日本一時帰国 Ⅲ 中国人のいわゆる「爆買い」について

japan2015 (201) NHKニュースより

さて、日本滞在中、案の定というか、やはりというか、かなりの確率で中国人観光客に遭遇するということになりました。関空は当然として京都駅周辺などは、中国人、台湾人あるいは韓国人などの遭遇率がかなり高くなってます。「何で中国から帰ってきてまで、中国語聞かにゃーいかんのだ」という感じですが、これも時代の流れということでしょうね。
今回は、その辺りを少し掘り下げてみようと思います。

中国人のいわゆる「爆買い」について

dianfanbao3 ヨドバシカメラ京都店
で、やはりといいますか、日本のメディアで話題になっているのが、中国人旅行客の「爆買い」
確かに彼らは、一人ひとりの買う金額が、日本人旅行者とは桁違いだったりします。彼らの旅の第一の目的が、買い物にありますので、そうなってしまうのですが、日本人である我々からすれば
「奴らの金銭感覚というのはいったい、どうなっているんだ?」と不可解に思えても仕方ないかもしれません。(彼らは、しばしば「どこにそんなお金があるの?」というような身の丈以上の消費をすることが多いです。)

自分も以前、中国人から「こういうメーカーの、これこれのシリーズの顔パックを20箱、買ってきてほしい。」と頼まれたこともあります。(彼らは、この製品の〇〇シリーズ〇箱という具合に、非常に具体的に指定します。)
「そんなに買ってどうするねん?」と聞けば「自分ではなく、友人から頼まれた。」とのこと。
「おい、おい、君の友人の依頼を、何で自分がひきうけにゃいかんのだ?」という感じでしたが、まあ、そんなにかさばるものではなかったし、流れで引き受けてしまいました。
「そんなに細かく指定して、本当にあるんやろうなあ?」と半信半疑で薬局へ向かいましたが、ドンピシャでありました。彼らは本当によく調べています。
おかげで、薬局の店員からは「何で、こんなおっさんが、大量に顔パックを?」というような反応をうけましたが・・・・・・・
kao-pack こんな感じのやつ

現在、彼らはほとんどが微信(WECHAT/ウィーチャット)と呼ばれる中国版ラインのようなものを使ってやりとりするので、ネットワークはさらに緊密かつ精度が上がっていると思います。
購入したものは、家族・親戚、知り合いに、送ったりするのでしょうけど、全く彼らの口コミ買い物ネットワークというのは、すごいものがあります。

中国国内でも、彼らはインターネットで団購(団体購入)という方式をよく使います。団体で購入して一人当たりの購入単価を下げるというやり方で、彼らにとっては、合理的なやり方なんだと思います。中華料理なんかと同じですね。中華料理は丸テーブルで食べますが、人数が多ければ多いほど、一人当たりの単価も下がります。そういった、やり方が根底にあるのではないかと思います。

また、彼らの欲しがる商品について、大まかな傾向はあると思います。
自分も、以前は、よく化粧品だの健康食品だの頼まれましたが、思いつくもので言えば
資生堂の化粧品、薬局のサプリメント、健康食品。粉ミルク、紙おむつ。タイガーの炊飯器、アイフォーン・・・・・
口に入れたり、肌に塗ったりするもの、あるいはプチ贅沢消費などでしょうか。

以下、ヨドバシカメラの電子炊飯器売り場で見かけた一台10万円以上する炊飯器。これなど、まさにプチ贅沢消費の典型でしょう。
dianfanbao2
中国人が日本で買い物をするアイテムの中に、最近は電器炊飯器というのが必ず入っているらしいですが、何故、炊飯器?というのがいまひとつ理解できませんでしたが、この売り場を見る限り、2-3万円位から10万円以上するものもあり、かなりハイスペックなものみたいです。
例えば、コーヒー好きの人間が、高価なエスプレッソマシーンを買うようなものでしょうか?自分のような一般庶民には、よくわかりません。
自分が、行った時は、中国人老夫婦があーでもない、こーでもないという風に相談してましたが(ほとんど店員の方を見ていない)店員は日本語でしか対応できないようで、アルバイトでもいいから中国人留学生か何かを活用すればいいのにと思いました。

何故、わざわざ日本で買うのか?

dianfanbao 

しかし、ここで不思議なことは、これらの商品は中国国内でも売っているということです。
日系企業も中国で現地生産をして、そのまま国内販売をしておりますので、何もわざわざ日本まで来て買わなくとも、現地でも購入できるはずなのです。

でも、わざわざ日本へ来て買う。いったい何故なのか?

彼らというのは、少しでも安いもの、お得感のあるもの、そちらの方へ流れやすい性質をもっいます。常に頭の中でソロバンをはじいているような感じです。根っからの商売人気質なんだろうと思います。したがって、円安で相対的に安くなった日本の商品に目が行くというのは、必然の道理なんだろうと思います。

しかし、単にリーズナブルだからというだけではなく、やはり根底にメイドインチャイナに対する不信感があるからでしょう。中国人のことをよく知っているのは、やはり彼ら中国人自身なのです。彼らは、自分たちが、どういう風に手を抜くかということを、一番よくしっている知っているのだと思います。
それは、日々、こちらで生活している自分にもなんとなくわかります。中国製は、最近ではかなり進歩はしていて、ある程度の用途には耐えますが、壊れるのも早いし、細かなニーズには対応しきれないというのがありますので。

