気がつけば、今年もあと3日。
とはいえ、中国の街には、年の瀬的なムードが、ほとんど無いので、全然、年末という気がしない。
日本人の方には、一応「よいお年を」と言うが、イマイチ気持ちが乗らないというのが正直なところである。
まあ、中国の正月は、旧正月なので、仕方ないといえば仕方ないが、今年の広東省は暖冬なので、余計に、年末感がないということもあるかもしれない。
ちなみに、中国は、西暦と旧暦(農暦、陰暦)を併用しており、日常生活は、西暦ベースで回ってるが、節句は旧暦で祝われる事が多い。
以下、中国の祝日について、ちょっと紹介してみよう。
中国歳時記 中国の主な祝日について
2020年の中国の「法定休日」について
国務院発表の、2020年の法定休日は、以下の形。今年は、労働節が5連休と長く、中秋節は、国慶節と一体化というパターンとなっている。(旧暦は漢数字、西暦は算用数字)
元 旦(西暦 1月1日) 1月1日(水)
春 節(旧暦 一月一日) 1月24日(金)~2月2日(日) 新型インフルの影響で、急遽10連休に延長
清明節(旧暦による) 4月4日(土)~6日(月)の三連休。
労働節(西暦 5月1日) 5月1日(金)~5月5日(火)の五連休。
端午節(旧暦 五月五日) 6月25日(木)~27日(土)の三連休。
中秋節&国慶節 10月1日~8日の八連休
日本の祝日に比べると、種類が少ないように見えるが、これでも結構、多くなった方である。
以前は、「元旦、春節、労働節、国慶節」しかなく、あまりに休みが集中しすぎるということで、ゴールデンウィーク(黄金周)で七連休であった「労働節」を格下げし、代わりに「清明節」「端午節」「中秋節」の前後を三連休にして、分散型の休日体系にしたという経緯がある。
それでも、中国の休みは集中しているため、民族の大移動となってしまう傾向にあるので、連休中に中国国内を移動する場合は、注意が必要であろう。
それでは、以下、法定休日について、具体的にみていこう。
「元旦」
1月1日は、元旦(ゆえんだん)で、一応、法定休日となっている。ただ、中国人にとっての正月は、あくまでも、旧正月なので、元旦は、単なる通過点と言う感じ。
日本のような、年末年始の連休はなく、一般的には、12月31日と元旦休んで、2日から出勤であるが、2019年は、週末と重なって三連休になったので、有休とあわせて海外旅行などへでかける人も多いようだ。
「春節(旧正月)」 中華民族大移動
春節(旧正月/チャイニーズニューイヤー)は、旧暦の一月一日で、中国本土のみならず、香港、台湾、海外華僑など、中華圏にとって、最も重要な節句。毎年、1月後半から2月後半までと、年によってズレがある。
大晦日(除夕(ちゅーしー))から、七日間が法定休日となるが、中国人は、それにとどまらず、10日間から二週間くらいは当たり前に休む。なかには一ヶ月以上、里帰りする強者もいる。
この時期、皆が故郷に帰るので、さながら中華民族の大移動となる。特に、春節前の一週間、火車のチケットは「秒殺」状態になるので、ほとんど買えなくなるほど。この時期に中国国内を移動する場合、交通機関は非常にタイトになるので、注意をしたい。
日本人の場合、春節時期に、中国にいても、何もすることがないので、日本に帰ったほうが無難かもしれない。ただ、日本に帰るチケットも、この時期、普段の二倍以上に跳ね上がるので、外国人泣かせである。
「清明節」 お墓参りの日
清明節は、毎年だいたい4月5日前後。旧暦の二十四節気というものによって決まるらしい。清明節は、日本でいうところの、お彼岸にあたり、一家そろって先祖の墓参りに行く習慣があるようだ。また、冥土に行っても、お金に困らないようにと、紙のお金(纸币/じーびー)を燃やす習慣が、いかにも中国的である。
「労働節」
労働節(5月1日)は、メーデーでお休みとなっている。以前は、ゴールデンウィーク(黄金周)で七連休であったが、休みが集中しすぎるということで廃止され、代わりに、「清明節」「端午節」「中秋節」の前後を三連休にしたという経緯がある。
