深センから香港へ「高鉄」で移動する(福田⇒西九龍)

深センから香港への行き方としては、地下鉄(MTR)かあるいは越境バスという方法が一般的であるが、今年九月に、香港まで「高鉄」(がおてぃえ)が、延長されたことによって、また一つ選択肢が増えた。

先日、香港イオンに買い出しに行くときに、深セン福田駅から、香港西九龍駅まで、高鉄に乗ってみたので、以下、ちょっと紹介してみよう。

深センから香港へ「高鉄」で移動する(福田⇒西九龍)

搭乗の流れ

深センから香港へ「高鉄」を使って行く場合、地下鉄などと違って、実名制なので手続きが少々面倒である。さらに、イミグレの出入境が絡んでくるので、少し複雑になる。流れとしては、以下の通りになる。

1 「福田」駅で、チケットを買う
2 搭乗ゲート前に集合
3 列車に搭乗。
4 列車で移動(福田⇒西九龍)
5 「西九龍」駅到着
6 中国出境
7 香港入境

それでは、以下、具体的に、見てみよう。

1 「福田」駅で、チケットを買う

まずは「高鉄」のある福田駅を目指す。とりあえず、地下鉄「会展中心」駅を降り「福田火車駅」という案内をたよりに、巨大な地下通路をどんどん歩く。7-8分歩いたくらいで、第一切符売り場(售票处)に到着。

左側が自動券売機。右側が有人券売窓口。ちなみに、左の自動券売機は、パスポートは、検知できないので、となりの有人窓口でチケットを購入するしかない。

ちなみに、中国の火車は、実名制なので、パスポートは必ず必要である。香港に行くのであるから、もちろん携帯しているとは思うが、同じ中国大陸の広州等行くのでも必要であることは変わりない。

有人窓口は、香港西九龍行き(4番)が専用窓口になっていて、他の地域とは別になっている。

とりあえず、西九龍行きの窓口で「西九龍に行きたい」と告げると、窓口の女性職員に「直近は、14;20しかない。」と言われる。今、14;00すぎだから、あと15分しかない。

まあ、通常であれば、それで問題ないが、今回はブログ用の写真を取らないといけないし、もう少し、時間がほしいところ。「もう少し、遅い便はないのか?」と聞いてみたところ、当分無いような話だったので、とりあえず一旦、引きさがる。

まあ、高鉄だからしょうがないが、たかだか香港まで行くのに、これでは、先が思いやられる。

仕方なく、携帯上で予約できないものかと思い、「ウィーチャット(微信)」を開いて、15;20発の便を指定して、支払いまで、なんとか完了することができた。

ちなみに、ウィーチャットで、高鉄(火車)の予約をする場合は、以下の順番ですればいい。

① ウィーチャットの「マイウォレット」から「Rail &Flights」を開く。
② 「出発地(出发城市)」「到着地(到达城市)」、日程、を指定して「火車票查询」
③ 時刻、等級(一等、二等)を選んで「予約(预订)」
④ 個人情報(氏名、パスポート番号、生年月日、携帯番号)を記入して「提交订单」
⑤ 支払いをする「立即支付」
⑥ チケット購入成功(购票成功)
⑦ 駅窓口で紙のチケットを受け取る

以上である。窓口では、携帯の成約画面を見せて、パスポートを渡せば、通常の紙のチケット(以下)をプリントアウトして渡してくれる。

ただ、これはウィーチャットペイ(微信支付)が使える場合なので、旅行者など、ウィーチャットが使えない場合は、あくまで窓口で買うよりほかない。

というわけで、とりあえずチケットはゲット。

福田駅~西九龍駅、15時20分発。68元、二等。

ただ実際は、携帯上で買ったからか?、額面よりも10元高い、78元かかってしまった。(購入する時期によって、チケット代が変化するということか?)

