深圳から広州への移動 Ⅰ(羅湖-広州東)

gz17 先日、広州の日本領事館に行った時に、久しぶりに、鉄道に乗ったので、深圳-広州間の移動について、語っておこうと思う。(写真は広州東駅前、だいぶ前に撮影)

深圳-広州間は、距離にすれば80-90キロくらいで、日本でいえば、東京から小田原とかに行くような感じかと思う。一般的には、いわゆる「和諧号」という、汽車に乗って行く。

ルートは、以下の二つ。

◯深圳駅(羅湖)-広州東駅・・・「動車」
◯福田駅-広州南駅・・「高鉄」

動車(ドンチェー)」というのは、準高速とも言われ、在来線と新幹線の中間のような鉄道。時速160-180キロくらいで運転して、所要時間は1時間強。メリットとしては、都心から都心を結んでいるので、移動に便利ということ。
高鉄(ガオティエ)」は、いわゆる中国新幹線のことで、深セン広州間は、比較的最近できたばかり。最高時速300キロ強で、40分くらいで結ぶ。ただ、駅が郊外にあって接続が悪い、福田発の便が少ないなどのデメリットも有る。

ここでは、昔からある伝統の「深圳駅(羅湖)-広州東駅」を移動する「動車」について語ってみる。

動車(羅湖-広州東)の乗り方

「動車」は、香港とのイミグレに近い、深セン駅(羅湖)から、平湖、樟木头、常平、東莞、広州東(広州)の順番に各駅に停車する。以前は、急行、特急もあったが、ダイヤが混んできたためか?なくなってしまった。
また、一般的には、広州東駅止まりで、広州駅まで行く便は、5-6便に1便しかない。発車間隔は、火車としては、かなり短く、大体8-12分おきに発車しているようだ。

汽車時刻表(PDF)
上行(上り)」「下行(下り)」は、北京を中心にして考えているので、广州東⇒深圳は、下りになるらしい。あと、今の「東莞」駅は、以前の「石龍」駅のことで、旧「東莞」駅は、ただの「常平」駅になっている。ちょっと混乱しそうだ。

深セン-広州間は「広深鉄路(広深線)」という、いわゆる中国の鉄道とは違って、一応、独立した民営会社が運営しているようだ。ただ、そうはいっても、日本のJRと私鉄ほど、区別があるわけでもないし、同じ場所にあるので、一般の火車と同じ感覚で乗ればいいだろう。ただ、窓口が一般の火車駅とは、別々になっていたりするので、多少、注意は必要である。

切符の購入について

かつて、火車(ホーチャー)の切符の購入といえば、駅の窓口で「広州東(ぐわんじょうどん)」と叫び、係員から、切符と釣り銭を投げ返されるのを待つだけだったが、最近は、発券方法も多様化してきたようだ。

駅で直接、切符を購入

 まず、駅で直接買う場合、チケットは、一般の火車のチケット売り場ではなく広深線の専用チケット売り場で発売されている。(深圳駅なら、香港とのイミグレ寄り)

運賃は一等車100元、二等車80の二種類ある。(1元=約16.5円)
また、全席指定になっている。ただ、無座(无座)というのがあって、指定席がなくなった場合に発売されるようだ。要するに立ち席のことであるが、席が空いていれば座っても良い。というのが、暗黙のルールのようだ。何でもいいから、急いで、火車に飛び乗りたいという場合、無座もアリだろう。ただし、無座といっても、無制限に発行するというわけでもないらしく、枚数は決まっているようだ。

あと、近年、中国では、どの分野でも、個人の認証を強化しているらしく、切符も実名制になっている。なので、購入の際は、パスポートの提示が必要になるが、これが結構、面倒である。(要するに、飛行機と同じような感じ。)


自動券売機(写真)で購入する時は、現金のほか、銀行カード(銀聯)あるいはウィーチャット(微信)、アリペイ(支付宝)で支払うことも可能である。

実名制のため、本人確認が必要になるが、パスポートを、読取り機に差し込んで、上から下にひっぱると、有効だと、ぴっという音がでる。

昔ながらの有人の窓口がある駅もある。中国語に自信のなければ、紙に行き先を書いて渡せばよいだろう。ただ、時間を指定しないと、自動的に直近の切符をあてがわれるので、注意が必要である。

 

切符を受け取る

切符は、右のような感じ。

切符の上に、パスポート上の自分の名前ローマ字がプリントされるが、日本人の名前に慣れていない為か、かなり適当だったりする。
また、当日当列車限り「限乗当日当次車」ということで、乗り過ごしたら、無効になってしまうようだ。
また、発票が必要な場合、出口改札近くに発票発行機が設置してあるので、切符を、センサー部分にかざすと発券される仕組みになっている。

