう。

中国人は、どのようにして、偽札を防御しているか?

shuaka
中国のスーパー等では、レジ係りは必ず札をすかしたり、こすったり、あるいは簡単な偽札検知器に通してから、はじめて受け取るのが慣習になっている。もちろん偽札かどうかを確かめるためだ。今では、日常風景として慣れてしまったが、当初は、なにか自分が疑われているような気がして、嫌な気がしたものである。

また、中国人民が、スーパーとかで買い物をして、レジで支払いをする時、カードで支払う光景を見たことは無いだろうか。
「たかだか数十元の買い物をするのに、大げさな。」という感じがするが、カードで支払うことによって、極力、偽札をつかまされるリスクを防止しようという意味もあるだろう。

日本でも急速に使用できる地域が拡大している「銀聯」(UnionPay)、要するに銀行の預金カードであるが、あれはほとんど、デビットカード(现金结算卡)として使用されている。
与信システムの構築が遅れている中国では、クレジットカード(信用卡)ではなく、実際に、銀行口座に残高としてある分だけを使用できるデビットカードのほうが、普及するのは、道理である。

ちなみに、隣りの香港では、ここ数年で、かなりのところで、電子マネーが普及しつつあり、オクトパスカード(八達通)で、事足りるようになってきている。あらかじめ入金しておいて、買い物した後に、読み取り装置のところにカードをかざして、「ピッ」で終了。簡単で早いことこの上ない。
これなどは、偽札防止の観点から言えば、うってつけだし、中国のスーパーでのレジでの待ち時間も大幅に短縮できそうだし、メリットは大きいと思うのであるが、大陸側では、交通カードを除いては、いっこうに普及する兆しが無い。
やはり、電子マネーにすると、今度は、偽カードとか、偽チャージとか、新たな不正の温床になるだけということなのだろう。その辺りの技術がクリアできない限りは、めんどくさい手続きを踏むしかないということになる。

chaopiao-10yuan偽札とは関係ないが、中国では、一般にお札の状態が非常に良くないものがあって、たとえ本物でも受け取りたくないようなのが結構ある。破れているもの、セロハンテープでくっつけたものとかも、平気で流通している。以前、自分が受け取ったもので、こんな紙幣もあった。

中国人民よ、共産党のイヌどもを、うちのめそうではないか!

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