中国には何故、厚切り食パンがないのか?

さて、中国に来て困ることの一つに、食事があろうかと思う。

一般的に、中国の食事は、脂っこいものや辛いものが多いので、和風であっさりしたものが好きな人だと、結構、大変かもしれない。中には、それが理由(イイワケ?)で、帰国したりする人もいるようである。

自分は、中華はもともと好きだし、ローカルの食事に、わりと適合している方であるが、それでも、一言いわずには、いられないものがある。

パンである。

ぶっちゃけ、パン、ケーキ、お菓子類については、中国はダメダメといえる。たまに、日本に帰ると、日本のスーパー、コンビニが天国のように見えてしまうのは、そのせいだろう。しかも、近年、中国と日本の物価の差が小さくなってきているので、日本のモノやサービスが非常にリーズナブルに感じてしまうのだ。(まあ、そういうこともあって、中国から日本に観光客がやってくるのだろうが)

それはさておき、パンは主食なので、食べないわけにもいかず、日常生活上、大変、困るのである。以下、中国におけるパン事情について、語ってみる。

中国には、何故、厚切り食パンが無いのか?

中国の食パンについて

中国イオンのパン売り場

中国の食パンであるが、確かに、一頃に比べれば、品質も上がってはきているし、バラエティも豊富になっているので、パン売り場なんかを見ると、一見、いい感じに見えるかもしれない。

ただ、少し食べてみれば、わかるが、柔らかすぎたり、甘すぎたりして、日本人の感覚にシックリくるモノは、かなり少ないように思える。

しかも、特に安いというわけでもない。いや、品質等を考えると、むしろ高いだろう。一般的には、大体、8~12元(130-200円程度)で、日本と同じくらいだろうか。その点、日本では、スーパーの特売で100円以下で、まともなパンが売っているので、非常にリーズナブルである。

しょうがないので、とりあえず、「嘉顿(ガーデン)」(右)という香港の老舗のパン屋の食パンで我慢している。別に、旨くはないのだが、昔ながらの食パンの食感があり、食べ飽きないのだ。

食パンの枚数に隠された、中国人の数字に対するこだわり

食パンで、もうひとつ困るのが、パンの厚みである。

というのも、中国では、所謂サンドイッチ用の8枚切りのパンが主流だからである。日本で一般的な6枚切りや5枚切りは少ないし、4枚切りに至っては、一度も見かけたことがない。また、6枚切りがあっても「コレ、8枚切りの厚さのまま、6枚にまとめているだけやん!」的なものが多い。

8枚切りでは、トーストにすると、カリカリで食べられたものではないし、かといって、中国人が、サンドイッチを食っている姿は、想像もできないし、いったい、彼らが、どうやって食べているのか不思議である。

何故、8枚切りばかりになってしまうのか?であるが、やはり、中国人の数字に対するこだわりが大きいのではないかと、個人的には思っている。

ご存知のように、中国人は数字というものに、非常にこだわる民族である。そして、彼らにとって、最も縁起がよい数字は「」であることは言うまでもない。お金儲けの発財の「」に通じるということや、漢字で書いたときに末広がりで、縁起がいいということなんだろうが、中国人の「八」へのこだわりは尋常ではない。(車のナンバー、電話番号、部屋の番号などなど)そういう流れからすれば、食パンに八枚切りしか無いのは、必然の道理であろう。


逆に、四枚切りのパンが無いのは、「四(スー)」が「死(スー)」に通じるので、縁起が悪いということで説明がつく。

ただ、実際のところ、どうなんだろう。単に、枚数が多ければ多いほど、お得感があるだけという気がしないでもないが。。。。。

食パン(方包)系いろいろ

ちなみに、中国のスーパーで、パンを買うときは、当たり前だが、製造日付を確認してから買うようにしたほうがいいだろう。一般に、前に置いてあるものは古く、後ろに隠れるようにおいてあるものほど、新しいので(かなり露骨なので、かえってわかりやすい)、奥にあるものを掻き分けるようにして取るのがコツである。

食パンは一般に「方包」あるいは「吐司」と、書く。「方包」は、方形のパン(面包)で意訳、「吐司」はトーストの音訳である。また「甜(甘口)」「咸(辛口)」でわけられていることもあるようだ。

以下、少しだけ、食パン類について紹介してみよう。

耳なしパン(切皮方包)

bread-noskin

 

耳なしパン。

「切皮方包」(皮切り食パン)あるいは「無辺吐司」(縁無しトースト)とも言うようだ。

 

 

レーズンパン(提子包)

bread-tizibao
「提子包(ティーズバオ)」で、レーズンパン。

そこそこ食べられるが、一枚一枚が、小さすぎる。

フィンガーブレッド(手指面包)

bread-finger
文字通り訳すと、手の指パン。

たしかに指の形はしているが、中国語にすると、何でも、露骨になってしまう。

中国の菓子パン いろいろ

一方、食パン以上に残念感が漂っているのが、菓子パンといってもいいだろう。

一般に、中国の菓子パン(というかお菓子全般)は、日本人が食べて美味しいと感じるものが少なく、しかも、その割に安くない。お菓子大国、日本から来た人間からすると、なんとも味気ないところがある。(その代わり、中国には「糖水(甜品)」などのスイーツ分野があるので、それを補完しているのかもしれないが)

というわけで、語るべきものがない菓子パンであるが、以下、ちょっと紹介してみる。(写真はすべてウォルマートにて撮影)

肉松包

bread-rousong (2)
中国ローカルのパンというと、まず思い浮かべてしまうのが、この肉松包(ロウソンバオ)であろうか。
要するに、味付けパンで、パン生地の上に、何ともいえない味つけのもじゃもじゃしたもの(肉松)が載っかっているのであるが、実は、自分は、これが一番、苦手である。

でも、不思議な事に、中国人は、この味付けが大好きなようで、どこのパン屋でも売っている。以前、昼ごはんを買いに行く時間がないときに、同僚の中国人に「何でもいいから、パンを買ってきて」と頼んだとき(よりよって)コレを買ってこられ、仕方なく食べたことがあるが、それ以来、口にしていない。

毛虫パン(毛毛虫)

bread-maomaochong
キャタピラーのような形状が特徴の、毛虫パン(毛毛虫/マオマオチョン)。

クロワッサン牛角包

bread-croissant (2)
牛の角のパンで、クロワッサン。

羊角包と呼ぶこともあるようだ。

紫イモパン(紫薯卷)

bread-zishujuan紫イモパン。

こちらには、皮だけでなく、中まで紫色という、紫イモというイモがある。

紫イモジュース(かなり、おぞましい色をしている)など、いろいろな食品に、応用されているが、これもそのうちの一つ。

ミニアンパン(迷你豆沙包)

bread-minianpan

あなた(你/ニー)を惑わす(迷/ミー)アンパン(豆沙包)でミニアンパン。
音訳と意訳のあわせ技であるが、全然、惑わされないことは言うまでもない。

というか、中国のアンパンで、これまで、あまり美味しいと思えるものに、出会った試しがない。何かが違うのであるが、それが何かは、未だにわからない。

 

パン以外

スイスロール(瑞士卷)


パンではなく、ケーキの部類であるが、パンコーナーに、並んでいることが多い。

食べたときに、スポンジをほおばったようにモガッとなってしまう。メチャまずいわけではないが、日本のロールケーキのようなものを、想像して口に入れると、肩透かしを食らうかもしれない。

どら焼き(铜锣烧)

bread-dorayaki (2)

三個入りで7元(110円程度)と安いことは安い。

ただ、一応、どら焼きの形はしているが、中身は日本のどら焼きとは別物と考えたほうがよさそうだ。

「中国にもどら焼きが!」とか思って食べると、悲しい思いをすることは間違いがない。

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