深圳「大芬」油画村について

ゴッホ一枚500円、モネ一枚700円。名画を手軽にゲットできる場所が、深圳にある。

大芬油画村」(大芬は「だーふぇん」)

油絵のレプリカを大量に生産することで有名で、深圳ではお馴染みなので、今更という気もするが、ちょっと紹介してみたい。

深圳「大芬」油画村

「大芬(だーふぇん)」油画村」は、深セン地下鉄3号線「大芬」駅から、歩くこと5-10分のところにある。
入口は特に無く、東西南北、どこからでも出入りは自由。ただ、車両に関しては、通行制限されているようで、例の貸し自転車も入れないようだ。

大通りの向かい側に、「世界油画」という文字が見えるが、世界中から注文が来るらしく、ここだけで、世界の油絵のシェア65%あるらしい。

村といっても、本当の村ではなく、町中にある、一つの社区といった感じ。(深センには、羅湖村とか、皇岡村とか、市内に「村」という地名がよく残っている。)
ただ、夏休みで、しかも平日とあって、閑散としている。元気なのは、子供だけだ。 

こういった、方向を示す標識はいたるところにあるが、「村」自体、そんなに大きくないので、アトランダムに1-2時間も散策すれば十分だろう。

というわけで、以下、個別で見ていくことにする。

画廊

まずは画廊。とにかく、村の中に、こういった画廊が、相当たくさんある。ほとんどの画廊が、印象派専門とか、肖像画専門とか、牡丹の絵専門とか、何がしかの分野に特化しているようだ。

かんかん照りなので、あまり悠長に歩いてもいられない。また、熱心に絵を眺めていると「二階にも、展示場があるので、見ていってねー」とか、呼び込みの中国人から声をかけられるので、じっくりと眺めるという感じではない。

子供の絵本風。

何故か学生服の広告が。後ろには、浮世絵も見える。

こういった、ごく普通の低層アパートの1階が店舗になっている。上は、ごく普通の住居で洗濯物が干してあったり、鳥かごのように、鉄柵が張り巡らされている。(防犯対策?)

ゴッホ専門店

ゴッホ(梵高)の専門店、発見。

「ひまわり」「星月夜」「夜のカフェテラス」など、ゴッホの名作が、ずらりと一堂に会している。こんな場所は、他ではありえないだろう。
ゴッホ(梵高/fangao)は19世紀の画家なので、素材は自由に使われている。(ピカソなど、没後50年経過していない画家に関してはNG。)

ちなみに、値段はいくら位なんだろうか?と思ってたら、ネット(天猫モール)で売っていた。
ゴッホ(梵高)のひまわり(向日葵)七枚セット 天猫

ゴッホのひまわり七枚セット1500-2600元、日本円にして、約24-42万円。安いのか高いのか、さっぱりわからない。
ちなみに、ゴッホの「ひまわり」といえば、バブル期に日本の企業が、50億円以上で落札して、バブルを象徴する出来事として、話題になったことがある。
そうかんがえると、レプリカと言えど、七枚全部、その手にできると思えば、ゴッホのひまわり大人買いも悪くないかもしれない。ただし飾る場所があればの話だが・・・

肖像画

有名人をモチーフとした肖像画はアチコチで見かける。

注文すれば、自画像も描いてくれるようだ。

毛沢東など、歴代指導者の姿もちらほらと

現代アートっぽいもの

全体としては、風景画、人物画などが多いが、なかには、抽象画とか、現代アートっぽいものもある。以下では、ジョンレノン、ヘップバーンなど有名人をモチーフとした抽象画などを展示している。

無規則芸術。コンセプト系?