ちなみに「広深港高速鉄道」各駅からの西九龍駅までの値段と所要時間は以下の通り。(1元=17円程度)

福田駅~西九龍駅・・・・68元(二等)109元(一等)204元(商務)、14分
深セン北駅~西九龍駅・・75元(二等)109元(一等)226元(商務)、23分
虎門駅~西九龍駅・・・・178元(二等)268元(一等)373元(商務)、33分
広州南駅~西九龍駅・・・210元(二等)323元(一等)452元(商務)、48分

等級は、二等、一等、商務の三段階に分かれている。広州から香港までだと、日本で言えば、名古屋から大阪へ行くような感じと考えると、もはや全然安くない感じだ。

広深港高速鉄道」は、全長约140キロ、広州南から、虎門、深圳北、福田、西九龍の各駅を結んでいる。

2 搭乗ゲート前に集合

さて、やっとチケットを手に入れたので(これだけでも結構大変だ)とりあえず、高鉄の乗り場を目指す。高鉄の乗り場は、さらに下にある。

とりあえず、待合室(侯車室)の表示のある方向へ進む。

途中、チケット検査ゲートがあるが、中国の身分証しか検知しないみたいなので、脇にいる係員に、パスポートとチケットを見せればよし。さらに先に行くと、荷物と身体チェックがある。とにかく、やたらと広いので、移動するだけでも大変だ。

チケットの指示どおり「検票口 4」の前で、しばらく待機。

中国の高鉄、火車では、日本の鉄道のように、勝手にプラットフォームまで行くというわけには行かず、まずはゲート前で、皆といっしょに待機しなければならない。要するに、飛行機に搭乗するのと同じ要領と考えればいい。

3 列車に搭乗

その後、ゲートが開くと、皆でプラットフォームに移動開始。切符を、自動ゲートに入れて、ゲートを通過。

さらにエスカレーターを降りていくと、プラットホーム(月台)。列車はすでに停車している。

車内に入るとこんな感じ。

席は全席指定で、三列席(ABC)と二列席(EF)があって、間に通路がある。自分の席(2号車の11F)は窓側になっている。

出発前、女性二人組が、隣りでああだこうだ言っていて、聞けば二人並んで座りたいが、座席が離れてしまっているようで「席を変わってくれないか?」という。自分は、どこに座ろうが関係ないので、すんなり承諾する。まあ、中国ではよくあることだ。

高鉄の座席は、かなり間取りがゆったりしている。特に前後の間隔にゆとりがあって、足を十分に伸ばせる。折りたたみのテーブルもついている。

4 列車で移動(福田⇒西九龍)

しばらくすると、何の前触れもなく、列車は動き出す。ここから西九龍駅までは、たった14分。鼻歌でも歌っていれば、ついてしまう時間だ。

ただ、途中、ほとんど(というかすべて)トンネルなので、外の風景は全く見ることができず、超つまらない。これでは、窓際に座ろうが通路側に座ろうが、ほとんど関係ない。

ちなみに、車内前方にある、電光掲示板で速度表示を眺めていたが、最高でも時速200キロくらいのようであった。しかも、トンネルの中なので、スピード感もさっぱりわからない。

5 西九龍 到着

というわけで、何の感慨もなく、西九龍に到着。ちょっと携帯をいじっていたら、ついてましたという感じ。こんなに旅情のない火車もめずらしい。

他の乗客も、事務的に移動。

このプラットフォームは、地下4階にあたるようなので、とりあえず、エスカレーターで上に。「アライバル(抵港)」の表示の方向へ移動する。

6 中国出境 

前方に、中国大陸側の出境ポイントが見えてくる。(ちなみに、ここから先はカメラはNG。天井から無数のカメラが、ぶら下がっていて、物々しい感じである。)

この、香港側の高鉄では、いわゆる「一地両検システム」が採用されており、西九龍駅構内で、一括して出入境、両方ができる仕組みになっている。これだと、いちいち、中国大陸と香港の境界で、乗客は降りること無く、そのまま香港の中心まで来ることができるというメリットがある。

ただ、逆に言えば、香港領土を通過しているのに、中国を出境していないという、矛盾が生じてしまうし、香港のど真ん中に、中国大陸側のイミグレができてしまうので、香港の高度な自治に抵触してしまうという恐れがある。

これは建設当時から、香港で問題になっていたようであるが、結局、スムーズな出入境業務を優先せざるを得なかったのかもしれない。

まあ、それはいいとして、中国側からの出境は、それほど難しくはない。外国人は、別レーンになっていて、平日の昼間だったからか、閑散としている。

7 香港入境

さらに前方に歩いていくと、香港側の入境ポイントとなる。入境カードに必要事項を書き込んで、無事、入境。人が少ないからか、通常のイミグレより監視する職員がやたら多いような気がするのは気のせいだろうか。

