茶餐厅のメニューをざっくり紹介

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マカオバーガー(澳门猪扒堡)

 中国にいると、常に何を食べるかということで悩みは尽きない。日本料理やファーストフードばかりでは飽きてしまうし。かといって、中華レストランと言うのは、少人数で食事をする人間にとっては不都合である。快餐(中華ファーストフード)は安いが、そもそも日本人が気軽に入っていける雰囲気ではない。
 そんなときに、たまに利用するのが港式茶餐厅(ガンシー・チャーツァンティン)というやつである。港式と言うのは香港式のこと、茶餐厅は、喫茶風レストランとでも訳せるだろうか。香港の一般庶民が気軽に利用できるよう、その下町的世界がそのまま再現されている。

以下、そのメニューについて、ざっくり紹介してみる。

港式茶餐庁~香港下町的食文化世界

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港式茶餐厅は、広東省であれば、街のあちこちにあるし、とりあえず「〇〇茶餐厅」という看板があり、店先に鴨や鶏がつるしてあれば、それと考えてよいだろう。
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中に入ると、喫茶店のように、背もたれのあるテーブルが組まれているのが特徴で、メニューがあるので、最悪、指で指せばよいので日本人にもありがたい。店内は、壁一面に日替わりメニューがはられ、香港の広東語TV「翡翠台(TVB Jade)」などが流しっぱなしになっていたり、新聞さしには、東方日報などが置いてある。
また、店員同士「阿〇」と呼び合ったり、香港親父が広東語で世間話に花をさかせている。まあ、よくも悪しくも、香港下町的世界が凝縮されている場所である。(注文は普通話でOK)

阿〇・・・・香港や広東で、人を呼ぶときの親しみをこめた呼び方で、「ア・〇」という〇の部分は、名前の一番、後ろの漢字を使うことが多いようだ。意味は「~ちゃん、~さん」位らしい

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あと、最もそれっぽい演出?と思うのは、最初に、お湯につかった、スプーンとお箸(またはレンゲ)が出でくるところであろうか。これは、衛生面を考慮したものであるが、茶餐厅特有のものと感じる。

茶餐厅メニュー

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さて、茶餐厅といえば、その豊富なメニューでしられるが、びっしりと漢字が並んでいるメニュー表をみると、圧倒されてしまうかもしれない。しかし、大体の大まかな区分さえわかっていれば、とりあえず何とかなる。

茶餐厅のメニューは、早く言えば何でもありである。
「飯 ・面 ・粉 ・粥 ・腸粉 ・堡仔 ・面包」「湯」「飲品」といった感じに分かれており、大体、以下のような意味になることを、知っていれば、大きくはずすことは無いだろう。

飯(ファン)・・・ご飯もの
面(ミイェン)・・・メン類
粉(フェン)・・・パスタ
粥(ジョウ)・・・かゆ
腸粉(チャンフェン)・・・中国特有の食べ物
焼味・・・・ロースト類
堡仔(ボウザイ)・・・土鍋
面包(ミイェンバオ)・・・パン類
湯(タン)・・・スープ
飲品(インピン)・・飲み物

例えば「多士(トースト)」「三文治(サンドイッチ)」のように、音を当てている藻のも多く、日本人であれば、大体どんなものが出てくるか想像がつくようになる。漢字の連想クイズ的な楽しみがある。

また、各国の料理を、中華風にアレンジしたものであるから、外国名をおさえていれば、余計に想像しやすいだろう。例えば、意粉は、意大利(イタリア)の粉(パスタ)だから、スパゲティとかである。ちなみに、アメリカは「美国」フランスは「法国」、日本のものは、日式と呼ばれているが、あまりおいしくはない。

あと、肝心のお味の方であるが、甘さにしろ、辛さにしろ、とにかく味付けが濃厚だと感じる。たぶん、旧宗主国のイギリスの影響だと思うが、こんなものを食っていたら、確実に体重は増加の一途をたどることはまちがいない。

まあそれはさておき、以下、主に茶餐厅の定番メニューを紹介してみる。

ご飯もの

もともとは中華レストランのものを、一人でも食べられるように、ご飯やスープをつけて、定食としてアレンジしなおされたようなものが多い。

揚州炒飯(ヤンジョウ・チャオファン)

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チャーハンの中でも、定番中の定番。これがどの程度の味かで店のレベルも決まってくる。グレードが上がるにつれ、ご飯のぱりぱり感や、具が蝦とかチャーシューなどそれなりのものになってくる。

チャーハンには他にも海鮮炒飯(海鮮チャーハン)とか、印尼炒飯(インドネシア風チャーハン)などがある。要するに、カレーチャーハンであるが、ライスの上に、目玉焼きかあるいは、ソーセージがのっかているのが特徴。

魚香茄子(ユーシャン・チエズ)