「端午節」 粽を食べる日
端午節というのは、旧暦(農暦)の五月五日のことで、端午節の前後三日間は、法定休日となっている。
端午の節句といえば、なんと言っても、粽子(じょんず)。要するにちまきのことであるが、中国の粽は、中のあんがいろいろあって、バラエティに富んでいる。
また「ドラゴンボートフェスティバル」という、イベントも、各地で行われる。
「中秋節」 満月が最も輝く夜
中秋節は、毎年、旧暦 の八月十五日で、満月の夜に、家族で、月を鑑賞し一家団らんのひと時を過ごすという習慣がある。
毎年、中秋節の夜、空を見上げるが、やはり満月になっている。当たり前といえば当たり前であるが、なるほど旧暦というのはすごいなと感心してしまう。
中秋節に欠かせないアイテムが、月餅(ムーンケーキ)。あんの中央に、満月を思わせる黄身が入っているのが特徴で、ねっとりとした独特の食感がある。
ただ、月餅の場合、個人で食べるのを楽しむと言うよりは、顧客への贈答用という色彩が強い。贈答用であるため、パッケージは豪華になりやすく、値段も高価になりやすい。毎年、中秋節の時期になると、中国の街中で、月餅の袋を抱えて、歩いている人を見かけるかもしれないが、ほとんどは贈答用である。
毎年、いろいろなブランドの月餅が出回り、月餅商戦が激しく繰り広げられている。
「国慶節」 中国の建国記念日
国慶節は、は、中国の建国記念日のことで、新暦の10月1日から七連休となる。
この時期、中国国内は、どこの行楽地に行っても、殺人的な込み具合であるので、この時期に中国国内の観光地へ行くのは、できれば、さけたいところである。
その他の祝日
上記の他にも、中国には、いろいろな祝日がある。伝統節句としては、お団子やランタンフェスティバルなどで知られる「元宵节(ゆえんしゃおじえ)」などが有名。(旧暦の正月十五日)
元宵節には、湯圓(タンユエン)(写真)と呼ばれる団子を食べる習慣があるが、「湯圓」の「圓(ユエン)」と「家族団らん」を表す「団圓(トゥアンユエン)」をかけて、一家円満を願って家族揃って食べられるのが慣わしとのこと。
家族のつながりが強い中国は、「儿童節」(子供の日)、「母亲節」(母の日)なども、結構、祝われていたりする、
クリスマス(聖誕節)、バレンタイン(情人節)、ハロウィン(万聖節)など西洋の祝日についても、もちろんある。
ただ、そもそも休日ではないし、旧暦の節句よりは、盛り上がりに欠ける感は否めないだろう。(たぶん、日本より盛り上がっていない気がする。)
あと、変わったところでは、11月11日(西暦)の「双十一」独身の日(光棍节/ぐわんぐんじえ)などのお祭りもあるが、近年は、爆買いセールの日として認識されてきているようだ。
中国の祝祭日・記念日 一覧表
以下、中国の祝日、記念日などについて、まとめてみた。
祝日(中国語) | 祝日(日本語) | 日期 | 暦 | その他 |
元旦 | 元旦 | 1月1日 | 西暦 | |
春节 | 旧正月 | 正月初一 | 旧暦 | 法定祝日 |
元宵节 | 元宵節 | 正月十五 | 旧暦 | 伝統祝日 |
情人节(ちんれんじえ) | バレンタイン | 2月14日 | 西暦 | |
国际妇女节 | 国際婦人デー | 3月8日 | 西暦 | |
植树节 | 植樹節 | 3月12日 | 西暦 | |
国际消费者权益日 | 消費者権益の日 | 3月15日 | 西暦 | |
愚人节(ゆーれんじえ) | エイプリルフール | 4月1日 | 西暦 | |
地球日 | 地球の日 | 4月22日 | 西暦 | |
清明节 | 清明節 | 4月5日ごろ | 旧暦 | 法定祝日 |
国际劳动节 | 労働記念日 | 5月1日 | 西暦 | 法定祝日 |
青年节 | 青年の日 | 5月4日 | 西暦 | |
母亲节 | 母の日 | 5月第2日曜 | 西暦 | |
国际儿童节 | こどもの日 | 6月1日 | 西暦 | |
父亲节 | 父の日 | 6月第3日曜 | 西暦 | |
端午节 | 端午節 | 五月五日 | 旧暦 | 法定祝日 |