ウェブサイトで予約&支払い

あと、最近は、あらかじめウェブサイトで、切符の予約と代金の支払いまで済ませてしまい、駅で、切符を受け取るだけという方式が、主流になりつつあるようである。

ウィーチャット(微信)、アリペイ(支付宝)から入って、火車の項目をチェックすると、右のような画面で、日付、区間を指定すると、汽車の時刻表と、残り枚数などがでてきて、そこから予約できるようになっている。

自分は、まだウェブサイトから予約したことがないので、また機会があれば、紹介したいと思う。

 

実際に乗ってみる

 切符を買ったら、荷物検査のゲートをくぐり、その後、待合室(候車室)に移動。

中国の火車では、日本の新幹線とかのように、乗客を勝手にホームまでは行かせず、いったん待合室のようなところに集合させてから、時間が来たら、一斉に移動させるという方式をとっている。(要するに飛行機の搭乗と同じ形式)
この路線も、その形式であるが、ただ、頻繁に発車するので、待つという感じではなく、中国人と一緒に立っていたら、すぐにゲートが開くような感じだろうか。

乗り心地は?

 出発の合図も、社内アナウンスもほとんど無い。気がついたら、もう動いているという感じ。また、振動と音も少なく、車内は快適かつ清潔。いわゆる中国の汽車(火車)のイメージは無く、日本の新幹線にでも乗っているような感じ。これは中国の鉄道が広軌ということも関係あるのかもしれない。時々、ジュースなど車内販売に来たりはするが、旅情というものは、微塵もない。

ただ、列車の静かさとは別に、やたらでかい広東語で話すおっさんとかおばさんは、必ずいるので、うるさく感じることはある。また、指定席なのに、適当に座るなど、横着かましている人たちもいる。

実名制とネット購入で、外国人旅行者は、かえって不便に?

 以前に比べて、大きく変わったのが、実名制ネット(携帯)での購入ということではないだろうか。

たかが、鉄道に乗るだけで、いちいち、パスポートとか「まったく飛行機じゃないんだから。」といいたいし、面倒極まりないが、まあ、外国だから仕方ないだろう。

また、完全スマホ社会になりつつある中国を反映してか、駅で直に購入する人が減り、ウィーチャット、アリペイなど、ウェブで、事前に予約、支払いまで済ませておき、駅では切符だけ受けとるという方法が、一般化している。

このシステムは、中国人にとっては、超便利なシステムなのかもしれないが、外国人にとっては、以下のようにクリアすべき点も多く、結構、大変である。

◯そもそも、スマホがなければ、話にならない。
◯ウィーチャット(微信)、アリペイ(支付宝)など決済サイトを使えなければいけない
中国語で操作しなければならない。
◯実名制の為、購入時に、パスポートが必要。

上記の操作ができない場合、外国人旅行者は、有人窓口に行けということになるが、近年、有人の窓口の数自体が減っているし、駅によっては、長蛇の列に並ばなければならない。また、窓口の人間は、英語も通じにくい上に、対応はおそまつで、鉄道省時代からの、昔ながらの釣り銭、放り投げもある。

もう、うんざりである。

中国在住の自分でさえ、そうなのだから、日本からの旅行者は、なおさら大変だろう。ちょっとした疎外感を味わうことになるかもしれない。
自分も、久しぶりに動車に乗ったが、なんだか、喫煙スペースで、ひっそりとタバコを吸う人間の肩身の狭さが、なんとなくわかるような気がした。

香港から広州への直通列車   広州東駅—九龍駅(红磡)

さて、話ついでに、香港から広州へ直接、鉄道を利用する方法について、少しだけ記しておく。
いわゆる、「広九直通列車」というのがそれで、広州東駅—九龍駅(香港红磡)(全長183キロ)を、約2時間弱で結んでいる。広州東行きが、一日11往復の他、仏山経由肇慶行きが一日一往復ある。

直通運転といっても、香港内は地下鉄と路線を共有しているのでノロノロ運転で、そんなに時間短縮されるわけではないうが、羅湖で一度降車して、イミグレを通過する手間を考えれば、十分、利用価値はあるだろう。
チケットは、紅ハム駅や、街の中国旅行社、あるいは、尖沙咀のJTB香港などでも購入できる。土日祝日は、かなり混雑するらしく、事前に予約しておいたほうが無難のようだ。

また、香港発のみだが、MTRウェブサイトでオンライン決済もできる。  
港鐵城際直通車網上購票服務

価格など

一等 210香港ドル, 特等 250香港ドル 5-10歳は半額。5歳以下は無料。

一種の国際列車なので、乗車にはパスポートが必要。始発駅でパスポートに出国のスタンプを捺されて、初めて列車に乗ることができる。
随時、無料で荷物を預けることもできる(大人20キロ、こども10キロまで)
キャンセル(退票)については、三日前の11;00以前の場合、額面の30%引きの金額を払い戻し、2時間前までの払い戻しは、50%OFFの金額を払い戻す。

時刻表

時刻表は、以下の通り。この路線には、二種類の列車が走っている。
準高速」の記載があるのが中国側の列車。「KTT双層」は香港MTRのダブルデッカー列車。

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