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茄子炒めと言えば、いいのであるが、南国特有のデカ茄子をぶつ切りにして、こってりとした味付けで、油ギトギトで、かなりボリュームがあるので、これを一皿平らげ、しかも香港ミルクティーを全部飲み干したりしたら、メタボ街道一直線となってしまうことは、間違いないところだろう。

番茄炒蛋(ファンチエ・チャオダン)

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トマトと卵をいためると言う、いたってシンプルな食べ物。日本にいると、トマトというのは、サラダとか生で食べるのが普通であるが、中国ではこのように、炒めて食べることも多い。トマトの形が崩れないように、しっかりと炒めてあるかどうかが、勝負の分かれ目と言えるだろうか。

梅菜扣肉(メイザイ・コウロウ)

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豚の角煮をスライスしたもの(扣肉)と梅の葉の組み合わせが絶妙な一品。しかし、出す店によって、かなりばらつきがあるので注意が必要。
本来は、客家系の料理のようである。

回鍋肉(ホイゴーロー)

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日本のホイコーローの名前の由来になっているものであるが、味は全く違う。
味付けがかなり辛く、しゃっくりがとまらなくなってしまうこともある。しかし、店に、もっと辛さを少なくしてくれといっても、もともと辛い食べ物だからといって受け付けてくれないことが多い。
辣子鶏飯(ラーズジーファン)は、回鍋肉の鶏バージョンである。

咖喱饭

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カレーといっても、ところが変われば、中身もずいぶん変わってしまう。香港、広東省では、一般には、辛さの質が違うように感じる。
写真は、大快活のカレーで、黄色がかった色とこってりと濃厚な味が特徴。日本のカレーとは、風合いが違う。また一般に、カツカレーのカツは、薄っぺらいものが多く、日本人には物足りないかもしれない。また日本のカレーは、日式あるいは、和風といって、区別される。

XO醤とは?

こちらに来ると、メニューにXO醤〇〇というのを、目にするかもしれない。XO醤(エックs・オー・ジャン)というのは、豆板醤(とうばんじゃん)などと同様、タレの一種で、もともと海鮮によって作られているためか、XO醤海鮮チャーハンとか、海鮮類と相性がいいようである。李錦記というメーカーのものが有名。

焼味 (ロースト類)

焼味(シャオウェイ)というのは、一般的に、鶏や鴨やチャーシューなどローストした肉の総称で、よく店先に吊るしてある、あめ色をした鴨とかのことである。

注文すると、吊ってある肉を降ろして、でかい包丁で、どかんどかんという感じで、ぶつ切りにして、ご飯と一緒に持ってくるという感じで、なんとも、シンプルな調理法に見えるなくもないが、そもそも吊るされている肉が、特別に加工されたものであるので、手を抜いているわけではない。
また、骨を抜かずに、出してくるので、そういうのに慣れてない日本人にとっては、結構、食べるのに一苦労だったりするが、これも、文化の違いだからしょうがない。

(日本のように、肉でも魚でも、最初から骨を抜いてくれるのは、便利ではあるが、過保護な気がしなくもない。肉に骨があるという、あたり前の事実も忘れてしまいそうになる。)

焼鴨飯(サオヤーファン)

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 鴨(カモ)というのは、日本では食べないが、中国では、それこそ有名な北京ダック(北京烤鸭)から、その辺の店の焼鴨飯(サオヤーファン)まで、非常によく食べる。
味は、なんというか、独特のクセがあって、好き嫌いはあると思う。あと、鴨(カモ)より一回り、大きなトリで鹅(オー)というのがいて、これも食べる。

叉烧饭(チャーサオファン)

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豚チャーシューをご飯に載せて食べるというシンプルな形式。やはり、店先に吊るしてあるものを、包丁で削いで、ご飯に載せるだけというシンプルなご飯もの。
日本のチャーシューと違って、甘いのが特徴だが、広東省は南方だから特に、甘いのかもしれない。

堡仔饭(バオザイファン)

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土鍋の中に、ソーセージなど具を入れて、蒸したご飯。ぱりぱりして香ばしいご飯が、おいしい一品である。
注意点は、とにかく時間かかかること。注文してから、30分くらいかかることもあるので、あとに急ぎの用事がある場合は、避けたほうが無難である。

午後の軽食メニューについて

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どこのレストラン、食堂でも、ランチタイムは午後2時位までで、午後2時~5時は、どのレストランも、午後用のメニューに変わる。ご飯は提供せず、トーストや麺類といった、即席の軽食メニューになる。
あらかじめセットメニューとして組んであることが多く、写真は、大家楽(カフェ・ド・コラル)午後のセットメニュー(20元)。大家楽は、中華ファーストフードチェーンであるが、茶餐厅をシステマティックにしたもので、安くておいしいものが多い。

teahouse-dajiale3ランチタイムのラッシュアワーが一息ついた頃、店員さんが、おもむろに、ランチ用のメニューから軽食用のメニューに交換し始める。大家楽のようなチェーン店の場合は、壁のメニューが、取り外し自由に出来ているので、5分もあれば、交換がすんでしまう。