建党节 | 建党記念日 | 7月1日 | 西暦 | 記念日 |
香港回归纪念日 | 香港返還記念日 | 7月1日 | 西暦 | 記念日 |
火把节 | 火祭り | 六月二十四日 | 旧暦 | 少数民族の祝日 |
建军节 | 人民解放軍記念日 | 8月1日 | 西暦 | 記念日 |
七夕情人节 | 七夕 | 七月初七 | 旧暦 | 伝統祝日 |
教师节 | 教師の日 | 9月10日 | 西暦 | |
“九•一八事变纪念日 | 9.18事変記念日 | 9月18日 | 西暦 | 記念日 |
中秋节 | 中秋節 | 八月十五 | 旧暦 | 法定祝日 |
国庆节 | 建国記念日 | 10月1日 | 西暦 | 法定祝日 |
重阳节 | 重陽節 | 九月初九 | 旧暦 | 伝統祝日 |
万圣节(わんしょんじえ) | ハロウィーン | 10月31日 | 西暦 | |
感恩节 | 感謝祭 | 11月の第4木曜 | 西暦 | |
澳门回归纪念日 | マカオ返還記念日 | 12月20日 | 西暦 | 記念日 |
平安夜 | クリスマス・イブ | 12月24日 | 西暦 | |
圣诞节(しょんたんじえ) | クリスマス | 12月25日 | 西暦 | |
除夕(ちゅーしー) | 大晦日 | 12月31日 | 西暦 |
香港の法定休日
香港は、中国の一部ではあるが、中国本土とは違う祝日体系となっている。
香港の法定休日は、以下の通り。
ニューイヤー 1月1日
旧正月 正月一日から三連休(旧暦)
清明節 4月5日
イースター(復活祭) 春分後、最初の満月のあとに来る、金曜日から月曜日までの四連休
メーデー(労働節) 5月1日
仏誕節(灌仏会) 四月八日(旧暦)
端午節 五月五日(旧暦)
特別行政区成立記念日 7月1日
中秋節 八月十五日(旧暦)
建国記念日 10月1日
重陽節 九月九日(旧暦)
クリスマス 12月25日(水)と26日(木)
香港のお休みは、中華と西洋の折衷という感じ。中国大陸の休みは一応休むが、大陸ほどガッツリ休まないという印象。(春節は三日間、国慶節にいたっては一日のみ)
そのかわり、イースター、クリスマスなど、キリスト教系の休みは、しっかりと休んでバランスを取っている。また、仏誕節といった、仏教にちなんだ休みもある。
写真:香港空港にて、旧正月の式典
初めまして!香港の珍奇屋の記事から飛んで参りました^^;
中国では農歴と新暦で2回誕生日を祝ったりするのでしょうか??
8年ほどチャイニーズ男子と同棲中ですが、 私自身一度も中国へ行ったことがないので、パートナーが語る中国事情が全くピンと来ず。。
貴ブログでは日々のことを日本語で綴って下さって
大変楽しく拝見させて頂いております。
日本はもう時代遅れと度々パートナーにも言われます。。特に電子決済においてはもう、中国でほとんど現金は使わないのですね?無人機械化コンビニ?があったり。。やっと日本でもalipeyなど宣伝されてきておりますが。そちらでは方言や主食でさえ地域差がかなり大きい点も、狭い日本に住んでいますとイマイチ実感が湧きません^^;
また楽しみに拝見させていただきます(*^^*)
mmさん、こんにちは。いつも御覧頂き、ありがとうございます。
中国人の誕生日は、新暦、旧暦2つありますが、どちらで祝うかについては、その人次第みたいですね。「年寄りは旧暦、若い人は新暦で」とかもありますが、はっきりとした基準があるわけではないようです。
あと、電子決済システムは、確かに中国のほうが進んでいるとは思いますが、それだけで「日本は時代遅れ。」というのは、単純だと思います。スマホで買い物ができるようになっても、人間が急にスマートになるわけでもなく、相変わらず、中国人は中国人で、非効率な面は、いっぱいあります。個人的には、日本社会のほうが、まだまだスマートな社会だと思っています。
そのあたりを確かめたければ、一度、中国人の彼氏について、中国に来られてみてはいかがでしょう。現地に来られれば、腑に落ちることも多いと思いますよ。