中国オープン 成都  中国男子卓球がボイコット!?


馬龍と劉国梁

世界卓球が終わったと思ったら、ジャパンオープン(東京)、さらには、中国オープン(成都)とこのところ、たて続きに卓球の国際試合が行われている。

今回、日本からは、空前の規模の選手団が派遣されているが、当地では、これを称して「倭寇」と呼ばれ、かなり警戒されているようだ。ネット民からは、「中国選手より多いとはどういうことか。」とか「日本は、そんな金があるのか?」とか、驚きの声も上がっている。

まあ、それは、いいとして、昨日、女子の試合の後、張本と許昕の試合でも見ようかなと思ったら、なかなか始まらないし、台で打ってるのは、欧米と日本の選手だけで、肝心の中国選手が見当たらない。

ネット民のつぶやきを見ると、どうも、馬龍、許昕、樊振东など、中国の男子選手が、試合をボイコット(退赛)してしまったようである。

何が原因かということは、選手自身が口にしているわけではないが、ただ、彼らの微博(ウェイボー)上に、「这一刻我们无心恋战 只因想念您刘国梁(今この時、我々は、勝たんがための戦いをする気にはなれない。劉国梁、ただ貴方のことを思うがために・・」という文字と、自分と劉国梁との写真をアップしていたとのことだ。

要するに、先日、中国卓球協会が「劉国梁」総監督を解任したということがあって、それに対して、選手たちの抗議行動を起こしたようである。劉国梁は、元オリンピック金メダリストで、この十数年ずっとナショナルチームの監督をしてきたし、しかも結果も出し続けている。選手たちからの信頼も厚く、彼らとしては、協会の決定に到底納得ができないというところなんだろう。

そういえば、先日の世界卓球のときも、女子の「孔令輝」監督が、カジノスキャンダルで突然、解任されてしまったし、中国の卓球界も相当に闇が深いようである。

ネット民たちは「俺は、彼らを支持する。」みたいな書き込みが多いが、この先、どうなってしまうのであろうか?日本としても、中国選手が参加していない大会で勝って、メダルをとっても意味がないし、とりあえず、今後の様子を見守っていくしかないだろう。


馬龍と大島の試合は、大島の不戦勝という事態に。

中国メディアから

この劉国梁事件について、ぱらぱらとネットを見てはいるが、なかなか、真相というのはよくわかりにくい。以下は、新華社の記事であるが、少し大意を訳してみた。(大体です)

新华社:刘国梁转职如三级跳 为国乒主动求变点赞_网易体育

今回の改革の重要な内容の一つは、国家卓球チームに、総監督、主任コーチを設けずに、男子、女子に、国家チームのコーチ組を設置し、訓練と管理に取り組む。このように、管理階層をフラット化(扁平化)する管理方法は、訓練と試合への準備の効率を引き上げ、ひいては、2020年の東京オリンピックに対する新しい挑戦に通じる。

当然ながら、改革は、これまでの仕事をなんら否定するものではなく、中国卓球を、常に勝たしめ長く保つには、平時においても注意を怠らず、心配や苦しみの意識を保持する。それは「受賞台から立ち去り、一切を零から開始する」という道理に通じるものだ。主体的に新しいことや変化を求めることは、受動的に変化させられることに比べれば、さらに成功たらしめるのである。

今年4月の卓球アジア大会で、技術上では遅々として変化を求めない女子チームは、日本チームに大きな苦杯を舐めた。その苦い経験を思い出し、教訓を得た、女子チームは、戦術研究を強化して、ついに、世界卓球では雪辱を果たす。技術でさえ、かくの如くであるから、管理体制もたゆまぬ革新と進歩を追求し、チームの優良なスタイルや競争意識を保持することが必要である。

その他、中国卓球協会が、劉国梁を中国卓球協会副主席に着任することを発表した。体育社団改革の一つが、プロにプロの仕事をさせるということあり、かつての三冠王であり国家チーム総監督として、劉国梁が卓球協会副主席の任につくことは、協会の効能を大きく強化させることに、いささかの疑いはない。

実際上、近年、劉国梁は、国際大会にチームを率い、かずかずのメダルを獲得し、始終、卓球の普及と発展に尽力を尽くしてきた。本人にしてみれば、この職位変更については、「三級跳び」すなわち  一優秀選手から一優秀監督へ、そして更に、管理職へと、再度自己を証明したも同然である。

体育は、勝敗を持って、英雄を論じるものではない、しかし、英雄は敢えて先を争い、第一を争うものである。中国体育は、現在、深化改革の真っ最中であり、中華民族の偉大な復興、中国夢の道路上にある。「国球」という名のある卓球は、長年に渡り、衰えを見せず、まさに中国体育の愛国主義、集団主義精神、奮闘精神の模範である。この世界卓球で勝利した、今この時、改革を進めることは、中国体育を絶え間ない決心と勇気を表すもので、この決心と勇気は、我々が賞賛するに値するであろう。

要するに、今回の劉国梁コーチの解任は、組織のフラット化の一環であって、それ以上でも以下でもない。選手、監督として偉大な結果をだした劉国梁には、今後、管理職としてがんばってもらう。
アジア大会で、苦杯を舐めた中国女子は、世界卓球では雪辱を果たし、とりあえず、よい成績を収めたが、それに安心せず、平時においても備えを怠らないことが重要だ。中国体育の模範であるべき、卓球においては、時として、大胆に変革しなければならない。

まあ、そういう感じである。

表面的というか、マンセーというか、実際は、これだけではないのは明らかなんだろうが・・・ていうか、「雪辱を果たしたって、世界大会で丁寧が平野に勝っただけ違うのん?」という感じだが・・・

これに対して、ネット民の反応はいろいろで、棄権した選手を支持するもの、指示しないもの、いろいろのようだ。
「あんなに優秀な劉国梁を辞めさせて、卓球協会は何考えてるか、さっぱりわからん。」というのが一般的だが「劉国梁を中心として、小さなグループというものが出来上がっていて、勢力になっている。国の税金を使って卓球をしているのに、試合を棄権するのは問題だ。」という決断を支持するものもいる。

劉国梁 対 ワルドナー シドニーオリンピック、男子シングルス準決勝。 参考動画 

劉国梁ついては、自分は、コーチ時代についてしか知らない。現役時代は、90年代中心に活躍した選手のようだ。以下、劉国梁の当時の動画を紹介してみよう。


(当時の映像は、あまり鮮明なものが無いようだ)

シドニーオリンピック、男子シングルス準決勝。

頭をスキンヘッドにしているのが、当時の劉国梁。対するには、卓球界のレジェンド、スウェーデンのワルドナー
試合は、第3ゲーム、ワルドナー2ゲーム先取で、12-13と大詰めの場面。この頃はまだ21点制3ゲーム先取したほうが勝ちである。(次のアテネオリンピックから11点制に移行)

劉国梁は、中国式ペンホルダーで前陣速攻(中国式ペンホルダーの現在の形を確立したのは、彼だとも聞いているが)、一方、ワルドナーは、打ってよし守ってよし、攻守万能のオールラウンダー。すでにベテランの域に達しているが、全然、衰えを感じさせない。(関係ないが、ワルドナーも劉国梁も脇の下からサーブを打っているが、今なら、アウトじゃないかな?)

後ろで、腕組みをしている強面の監督が蔡振華。現在の卓球協会副会長。眼光は鋭く、昔の香港映画のラスボスとかで、でてきそうな雰囲気すら漂っている。(昔の監督は、こんなのが多かった。褒めて伸ばす?今の子供ではとてもついていけないだろう。)蔡振華と劉国梁は師弟関係なんだろうが、こうやって見ていると、蛇に睨まれた蛙のように、見えてこなくもない。

ワルドナー側の応援席には、スウェーデン皇室?っぽいの姿も見える。ワルドナーは、スウェーデンでももちろん英雄である。

試合は一進一退の攻防であるが、結局、ワルドナーが3-0で制する。ちなみに、もう一方の準決勝も、中国対スウェーデンで、孔令輝(中国女子前監督、停職中)が、ヨルゲン・パーソンを下している。そして、ワルドナーは、決勝で孔令輝に負ける。

当時、男子は、中国対スウェーデン(欧州)という図式になっていて、日本は、暗黒時代?を迎えていた。自分も、この頃、受験やなんやで、全く卓球から遠ざかってしまっていた。再び見始めたのが、2004年アテネ以降、愛ちゃんが出始めてからだ。そのときに、ワルドナーとパーソンがまだ卓球をやっていたことを知り、愕然としたことを思い出す。「ワルドナーって、まだ、やってたの?」という・・・
ちなみに、実況は香港のTV局で広東語放送。解説は、元世界王者江嘉良(広東省中山市出身)が担当している。

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