中国で生活する時に、必要になるのが、銀行口座でしょう。
また日本在住の方で、中国の銀行に人民元で預金口座を持ちたいと考える方もいるかもしれません。ここでは、中国での銀行口座開設と利用方法について、少し説明してみます。
人民元口座開設に必要なもの
パスポート(护照/フージャオ)
何はともあれ、身分証がなければ、どうにもなりません。日本人の場合は、パスポート(护照)を提示すればいいでしょう。
時々「身分証がないと作れません」という行員がいるかもしれませんが、そういう場合は、こちらが行員に、「日本では、国家の身分証がなく、パスポートがそれに代わるものとなる。」等の、説明をしてあげなければなりません。
マンションの賃貸契約書
あとは住所の証明が必要です。マンションの契約証明書を持っていけばいいでしょう。
この点で、日本在住者等、中国本土に住所がない人間は、本来は口座は作れないはずです。(が、銀行によっては、コレがなくても作ってしまえることもあるようです。後述)
手続き
書類に、結構、色々かかされるが、職員に聞きながら、どんどん記入してください。
注意点としては、登録する時に、自分の名前が、英語名(ローマ字)なのか、漢字名なのか、覚えておいてください。
一般には銀行カードとネットバンクを利用する場合は、U盾(ユードゥン)という安全装置を貰うはずです。(通帳は、一般にはありません。)
手続きが終了しても、有効になるまで1-2日かかる場合がありますので、すぐに使用しようとしても、ATMが使えない場合があります。気長に待ちましょう。
どの銀行がお薦めなのか?
中国の銀行は、金利はすべて同じなので、口座が開設できるならどこでもいいと思います。
また、サービスも似たり寄ったりですが、国有のいわゆる4大銀行よりは、民間資本系の方が接客態度はいいです。
中国非居住者で、中国の銀行で口座をもちたい人は?
旅行者、出張者などで、中国に住んでいないけど、中国に人民元口座を持ちたいという方も中には、いらっしゃるかもしれません。
一般には、非居住者は銀行口座は作れないはずで、現に、国有系の4大銀行(工商、中国、建設、農業)など大手銀行は、無理だと思われます。ただ、民営銀行(浦東発展銀行、民生銀行、平安銀行)等だと、比較的審査がゆるいところもあるので、チャレンジしてみる価値はあると思います。
(参考) 日本人旅行者は、中国で銀行口座が作れない!? | 広東省深圳@老板日記 最近、かなり厳しくなったようです。
あと、海外に口座をもちたい、人民元で投資がしたいというのであれば、可能であれば、香港でHSBCなどの口座を開いて、中国株やファンドを購入するなどしたほうが、いいかもしれません。といっても、最近、キャピタルフライトの件で、厳しくなってきているのっで、香港の銀行の方も、難しくはなっていると思いますが・・・・
(参考) HSBC香港で口座をつくってみる | 広東省深圳@老板日記
ATM使用時の注意
ATM使用の流れ
- カードを入れる
- パスワード(密码/ミーマー)入力
- 中文か英語かを選ぶ(香港系の銀行支店の場合)
- 操作を選択する
- カードを取る(一番最後)
操作の種類
〇査询(残高照会/チャー・シュン)
〇取款(現金引き出し/チュイ・クアン)
〇存款(入金/ツン・クアン)
100元単位での入金しか出来ない。
〇转帐(振替え/ジュアン・ジャン)
相手の銀行口座名を二度入力、金額を入力する。
確認画面では、相手の名前の一部が表示される。
ATMを利用する時の注意点
〇ATM のお金、カードの受け取る順番が日本と逆。
日本の場合、お金を引き出す場合、まずカードがでてきてから、現金がでてくる(あるいは同時)と思うが、中国の場合、まず、先に現金が出てきて、その後、選択画面でカードを抜き取りを選択してから、カードを取らなければならない。つまり、ざっくり言えば、以下のとおり、順番が逆になっている。
日本:カード⇒お 金
中国:お 金⇒カード
自分は、中国に来て間もない頃、銀行のカードを取り忘れて、後日、銀行までとりに行ったことがあるが、上記のような事情もあり、カードを取り忘れやすいということもあります。