広東省は、自営業の人間が多い為か、こんな時間でも結構、人でいっぱいになっていることが多い。食堂と違って、カフェという役割も果たす、茶餐厅ならではの光景といえる。

面・粉(めん類)

三丝炒米粉(サンスーチャオミーフェン)

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中国風焼きそば。細い切りハムとピーマンなどが入っている。
応用形として、星州炒米粉(シンガポール風焼きそば)があるが、要するにカレー焼きそばのこと。カレー風味だと、印尼(インドネシア)とか、星加坡(シンガポール)とか、南国のイメージがあるのかもしれない。

干炒牛河(ガンチャオ・ニウホー)

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平べったい面に、牛肉、もやしで炒めると言う、シンプルな焼きそば。
東南アジアでは、クイティアオと言っただろうか。とにかく油ギトギト、しかもどっさり盛られてくるのであるが、気がついてみると意外と全部、食べ終わってしまっていたりす。だからといって調子に乗って食っていると、メタボ街道一直線であるから、ダイエットが必要な人間にとっては、要注意な一品と言える。

公仔面(インスタントラーメン)

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方便面(インスタントラーメン)に、お好みの具を盛り付けるだけのメニュー。
インスタントラーメンがメニューになること自体、驚きであるが、こちらでは立派にメニューになっている。また、その中でも「出前一丁」と言うのは、ブランド的な存在になっているらしく、出前一丁を注文すると、プラス2元とかそういうルールになっている。

包子・粥・腸粉

茶餐厅でも、包子(肉まん)・(かゆ)・腸粉(チャンフェン)は、売ってます。飲茶レストランのような上品で小粒なものではなく、大振りで味も大味です。朝ごはんのメニューと同じなので、そちらをご参照のこと。
中国 朝ごはんの主役メニュー

面包(パン)

公司三文治(クラブサンドイッチ)

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公司(会社)三文治(サンドイッチ)と書いて、クラブサンドイッチ、つまりミックスサンドのこと。
三文治(サンウェンチ)は、中国語の音を当てたもので、このほか鸡蛋(たまご)、火腿(ハム)、吞拿鱼(ツナ)などもある。

西多士(シードォース)

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要するにフレンチトーストのことであるが、日本のフレンチトーストのようなものを想像すると痛い目を見る。揚げパンに、バター、蜂蜜と、とにかく、こてこて路線。西〇〇というのは、西洋式ぐらいの意味になるみたいである。

澳门猪扒堡(マカオバーガー)

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マカオ(澳门)と銘打ってあるが、大概の茶餐厅にあって、昼メニューとかに、よく登場する。牛肉ではなく、豚肉を使う豚バーガーである。
見た目は結構ごつくて、威圧感がある。肉を挟むパンが厚すぎて、時々、どうやって食べたらいいか、悩んでしまうことも・・・・。

飲品

奶茶(ナイチャ/ミルクティ)

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香港式ミルクティ(奶茶/ナイチャ)。レンガ色で濃厚な味が特徴。ちょっと濃厚過ぎる気もするが、南国の気候とあいまって慣れてくるから不思議である。正宗なミルクティは、味はとにかく濃厚で、甘い中にずっしりと茶葉の味がする。
アイスの場合、日本と違って、はじめからミルクとシロップを全部入れてあるので、甘いのがいやな場合は、「少糖(シャオ・タン)」とか「少甜(シャオチ・ティエン)」などと指定しなければいけないが、これがなかなか、伝わらなかったりするので、大変である。

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こちらは、アイスミルクティー(冻奶茶/トンナイチャ)。一般には普通に中に氷を入れるが、なかには、こういうふうに、わざわざ外側から氷で冷やすものもある。氷が解けると薄まるからというのもあるだろうが、中国人は、一般的に、あまりキンキンに冷えたものを敬遠する傾向があるので、「氷を抜いてくれ」というのは、どこでもよく聞く。
レストランで、冷えてないビールが、出されることも、たまにあると思うが、同じ論理である。

鸳鸯咖啡(ユンヤン・カーフェイ)

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ミルクティとコーヒーの混合という、かなりマニアックな飲み物。鸳鸯(ユンヤン)と言うのは、もともとはおしどりの意味である。茶:コーヒー=7:3の割合で混ぜるのがコツらしい。

奶茶、鸳鸯咖啡については、すでに以下のページで紹介したので、ご参照のこと。
茶餐厅Ⅰ その由来と歴史~香港ミルクティー製法 | 広東省深圳@老板日記

檸檬茶(ニンモンチャ)

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要するにレモンティーのことであるが、店によっては、ざっくりとスライスした檸檬が、丸ごと豪快にぶち込んであったり、唖然としてしまうことがある。
そこまでではないにしろ、かなり大きめにスライスしたレモンが入っているので、それを、自分の好みに合わせて、スプーンで押しつぶしてから飲む。

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