日本人が中国へ来て、驚くことはいろいろあるが、中でも、中国人のダンスにかける情熱のすごさに圧倒される人はいるかもしれない。
社交ダンス(交际舞)からラテンダンス(拉丁舞)、エアロビクスにヒップホップと・・・・踊ったり、カラオケをしたりするグループで、毎晩広場はいっぱいになる。
かなり気合を入れて、それっぽい衣装で踊っているいるのもあれば、単に手足をばたつかせているだけのラジオ体操風まで、程度の差はあるが、皆、楽しそうだ。
以下、うちの近くの金光華広場を中心に、彼らのダンスを紹介してみよう。(動画はブラウザによっては、上手く作動しない場合があります。)
エアロビクス風
前の方はかなりしっかり踊っているが、後ろのほうは、音楽にあわせて、テキトーに手足をばたつかせているだけ。主婦層が主体だが、老若男女、誰でも参加可能のようで、小さな子供をかかえた主婦や妊婦、さらには酔っ払いのおっさんまで勝手に参加してたりする。一番オープンでゆるいグループといってもいいかもしれない。
音声注意!!
親が踊っている時、小さい子供はローラースケートで遊んでいる。
アクティブ派
こっちは、前の男二人が音頭をとって、振り付けもしっかり決まっている。毎日ではなく、定期的に踊っているようだ。
社交ダンス(交际舞)
フィギュアスケートなんかもそうだが、中国では一般に、ペア競技の人気が高い。だから社交ダンスなんかも、特に人が集まりやすいようだ。
前の男女の後ろの女性がインストラクター。マイクで指示を出して、廻りがそれを見よう見まねで真似しているという感じ。インストラクターがいる場合は、いくらか費用を払っていることもあるようだ。
年齢層は子供から大人まで幅広い。
男女ペアがそろわない時は、女同士あるいは親子でと、何でもあり。踊れれば何でもいいというのが、いかにも中国。
ムード重視の社交ダンスも
一方、こちらの社交ダンスは、ダンスよりもムード重視と言った感じの集団。男女の寄り合いサークルのような雰囲気で、年齢層は結構高め、ムード歌謡のようなゆったりとした曲が多い。
ただ、一説によれば、こういったサークルというのは、ダンスが主目的ではなく、出逢いを求めるために、参加しているようなところがあり、不倫の温床になったりしやすいので、あまりよく思わない人もいるらしい。(と、以前うちの講師の一人が言っていた。)
まあ、そう言われてみれば、そういう雰囲気も無きにしもあらず、ですが。まあ夜中に、妙齢の男女が手を取り合って踊るわけですから、何も発生しないというほうが、むしろ、おかしいかもしれません。
ラテンダンス(拉丁舞)
こちらは、かなり本格的なラテンダンス(拉丁舞)。しかも、この日は、皆、かなり気合の入った衣装を着ていました。
時には、師匠が先頭に立って指導することも。
彼は、ほぼ毎日、マイクで指導しつつ、自らも踊っている。しかも、腰、動かしまくりで、最初見たときは、吹きそうになったが、慣れるとなんてことなくなるから不思議。ここは彼の経営するダンス極室の宣伝場所といった感じなんだろう。
女性ばかりの日は、女性同士でコンビを組んで踊ってもよし。
マイペース派も
あと、金光華とは少し離れたところで、おばさん中心に、いつも10人前後で黙々と踊っている集団がある。曲目もゆったりした歌謡曲で、振り付けもダンスというよりは舞踊と言った感じ。ここでは一応、マイペース派とでも呼んでおくことにしよう。
国貿のスタバの前で、夜7時過ぎになると、いつも踊っている謎のおばはん集団。
自分も中国生活もだんだんと長くなり、多少のことでは驚かなくなってきたが、それでも、毎晩、彼らの踊っている横を通るたび、どうして、こんな能天気な踊りを、あっけらかんと踊れるのか?と思ってしまします。
「何、考えてるんやろ、この人ら?」という。
まあ、そこまでは言いすぎかもしれませんが、「こうやって生きられれば、楽だろうなあ」とか思ってしまいますね。恥も外聞もなく、踊れるということ自体、ある意味、羨ましいというか・・・(我々日本人には絶対無理!)
まあ、中国人に関する永遠の謎ともいえるかもしれません。
ただ、実を言えば、中国に来て間もないころ、一度、知り合いのダンス好きの女性や同僚達に誘われて街の舞庁(ダンスホール)に無理やり連れていかれた事がある。
そのころは、まだフロンティア精神に満ち溢れていた時代であったので、「何事も経験、郷に入っては郷に従え」とばかりに、多少無理だと思っても、何でもチャレンジしていたのである。
しかし、あえなく、失敗。絶望的なまでに、ダンスの才能がない自分に嫌気がさし、それ以来、一度も、そういう場所に行っていないことは言うまでもありません。
羅湖金光華広場へのアクセス
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