最後に、チケット検査ゲートを通過して、晴れて香港に入境。ゲート前は、空港の出迎えみたいな感じになっていて、大層な感じだ。

というわけで、目的は達成した。

まあ、列車自体は、さすがに早いのだけど、深セン市内からだと、福田駅に近い人以外、わざわざ、乗るほどのものでもないかと思う。香港へ行くだけであれば、地下鉄やバスで十分である。

チケットが高いのもあるが、地下鉄と違って、買うときパスポートが必要とか、出発時間を気にしなければならないとか、手続き的に面倒くさいのだ。

ただ、深セン北駅以北の人にとっては、香港に来るのが、かなり’楽になったのではないかと思う。

西九龍駅の接続

ちなみに、西九龍駅は、MTR「オースチン(柯士甸)」駅と「九龍」駅に接続されている。香港空港から中国大陸に行く場合、九龍駅まで出て、西九龍駅から高鉄で中国大陸に出れば、かなり早く移動できそうである。

 

混み合う、西九龍駅出発ゲート前。

ちなみに、西九龍駅は、巨大な半月状の独特の形をしており、天井が高いので、開放感がある。出発ロビーを横目に、ちょっと外へ出てみる。

西九龍駅、外観。一見、静かで、開放的であるが、二人組の警備員が、たえず周囲を巡回している。

となりには、凱旋門がそびえ立っている。香港の家賃は世界一と言われ、しかも、この辺りは超一等地だから、いくらするのか、想像もつかない。

対岸に、香港島が見える。

 

香港から深センに「高鉄」で移動 (西九龍⇒福田)

逆に、香港西九龍駅から、深センや中国各地に向かう場合(むしろこの場合のほうが、多いかもしれない。)簡単に記すと、以下のような順番になる。

1 西九龍でチケットの購入(地下一階)
2 香港出境(地下三街)
3 中国入境(地下三階)
4 列車に乗る(西九龍⇒深セン等)

こちらは、西九龍駅で先に出入境を済ませてから、列車に乗り込むことになる。中国大陸の各駅に到着してからは、駅を出るだけだ。

以下、西九龍駅内部の様子、下に香港から各地への出発ロビーが見える。真ん中に「添好運」という点心の有名店もある。(日本にもあるみたいだ。ティム・ホー・ワン(添好運) )

香港「西九龍」駅からの発着便について

地下一階のチケット売り場ホール(售票大厅)で、チケットを購入する。以下は有人のチケット売り場で、短距離列車(広州南まで)と長距離列車(それ以外)に別れている。

短距離列車(広深港高鉄)は、西九龍駅から、福田、深圳北、虎門、広州南を、それぞれ結ぶもので、長距離列車は、北京、上海、昆明、桂林、贵阳、石家庄、郑州、武汉、长沙、杭州、南昌、福州、厦门、汕头などの都市を結んでいる。(每日127本の列車のうち、短距離が114本,長距離が13本。)

時刻表  香港西九龍高鉄時刻表

ちなみに西九龍駅から、中国各地(広東省)への値段(二等)と所要時間は、以下のとおり。(値段は開業当時のもの)

西九龍駅—福田駅   80香港ドル、14分、
西九龍駅—深圳北駅  90香港ドル、23分
西九龍駅—虎门駅   210香港ドル、33分
西九龍駅—広州南駅  260香港ドル、48分

オレンジ色の制服を着た職員が、いたるところに立っていて、親切に指導してくれる。

チケット売り場の隣りからゲートイン。香港出発フロア(デパーチャー/離港/地下三階)に行き、さらに「香港出境」⇒「中国入境」の手続きを行ってから、列車に乗る。

西九龍駅の構造

西九龍駅は地下四層構造になっており、総建築面積は约38万平方メートル。

以下、赤色の経路が、香港到着の順路で、緑色の経路が香港出発の順路となっている。一地両検方式になっており、同じ階で、出入境手続きが一度にできる。

地下一階:チケット売り場ホール(售票大厅)
地下二階:香港到着フロア(アライバルフロア/抵港層) 
地下三階:香港出発フロア(デパーチャーフロア/離港層)
地下四楼:プラットフォーム(月台)

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