香港でも同じ図式が

上記のような中国大陸人の爆買いというのは、何も日本に限ったことではありません。
一番、いい例が香港です。

よく大陸中国人が、香港で買った日本の紙おむつのメリーズを運んでいますが、メリーズは中国大陸にも売っているんです。
そのことを「どうして、わざわざ香港まで行って買うのか?」と中国人に聞いたことがありますが「中国では紙おむつは高いからだ。」といってましたが、答えになってない気がします。
今は、一度に運べる分量もかなり少なくなっており、香港との往復の移動の労力、交通費を考えれば、効率が悪いからです。それもやはり、中国製への信頼感がないからだろうと思います。
(現在、香港行政側も、中国人の香港への「自由行」に制限をかけようとしています。これも、本土観光客の増加が香港住民の生活を圧迫しているという背景があります。)

ニーズが細かい台湾人、香港人

feicheng-wuyou これが同じ華人でも、台湾人、香港人あたりになると、また日本に対するニーズが、ちょっと変わってきます。
NHKのニュースで「北海道の網走まで行って、流氷を見るツアーは半数は台湾人だった」とのことですが、台湾人あたりになると、もう日本に何回も来ている人も多いので、東京や富士山を回るだけの普通のツアーでは満足しないということもあるのかもしれません。
また当然ながら、台湾や香港は南国で、一生雪を見ることは無いので、そういう世界に対する憧れは、非常に強いということがあります。彼らは、冬の厳しさをしらないが故に、かえってそういう世界を美化しやすいのだろうと思います。
以前「非诚勿扰」という北海道を舞台とするドラマが流行ったこともありますが(自分はみたことありませんが)そういうのの巡礼的なモノもあるのかもしれません。(冬ソナ、ロケ地巡礼的な感じ?)
http://v.youku.com/v_show/id_XNDcxNTU0NDEy.html
非诚勿扰(2008年)优酷网 中文字幕あり

それは広東人なども同様で、以前、うちの広東人の同僚に「北海道に温泉に行くんだけども、この温泉の成分が何ちゃらかんちゃら・・・・」聞かれて、自分は温泉なんて、会社の慰安旅行とか数えるほどしか行ったことがないので、そんなことを聞かれてもなあ・・・という感じがしたことを覚えています。
彼らは、日本人だったら誰でも、温泉とか詳しいだろうと思っているんでしょうが、しかし、それは中国人だったら誰でも論語や三国志に詳しいと思っているのと同じですよね。
彼らは、根本的に、聞く相手を間違っています。

一過性のブームではなさそう

ニュースによれば、2014年の訪日外国人数は1,340万人と過去最高ですが、間違いなく、今年は昨年以上になるでしょう。半分は中国人だと思いますが、政治的になにか突発的なことがないかぎり、この傾向は続くと思います。
最大の原因は円安ですが、ビザ発給要件の緩和、さらには免税品目の範囲の拡大といった法律上の後押しもあるようです。また日本については、2012年に反日デモで急減したこともあり、その反動もあるのだと思います。

現在、中国では、中間所得層の拡大を背景に、海外旅行ブームということがおきており、タイだの、韓国だの、シンガポールだのといった近場から、日本さらには、欧米という具合に、どんどん旅行へ出かけています。自分の周りでも、海外旅行熱は相当のものであり一過性のブームではなさそうです。

過剰な反応は禁物

japan2015 (78) 
こういった爆買い云々に過剰な反応はしてもしょうがないと思います。所詮、文化が違うのですから、アレコレ言ったところでしょうがありません。
まあ、日本の消費者に影響が及ぶようなレベルであれば別ですが、好き嫌いに関係なく、そういった海外の隣人に関わらざるを得ない段階になっているということではないでしょうか。(逆に、こういった爆買いでもうかっている業者は、言わないだけで、結構いると思います。)
あと、自分の日本滞在中の行動半径の中で気がついた点ですが、彼らは彼らなりに、節度をもって行動していたような気がします。今回遭遇した中では、ふだん、中国でよくみられるような大声で話すとか、つばを吐くとか、周囲から顰蹙をかうような現象はみかけませんでした。日本は、人一倍、マナーに厳しい国であるということが、徐々に知られてきたということもあるかもしれません。
あとは、日本にくる中国人というのは、経済的にはある程度恵まれた層であり、それなりに節度のある人々であるということは、頭においておくといいです。(こっちにいる一般の中国人とは、かなり層が違います。)

現在のところ、彼らの爆発的な買い物ぶりばかりがクローズアップされておりますが、彼らのような中間層が、生の日本というものを体験することで、日本に対する印象も変わってくるので、悪いことではないと思っています。
逆に、日本から中国へはノービザで行けるにもかかわらず、円安だと日本から海外へ出にくくなり、若者を中心に、外の世界に接する機会が少なくなってしまい、関心すらもたなくなってしまう。ということが、危惧されます。
ネット言論は、所詮ネット言論にすぎないので、若い方がそれがすべてであるような風潮になってしまうことは、危ないと感じています。そのことについては、機会があれば、取り上げてみたいと思います。

(付記)
今回、中国国内に戻ってから、少しだけ残った日本円があったので中国元に戻しましたが、10000円がたった509元ということで、愕然としました。これなら、現金で換金するより、日本でモノを買って、中国にもって帰ってきたほうが、よほどマシです。
やはり中国人の行動にも、一理あります。

日本一時帰国 Ⅳに続く

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