目立ってなんぼ

とにかく、立ち寄ってもらわなければ、始まらないということか、こういった奇抜なオブジェをあちこちで見かける。そうしてもしないと、競争が激しく、埋もれてしまうということなんだろう。ドラえもん、兵馬俑と何でもあり。手段を選ばないのが中国流。

古いレンガづくりの家屋の前に真っ赤なオブジェ。とにかく赤は目立つ。

中国の国旗も、結構、目にするが、別に祝日と言うわけではない。

油絵マーケット(超市)

昼頃になると、店が、どんどん開き始め、村は賑わいをみせ始める。
一枚一律30元。この店舗は、マーケット(超市)とはっきり割り切っている。中国人にとっては、絵も、所詮、商品なんだろう。

こういう絵が、十把一絡げに店先に並べられる。一枚30-40元といったところか。

ちょっと、青空市っぽい感じ。

個人店舗

店舗を借りられない個人は、こういった、一坪ほどの、ガラス張りの空間に、店を構えざるをえない。ただ、この熱さの中、温室効果で、相当な熱さになると思われるが、大丈夫なんだろうか。

このあたりは、ほとんどが、一坪ほどのスペースの個人店が軒を連ねる。

路地裏ミュージアム

とにかく、利用できる場所は利用する。こういった、路地裏も、絵画売り場に変身する。さながら路地裏ミュージアムといったところか。

路地裏を覗くと、画工たちが、せっせと絵筆を走らせている光景が垣間見える。

ペイント台。

画材屋 アート書籍など

絵画に関連する店ももちろんある。以下、毛筆専門店。

以下は、旧正月に撮影したもの。dafencun (4)

画材屋。イーゼル、額縁など。

アート専門書店もある。

美術学校

絵を売るだけでは食べていけないからか、美術学校(美术培训)の文字も結構見える。学校(培训)も貴重な収入源のようだ。

画廊喫茶

歩くのに疲れたら、小休止。深センは、とにかく暑いので、こういった画廊喫茶で涼みながら見て回るのもよいだろう。

小腹がすいた時は、ローカルの飲食店もある。

美術館

美術館も一応あった。開館は、火曜~日曜9;00-18;00(月曜日閉館)

静物画の展覧会(無料)のようなものをやっていた。撮影はオーケーのようだ。

あくまで個人的な感想

暑いのはしょうがないとして、「売ってやろう」という商売臭さがプンプンしていて、じっくり絵を見ようという感じではない。というか、絵を見ていたら、すかさず、中国人が近寄ってくるので、落ち着いて見れないのだ。
多分、ここでの油絵というのは、作品ではなく、商品なんだろう。そういう意味では、アート村というよりは、巨大な絵のマーケットといえるかもしれない。

なので、アートという面で期待していくと、たぶん失望するような気がする。逆に、例のニセモノドケイとか、そういうのが好きな人であれば、いいかもしれない。あるいは、自分の家の壁に飾る絵が欲しいとか、そういう時に、ちょっと買って帰るとか、そういう感じであれば、いい場所なんだろう。
ちなみに、自分は、複製品には興味がないし、ワビサビ的な部分が好きなので、このあたりの絵は、ちょっと単純でわかり易すぎる気がした。この点、随分前にでかけた北京のアート村のほうが、アートって感じがしたし、それなりに見るべきものもあったと思う。

大芬村 地図


大芬油画村」への、最寄り駅は、地下鉄3号線「大芬」駅(あるいは隣りの「木棉湾駅」)
羅湖駅からだと、30分くらい。最寄りの出口は、A1出口。ウォルマート、スタバ、マクドナルド等の前を、道なりに歩いていくと、「油画村」に行けることになっているが、標識もほとんどないので、本当に、適当に歩いていくしかない。

参考動画


NHK地球イチバン「世界一の油絵村~中国」 2013 11 28

この村には、複製を描いて生計を立てている「画工」が、かなりの数いるが、その多くは、やはり、自分のオリジナルの作品を描いて、生計を立てる「画家」として、やっていきたいというのが、本音のようだ。
ただ、後半、陳さんという、画家志望の画工がでてくるが、やはり、道は険しそうだ。絵画など、クリエイティブ系の仕事の場合、いくら努力したところで、運や才能に恵まれなければ、その作品は、無価値に等しく、努力に見合った対価を得られない。それは大変つらいことである。
逆に、自己のブランドが確立してしまえば、富と名誉を手にできる可能性もある。一種の博打にも似た行為ともいえなくはない。特に、絵なんて、値段なんてあってな無きが如きだろうから、尚更だろう。

また、画工、画家といった、現場で制作する人たち以外にも、油画村を開村した香港人「村長」や、海外からの大量注文に対応するスタジオを運営する「画商」さらには、また、著作権を侵害していないかどうか、贋作(ニセモノ)をチェックする「捜査官」?といった人々についても、紹介している。

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