ただし、香港系の銀行(HSBC、ハンセン銀行)、あるいは平安銀行など一部民営銀行は、先にカードがでてくるので、結論から言えば、その銀行によりけりということ。
〇金欠が多い
また、中国のATMは、金欠が結構あるので注意が必要です。夜間のATMなどには、現金を必要最小限しか置かないということなのかもしれません。
〇一度に引き出せる限度額が少ない
中国では、もともと一回の操作で引き出せる金額が少ない。2,500元(5万円)
よって、何度も何度も引き出している人間がいると、その列は全く動かないことになってしまう。また、中国人は後ろに人が並んでいようが何しようが、お構い無しで、とにかく、自分の用事が済むまでは譲らないので、難儀である。
〇ATMの手数料はかからない
中国のATMは、基本的に手数料が取られない。(この点、日本の大手メガバンクのATMは、夕方以降100円、休日200円とか、取り過ぎだろう。)
インターネットバンキング(網上銀行)
カードと同時に、希望するば、インターネットバンキング(網上銀行)を利用することが出来る。ネットバンクを利用する場合は、U盾(ユードゥン)という安全装置を使用する。振替、投資、保険など、結構いろいろなサービス機能は、一応はそろっているようである。(自分は、ほとんど使用したことは無いが)
人民元の定期預金
人民元は、普通預金(活期/フオーチ)の他に、定期預金(定期/ディンチ)もできます。
3ヶ月~5年まであり、年利2―4%くらいはつきます。日本では、考えられませんが、インフレなので、それでも実質にするとたいしたことはありません。
定期預金の利率
整存整取(全部一度に入金して、満期で一度にお金を出す)の場合 2015年6月現在
三个月 1.85
半年 2.05
一年 2.25
二年 2.75
三年 3.25
五年 3.35
両替と為替
日本から中国へ旅行か出張で来て両替をする時は、銀行あるいは銀行の出張両替所(写真)で両替するのが一般的かと思います。ちなみに中国では、どの銀行でもレートは同じようで、香港にある民営の両替所のように、いろいろレートがあるわけではないです。
ちなみに人民元は基本的には、アメリカのドルとゆるやかにリンクしています。従って、円安ドル高は、すなわち円安人民元高と同義です。
送金
他行への送金
中国の銀行というのは、いざ、他の銀行にお金を送ろうとすると、意外と面倒くさかったり、手数料をとったりします。とにかく、自分の銀行からお金が流出するのを嫌うみたいです。
例えば、給与の振込みとかで、会社から従業員の口座に振り込む場合、会社が「工商銀行」を指定したら、従業員も「工商銀行」の口座を新たに作らなければなりません。これは、その会社の銀行から、従業員のもつ別の銀行口座へ入金すると、手数料がかかるからなんでしょうが、いかにも非効率的です。
日本からの送金、日本への送金
外国からの場合、入金(日本⇒中国)は比較的容易であるが、逆(中国⇒日本)は結構、ハードルが高いです。また、送金手数料は結構かかるので、ある程度、まとまった金額でないと割りにあいません。
理財商品
一時期、シャドーバンク(影子銀行)で有名になった理財商品も、銀行で扱っているようです。
理財商品は、銀行で大々的に宣伝しているわけではないですが、銀行で順番待ちなどをしていると、銀行員がすっと寄ってきて「理財商品に興味ないか?」という風にきいてきます。
中国で暮らす その他の記事
日本人旅行者は、中国で銀行口座が作れない!?
先日、日本人の知り合いが、旅行に来たときに、中国で銀行口座を作れないか?というので、一緒に、銀行まで出かけたが、結構、大変だった。どの銀行も、判を押したように「できない。」というそっけない答え。しかも、態度はかたく、ほとんど即答という感じ。
HSBC香港で口座をつくってみる
私事になりますが、2008年暮れ、リーマンショックさめやらぬ中、香港へ出かけてHSBCへ行って口座を開きました。口座を作りに行ったのは、有名なセントラルの本店ではなく、中国から最も近い上水(シャンスイ)駅前の支店です。