スマホ100%依存社会、中国はどこに向かうのか?

昨日、スーパーで、はじめてスマホ払いをした。これまで現金払いで押し通してきたが、なんとなく、周囲の人間がスマホで払っているのに、自分だけ現金というのもなんなので、まあ仕方なくという感じである。

スマホを取り出し、ウィーチャットの画面を開いて、「我(本人)⇒銭包(マイウォレット)⇒付款(クイックペイ)」の順番に開くと、バーコードとQRコードが出てくるので、店員の持っているバーコードリーダーに当ててもらって(もしくは備え付けのセンサーに自分が当てて)、ピッと鳴ったら完了。実に簡単である。

これで、店員から「5毛ないか?」と小銭のおねだりを聞かなくて済むし、偽札さえも、入り込む余地がなくなりつつあるというから、大したものだ。一種の消費革命と言ってもいいのかもしれない。
今の中国は、一事が万事、この調子で、スマホ無しで生活が成り立たなくなりつつある。スマホを使うか使わないかで、生活上の自由度に、大きな差ができてしまうのだ。

周囲がそういう状況なので、自分も、最近、しょうがなく、スマホを使って決済をするようになったが、これが、意外と便利で、今では、アマゾン(亚马孙)でモノを買うときはもちろん、電気代、ガス代といった生活費から昼飯の出前まで、アリペイ(支付宝)とか、ウィーチャット(微信)といった決済サイトである。

また、少額のアルバイト代を払うときも、こういう決済サイトを使うことが増えた。数百元程度であれば、ウィーチャットで十分である。最近では、客からも「ウィーチャットで支払っていいか?」というような依頼を受けることも増えてきた。

このサービス、中国人もそうだが、むしろ、外国人居住者である我々にとって、より便利かと思う。なぜなら、手順さえ覚えておけば、言葉を使わなくとも、すんでしまうからである。

現金を持たないのが、かっこいい? 猫も杓子もウィーチャット

かつて現金派を自称していた自分ですら、この調子であるから、一般の中国人なんか、もうズブズブである。

中国人は、財布の中に、ほとんど現金を持たずに、歩いているという話を聞くが、これは本当のようである。中国人自身が、現金を持たないのを、かっこいいとか思っているところもあるようだ。

中国人の行動パターンというのは、時としてちょっと極端過ぎることがあるが、それでも、この傾向は、当分、止まないだろう。

なぜなら、中国人は、新しいサービスを非常にありがたがるし、他人が利用しているとなれば、なおさら、自分でも試さずにはいられない人種であるからだ。(日本人も結構、そういう流されやすいところはあるが、中国人の場合もっとひどい。)また、中国人の携帯は、現在100%スマホであり、一旦、便利なシステムに慣れてしまうと、もう後戻りできないだろう。

偽札アレルギーも、普及に一役

さらに中国人は、偽札アレルギーで現金を嫌うので、余計に、そうなってしまう。もともと中国では、スーパーのレジとかで、銀聯のデビットカード機能を使って支払うのは当たり前なので、それがスマホ決済に変わっただけと考えれば、こうなるのは不思議でも何でもない。彼らにとって、銀聯であれ、ウィーチャットであれ、支払いを確実に担保してくれる第三者機関があれば、それでOKなのである。


実際、キャッシュレス化が進み、偽札の入り込む余地すらなくなってきた。ウィーチャットは、結果的にあの悪名高い偽札すら駆逐してしまったわけである。

最近、影が薄くなってきたかも・・・

関連動画 NHKクローズアップ現代より

スマホによる電子決済は、スーパーマーケットばかりでなく、個人商店、タクシーなど、社会の隅々にまで浸透している。

リスクはないのか?

便利で、偽札フリー、システムも堅実。いいとこずくめの決済サイト。現に、中国人は「便利、便利」といって、喜んで使っている。

しかし、本当にリスクはないのだろうか?

とりあえず、数百元とかの小額決済であればいいが、数千元を、こういう決済サイトでやり取りして、何かトラブルが生じた時にどうなるのか?自分は外国人だし、何か起こった時、どう対処していいかわからないという不安は払拭しきれない。(中国人は、かなり大きな額でも、やり取りしているようだが・・)
ちなみに、自分が一番、大きな金額を落としたのは、LCCの航空券で、だいたい3000元(5万円)くらいだったかと思う。自分の感覚では、スマホ決済では、このあたりが限度である。

あとは、万一、携帯を盗難された時、勝手に使われてしまうリスクもある。もちろん暗証番号はしっかり設定してあるので、簡単には使われないだろうが、そこは自己責任の領域となる。

スマホ100%依存社会、中国はどこに向かうのか?


イオンでも使用を推奨

以上は、具体的なリスクであるが、それ以外にも、個人的には、何か判然としないところがある。「(とりあえず便利だから)使え、使え。」と強要されているような気がしてならないのである。便利さと引き換えに何かを失ってやしないだろうか?(以下は個人的な見解なので、スルーでも結構であるが・・)

例えば、お金を払うという行為に対して、抵抗が薄くなるということも考えられる。具体的なお札をだして払うというとき働いていた一定の金銭感覚というのが、スマホ上の数字だけだと、鈍ってくるのではないだろうか。しかも、アリペイなどには、少額ながらも融資(貸款)機能も付いていて、それが若者に対して、ちょっとした売りになっていると聞いたことがあるが、そういうプチクレジット感覚は、少しやばいかもしれない。

あと、スマホ決済でキーになるのが、ウィーチャット(微信)アリペイ(支付宝)であるが、何かものを買ったりサービスを利用してお金を払う時、必ず、この二つのうちどちらかを経由しなければならない仕組みが出来上がりつつある。今や、この二大決済サイトが、中国の個人消費を牛耳っているといっても過言ではない。街やネットで買い物をすると、必ず、こいつらが待ち構えている。何か、高速道路の出口にある料金所のような感じだ。

さらには、個人の携帯番号は、現在、実名制によって、身分証番号(日本人の場合パスポート番号)と一対一でリンクされ、当局によって掌握されている。つまり、その個人が、いつ、どこで、何を買ったかという情報は、当局がその気になれば、調べがつくだろう。

要するに、何が言いたいかというと、スマートフォンを媒介とした超管理社会が、出現しはじめているのかもしれないということだ。中国という、膨大な人口のかかえる国では、そういう一元的な管理の仕方でもしなければ、国を管理することができないし、個人のプライバシーよりも、社会秩序とか治安が優先される以上、ある程度はしょうがないが、だとしてもすごいシステムだ。

まあ、そんなことを言ったところで、中国人は、スマホを使って消費し続けるだろうし、スマホ消費は拡大し続けるだろう。このスマホ100%依存社会が、どこに向かおうとしているのかは、誰にもわからない。だが、十数億人という市場で、今まさに壮大な実験が行われているということは確かのようだ。


以前、日本に帰った時に、ローソン?で「支付宝(アリペイ)」の三文字を見つけたが、思わず、のけぞりそうになった。

「ここ、日本じゃなかったっけ?」

中国人旅行者の消費をあてこんだものなんだろうけど・・・これも時代の趨勢ということか。

 その他、関連する記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA