茶餐厅Ⅱ 黄秋生、茶餐厅を語る

tea-house 
黄秋生(右)

動画の中で香港映画俳優のアンソニー・ウォン(黄秋生)が、茶餐厅について、幼い頃の思い出を交えながら熱く語ってくれています。以下、要約してみました。(全訳ではありません。また広東語なので、大体の内容です。)

黄秋生 茶餐厅を語る(動画7分~)


香港独家 04 优酷网(広東語です、漢字字幕あり)

楊小姐(女性)「秋生(チウサン)、もうセットメニューは無いようだけど、何を頼みます?」
黄秋生「何でもいいよ、火腿通粉,牛奶麦片・・・・・・・(といって、メニューを片っ端から読み始め、いきなりボケをかます黄秋生。)」
楊小姐「それは、見たらわかります!!何を選びたいかを聞いているんです。」
黄秋生「何だって、いいのさ。食いたいもの選べばいい。」
teahouse32 黄秋生

茶餐厅のプロトタイプ 氷室

楊小姐「今、茶餐厅はいっぱいありますが、氷室(ビンサッ)は少ないですよね。小さいときによく行かれたと思いますが、何か思い出みたいなものはありますか?」
黄秋生「氷室は60年代、茶餐厅よりちょっとグレードが低い場所って言うところかな。氷室は二つの特色があって、一つは、涼しいってこと。当時はクーラーのない家が多かったから、それだけでも、メリットがあったよ。もう一つはカキ氷が食えたこと。だから氷室って呼ばれた。それから、だんだん氷室でも飯が食えるようになって、茶餐厅に変わっていったんだ。」
楊小姐「氷室については、何か歴史的由来はあるんですかね?」
黄秋生「氷室は、香港固有のものだろうね。北方から来たものでもあるらしいけど、それがだんだんと茶餐厅に変わっていったんだ。」
楊小姐「じゃあ、茶餐厅と氷室の区別って何でしょう?」
黄秋生「氷室は先ずテーブルが無い。茶餐厅はある。」
楊小姐「ああ、そういうことですか。じゃあ茶餐厅の何か思い出はありますか?」
黄秋生「とにかく安いし量も多い、あと家にいるような暖かい感覚っていうか。小さいときから、しょっ中行ってるから、友人と一緒に、過ごした時間、思い出が一杯詰まっている。」

ロマンチックな物語が生まれる?!

teahouse31 楊小姐
楊小姐「茶餐厅の一番の特色は?」
黄秋生「ロマンチックな物語(浪漫的故事)が生まれるかもしれない。例えば、テーブルの隣りに、見知らぬ美女が座ってくるとする。そう、ちょうど今みたいにね・・・。」
楊小姐「私も、あなたに会ってみたいですね。(笑)」
黄秋生「それはまずいね。自分は多分、声は出さないから。」
楊小姐「それじゃ、ロマンになりませんね。」
黄秋生「頭を上げずに紅い顔をして、黙々と飯を食い続け、食い終わって勘定の時に、こっそりとテーブルの分の勘定を済ませておく。」(??最後、聞き取り不能。でも映画人らしい発言ですね。)

黄秋生 お薦めメニュー

楊小姐「今度、一度試してみるとしましょうか。それはそうと、どんなメニューが、必飲必食(ビッヤム・ビッセク)でしょう?」
黄秋生「自分が必飲必食なものは、他の大部分の人とは違うと思うけど。。。」
楊小姐「いいですよ。あなたに聞いてるんです。」
黄秋生「自分が好きなのは、冻柠水(レモン水?)と叉蛋饭(チャーダンファン/チャーシュー卵飯?)だね。注文は必ず二回言うんだよ。そうしないと、大抵の場合、餐蛋饭(ツァンダンファン・肉炒め卵飯)が出てくるからね。あと多酱油(しょうゆ多め)も忘れずに。それに、茶餐厅といっても、店によって、いろいろ特色があって、同じメニューと言ったところで、風合いが異なるんだ。」

茶餐厅は香港独自のカフェ文化

teahouse35

楊小姐「今、最新式の茶餐厅も流行ってますが、あなたはどんなタイプの茶餐厅が好きなんでしょう?」
黄秋生「文化的な雰囲気のある茶餐厅がいいね。」
楊小姐「歴史のあるかんじですね。」
黄秋生「そう、老舗(老字号)のね。内装は昔の家みたいな感じのね。小さいときの自分の家が、ちょうどこんな感じだったよ。」

楊小姐「あなたが出演された映画で、監督、例えば杜sirや、陳嘉上などは、結構、茶餐厅を登場させますね。どうしてなんでしょう?」
黄秋生「彼らは、香港の特色を表現したいんだと思うよ。茶餐厅っていうのは、香港を代表する存在の一つであることには違い無い。今、「港式茶餐厅」は北京でも、上海でもどこにでもあるからね。」
楊小姐「イコール香港っていう感じですか。」
黄秋生「イコールというか、香港という大きな枠組みがあったとすれば、そのなかの一つには違い無いよね。」

以上

茶餐厅というのは、単に、食べるだけの場所ではなく、くつろいだり、仲間としゃべったりするための場所という、小カフェ文化的空間なんでしょう。スターバックスなんかが、独自のカフェ文化をもっているように、茶餐厅というのが、香港人にとっての、いわゆる一つのカフェ文化という。
でも、香港人でもオーダーが通らないことがあるんですね。自分なんか結構、違うものが出てきますが、訂正するのが面倒くさいので、そのまま食べちゃいますけどね。

レトロ茶餐厅(動画12分~)

teahouse43
動画中に登場する茶餐厅は、60年代に出来たらしいから、かれこれ半世紀の歴史があるということになる。
60年代当時「干炒牛河(牛肉と河(ホー)の炒め物)」が1HKドルで、家賃が1000HKドルだったので、その負担はかなり大きかったが、大家が老板の友人だったので、比較的安い値段で借りることが出来たとのこと。また食べること以外にも、その独特のデザインを見ることを目的に、外国人なども多く立ち寄るらしい。

teahouse41
内装は独特のタイルが施してあって、違う場所には、違う模様のタイルが用いられている。
テーブルと椅子は当時のまま残してあり、当時の社会状況を色濃く反映している。当時は、労働階級の人が多かったことから、痩せた人が多く、テーブルの間取りもあまり余裕のあるものではないようだ。
また内部は、一階と二階に分かれており、今では想像もできないが、結婚式の摆酒(宴会)等も昔は開かれたことがあるという。

美都餐室 場所

※ちなみに、この動画に登場するレトロ茶餐厅は、「美都餐室」といい、廟街で有名な天后廟のすぐ北側の通り沿いです。(MTR「油麻地」駅か「佐敦」駅から徒歩10分くらい)

先日、近くを通った時は、思ったより、うらぶれた感じで、入るのを断念。興味がある方はどうぞ。
temple-street (19)

その他、関連する記事

milktea茶餐厅Ⅰ その由来と歴史~香港ミルクティー製法 2015年1月26日
茶餐厅は、香港人が普段着で気軽に利用できる喫茶風レストラン。店内では、広東語が飛び交い、中華レストランや飲茶よりもずっと庶民的な場所である。香港のTV番組を通じて、茶餐厅の由来や歴史について迫ってみる。
sweets-eggtart (2)茶餐厅Ⅲ エッグタルト製法~進化する茶餐厅 2015年1月29日
エッグタルトは、香港、広東省では、どこにでも売っている、一般庶民のファーストフードで、ちょうど、日本のたい焼き、今川焼きみたいな感じかもしれない。広東、香港人のソウルフード、エッグタルトについて。
teahouse-macau-burger茶餐厅のメニューをざっくり紹介 2016年9月8日
茶餐厅は、メニューが非常に多く、びっしりと漢字が並んだメニュー表をみると、途方にくれてしまいそうになるが、大まかな区分さえわかっていれば、とりあえず何とかなる。茶餐厅のメニューについて紹介してみる。

 その他、関連する記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA