卓球中国オープン2018を見に行く ~深セン宝安体育館

さて、先週の香港に引き続き、今週は、深センで、卓球の試合(中国オープン)を見てきた。

中国オープンは、ITTFのワールドツアーのひとつで、今年は、たまたま深センで行われている。ちなみに、中国オープンは、プラチナという一段上の格付けになっており、日本人選手もたくさん参加している。

早速、予約サイトでチケット購入しようとしたが、中国の身分証が必要ということで断念。知り合いの中国人’に頼んで代わりに買ってもらうこともできたが、そこまでしてもらうのも何なので、「当日券が買えなければ、その時は諦めよう。」くらいの気持ちで、深セン宝安体育館まで出かけてみた。

卓球中国オープン2018を見に行く

深セン宝安体育館へ

出かけたのは、平日の午後。地元とはいえ、深センは、結構広いので、自宅のある羅湖から、試合会場の宝安(バオアン)までだと、地下鉄に乗って、ほぼ一時間かかってしまう。ただ、それだけ乗っても、運賃は7元(120円)と激安。

試合会場にほど近い「宝体」(宝安体育館)駅で下車。地下鉄の改札を抜けると、すでにこんな感じ。

地下鉄構内の通路沿いから、早くもダフ屋が出没。途中、体育館への道沿いにも、所々に立っていて、スキあらば声をかけてくる。とにかく、彼らに構わずに、適当に歩くこと5分、体育館に到着。

しかし、それにしても暑い。体育館前の広場には、遮るものがなく、コンクリート打ちっぱなしなので、実際の気温は40度くらいあるだろう。これでは、卓球を見る前に、熱中症になってしまいそうだ。

チケット(門票)

とにかく早く、当日券を確保せねばと、建物に沿って歩いていると、それらしき窓口が建物の角の方に見えてきた。

小屋に近づくと、中のおばちゃんが、待ってましたとばかりに、窓を開けてくれる。なんだかチケットを買うものがおらず、退屈していたような感じだ。

チケットが欲しいという旨を伝えると「180元、120元、100元、80元の4種類(だったかな)あるが、どれにする?」と聞かれたので、どうせならと一番高い180元(3000円程度)のにする。

すると、何も言わずに、チケットを手渡すので「自分で指定するんじゃないの?」と聞くと「今のとこ、これが一番、台に近い席だから。」と、言うだけ。

とりあえず、チケットはゲット!!心配していた身分証の提示も必要なく、まあ良かった。

というわけで、早速、体育館の入り口へ。

「やれやれ、これで、建物のなかに入れる。」と思いきや、それはできないようで、一旦、中途半端な位置にあるテントの中で待機させられる。時刻は午後2時半。試合開始は3時だから、そろそろ開場してもよさそうなものであるが、それから、さらに30分くらい待たされる。

テントの中とはいえ、やはり暑い。案の定、待っている中国人客の中から、警備員に向かって、ブーブー言い始めるのがではじめた。警備員は「前の部の試合がまだ終わってないから、しょうがない。」というアナウンスを繰り返すばかり。

それでも、客が文句を言っているので、警備員が仕方なく、コレで我慢してくれとばかりに、うるさそうな客に水を配る。こんなやり取りも、なんか中国的だ。

入場  完全アウェーの中国会場へ

そうこうしているうちに、やっと入場。入口で、地下鉄の改札にあるのと同じような、荷物のX線検査と、身体検査を受ける。

館内には、はっきりいって何も無い。自販機すら無く、唯一ある売店は、まずくて高いものしか売っていない。途中で、コンビニにでも、立ち寄っておくべきだったなと後悔するが、時既に遅しで、仕方なく、売店で、炭酸の抜けたぬるいコーラ15元(250円)と、ソーセージパン15元だけ買う。

というわけで準備完了? いざ、中へ!!

北ブロックの入口から入ると、中はこんな感じ。フロアに台が四台、横一列に並んでいる。

自分の席は、前から四列目(排4)なので、階段を下に降りていく。途中、柵があって、係員にチケットをみせると通してくれる。

女子シングルス(女子単打)

館内では、ちょうど女子のシングルス(一回戦)の試合が行われている。目の前の台には、中国の朱雨玲(WR2)と日本の選手(安藤)が試合をしている。左端に、馬場監督が見える。

前から4列目ということなので、かなり台に近い。香港の時とは違って、横から見るような感じか。客席はまばらで、二、三百人いるかどうかという程度。日本人と思しき人は、香港オープンよりもさらに少なく、関係者を除くと、純粋に客としてきている日本人は、ほとんど、見当たらない感じだ。

試合は、実力の違いで、朱が4-1で安藤を下す。以下、試合終了後、馬場監督と安藤。なんだか和気あいあいとして、母と娘のような感じ。

ちなみに、右隣の台では、芝田沙季が、韓国の美人カットマンを4-0を下す。ユニフォームが他の日本選手と違うので、最初、日本選手とわからなかったが、自主参加の選手のようだ。芝田は、今回、朱雨玲に勝ち、ベスト4まで勝ち残ったが、日本選手には珍しくフォアが強い選手で、今後、面白い存在になりそうだ。

丁寧 登場

一巡目の試合が終了すると、次の選手が入ってくる。まずは、丁寧選手が登場。なんか、歩いているだけで、すごい存在感。オーラが違うというか。

丁寧が入場すると、会場が一気に色めきだち、皆いっせいに、カメラを向ける。と同時に、丁寧の試合が行われる右隣りの台に向かって、客がぞろぞろと移動し始める。まさに、民族大移動だ。

警備員も何も言わないので、ある程度であれば、席の移動は自由にしていいらしい。このあたりが、いかにも大陸的でアバウトある。この大陸ルール、自分の前を、他の客が移動するので落ち着かないが、自分も自由に移動できるので、一長一短といったところか。自分も「郷に入っては、郷に従え(入郷随俗)」で、適当に自分のみたい場所で観戦させてもらった。

ちなみに、この日、丁寧は、例の「丁寧、加油(でぃんにん、じゃーよう)」の大声援を受けながら、同じ中国人選手に競り勝つ。丁寧が勝って、中国人も大喜びだ。

平野美宇

一方、目の前の台には、平野美宇、登場。

相手は、顾玉婷(グーユーティン/WR32位)色の浅黒いサウスポーで、丁寧を一回り小粒にしたような感じ。平野は、よくこの選手と当たるが、最近、勝っているのを見たことがない。

タイムアウト中、険しい表情の平野美宇。試合中も後ろを振りかえって、監督の方を見る場面が多かった。実力は十分にあるのだから、もっと自分を信じて、打ち切ればいいのにと思ってしまうが、どんなものだろう。

結局、この日も、プレーに冴えが見られず、2-4で敗退。うーーん、なかなか、中国選手に勝てない。平野対策以降、実力を出させてもらえないという感じか。まあ、今後に期待しよう。

試合終了後、サインに応じる平野選手。

男子シングルス(男子単打)

その後、試合は男子シングルスに移る。

樊振東(ファンジェンドン/WR1)登場。目下、男子のナンバーワン。この間、張本智和選手が、中国のナンバーワンに勝ったといってニュースになっていたが、彼のことだ。

小胖(しゃおぱん/小太り)というあだ名があり、会場からも「小胖、最近やせたん違うか。」みたいな声も聞こえてくる。角刈り頭が、なんか、昭和のヤンキーみたいで、妙に親近感がある。ちなみに、このコーチは、王皓(ワンハオ)だろうか。

樊振東は、手首が非常に強いようで、この日もスナップを利かした高速レシーブを、相手コートにビシビシと決め、相手の韓国選手を下す。

その後も、どんどん役者が出てくる。左のペンホルダー、許昕(しゅーしん)。中国での人気は、非常に高い。しかし、かつての力は、もう無いのか、「許昕、加油」の声援もむなしく、韓国選手に負ける。

丹羽孝希選手もいた。ヨーロッパの格下選手相手に、確実に勝つ。試合後、ファンのサインに気軽に応じる、丹羽選手と倉嶋監督。

ただ、張本、水谷両選手は、今回も日程が合わず見れずじまい。少し残念。

女子ダブルス(女子双打) 石川・平野組など

次は、女子ダブルス。ここで、石川佳純・平野美宇登場。日本の選手は皆、巨大なリュックサックを背負っているが、何がはいっているのだろうか?

タイムアウト中。石川組が得点をとると、結構、拍手が沸き起こっている。通常、日本の選手に拍手が沸き起こることは少ないが、石川は別ということか。中国の石川佳純ファンが、前の方に、陣取っているようだ。

試合は、石川・平野組が、シンガポールのペアを軽く退ける。シンガポールは近年、弱くなったと思う。

試合終了後、石川佳純が帰る時、サインを求めるファンが、フェンスのあたりに殺到。すかさず、警備員のおっさんが、制止するという一幕も。中国人は、一人が行くと、皆が同じ行動をとるという習性があるので、収拾がつかなくなってしまう。

それにしても、石川佳純の中国での人気はかなりのものだ。ネットを見ていても、石川を応援するコメントは多い。競技もさることながら、やはり愛ちゃん同様、中国語ができるということも、重要なポイントなんだろう。

伊藤・早田組

一方、左の台で、伊藤・早田組が、香港ペアと対戦中。左で伊藤、早田を応援しつつ、右で、石川・平野を見る。首が、いたくなりそうだ。

タイムアウト中、伊藤・早田組。

試合は、伊藤・早田組が香港のペアを3-1で退けた。試合終了後、ファンとの記念撮影に応じる、早田ひな選手。間近で見ると、ほんとに、ひな人形のようだ。

男子ダブルス(男子双打) 馬龍・許昕など

次に、馬龍・許昕のゴールデンコンビ、登場。

タイムアウト中。馬龍、許昕ともに人気選手なので、客席からは、当然、二人を応援する大声援が続く。

試合は、ゴールデンコンビが、3-0で快勝。終了後、ファンからのサインのおねだりが面倒なのか、向こう正面に退散していく二人。

一方、隣の台では、お馴染み、大島、森園ペア。

森園、いつも同様、気合い入りまくりだったが、フルセットの末、惜しくも、韓国のペアに競り負ける。

張継科ガールズ

さて、中国の試合会場で、よくみかけるのが、お目当ての選手の私設応援団?だろうか。

選手の名前の入った、おそろいの幕やうちわをかざして、「◯◯、加油」と叫ぶあの応援だ。(「ニッポン、チャチャチャ」みたいなものか。)

馬龍、許昕、丁寧など、有名選手には多いが、極めつけは、やはり、張継科だろうか。ロンドン五輪金メダリスト。最盛期は過ぎたが、今でもファンが多い。

しかも、女子に人気があるようで、張継科ガールズ?という感じの女子軍団が数百人、張継科のゲームが行われる台の前に陣取って、張継科が出てくるのを、今か今かと待ちわびている光景は、なんか卓球の試合というよりは、タレントのコンサートみたいな感じだ。

この日、夜になり、プログラムもそろそろ終わりかけというのに、客席は、にわかに活気づいてきた。そのほとんどは若い女子で、見ていると、この席がいいかしら、あの席がいいかしらと、イロイロ、思案しているような感じだ。

これらが皆、張継科ガールズで、どうも、このあとの混合ダブルスで、張継科が登場するので、そのために自分の席を確保しているようである。ちなみに、自分の席も、張継科ガールズによって、占拠されてしまっていて、仕方なく別の席に座る。

そうこうしているうちに、リーダーっぽい女子が、黄色に黒のステッカーを、おもむろに周囲に配りだす。

さらに、会場中央のモニターでは、参加選手の一言メッセージが映し出されているが、張継科がスクリーンに写っただけで「きゃー」という歓声があがる。

そして、いよいよ張継科本人が登場すると、ひときわ大きい「きゃー」。

その後も、張継科が左へ行けば、ガールズも左へ移動、張継科が右へ行けば右へに移動と、忙しい。足元で観戦しているおっさんのことなんか、どうでもよく、写真を撮りやすい場所に、ドンドコ移動していく。そのエレルギーたるや凄まじいものがある。(写真は、試合前の張継科)

混合ダブルス(混双) 伊藤・森園ペア

その張継科が、混合ダブルスで登場。ペアの相手は中国女子次世代エース、王曼昱。監督は、例のスキンヘッドの人だ。

張継科はガールズに任せるとして、自分は、伊藤と森園ペアの方に、移動して観戦。

相手はドイツの大型コンビ、ソルヤとフランチスカ。対して小柄の伊藤、森園が、忍者のように立ち回って、得点をつみ重ねていく。

試合終了 ドイツペアに3-0で完勝。なんかいい感じの二人。

この時点で午後9時。時間が遅いので、そろそろ帰ることにする。

中央の台では、まだ張継科組の試合が続いている。張継科組が一点取るたびに、すごい歓声が上がる。その大歓声をよそに、会場を立ち去る。

それにしても、中国の卓球ファンは、とにかくエネルギッシュで、ズーズーしいというか、欲望のままに突き進むといった感じ。同じ卓球の会場でも、やはり場所が違うと、こうも雰囲気が違うのかと感じずにはいられない、今回の大会だった。(写真は、韓国選手と記念撮影する、中国の観客)

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