深圳ってどんなトコ? 5分でわかる深圳

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深圳の生みの親「鄧小平

深圳といっても、そのイメージがピンとくる日本人は少ないかも知れません。

かくいう自分も、予備知識としては、経済特区で香港の隣りにある街という漠然としたものでした。というか、予備知識を入れようにも、香港のガイドブックの隅の方にちょこっと載っている程度、あとは個人のブログ情報で補充するくらいしかなかったので、しょうがないといえばしょうがない。(しかも、シンセンとワープロで打ってみても、深センとしか表記できないし・・・。)

しかし、初めて深圳にはいってみて、かなり驚かされました。街は高層ビルだらけ、自転車など、ほとんど通っておらず、バスやタクシーが、片道5-6車線あろうかという道を、ガンガン飛ばして行く。しかも、そんな道路の信号もないところを、普通に渡っていく人民。

「何なんだ、この街は?」と思ったものです。

自分も、以前、北京と上海、香港、台湾には行ったことがあったので、さすがに中国イコールパンダと自転車という時代錯誤的イメージはなかったものの、それでも驚きを禁じえなかったのです。

ただ、不思議だったのは、町並みが超近代的なのに対して、人々が超アナログというか、その辺のアンバランスさで、21世紀と19世紀が混在しているというか、ある意味、今の中国を象徴するような街ともいえます。

実は、深センの魅力というのは、人間そのものにあります。日本人に比べると、恐ろしく、人間がシンプルで自然体なので、驚きがあるんですね。このあたりは、口で説明しにくいところですが・・・・香港・マカオと比べると、いわゆる観光資源がないので、ガイドブックに書きようがないんですね。

深センに来る日本人というのは、大抵、出張のビジネスマンですが、旅行で香港へ来ることがあれば、是非、深圳まで足を運んでいただきたいと思います。一粒で二度おいしい場所、それが華南です。ちなみに、イミグレのようなものがあるので、パスポートは必要です。

また、深センのある広東省には、香港のほか、カジノで超イケイケのマカオをはじめ、夜がディープすぎる東莞(トンガン)、中国三大都市にして歴史と文化の町、広州、と本当に、個性派がそろっております。

ここでは、自分の住んでいる広東省深圳(しんせん)というところを、自分の体験を通じながら紹介してみたいと思います。

概要

地形と行政区

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深圳は、とにかく東西に長いのが特徴で、東の羅湖から西の蛇口まで地下鉄で、一時間かかるほどで、自分は主に、羅湖で生活していますが、南山とか蛇口などは、別の都市という感じで、最近、ほとんどいきません。

行政区は、旧来からある六つの区(罗湖区,福田区,南山区,盐田区,龙岗区,宝安区)に加えて、新しい行政区(光明新区,坪山新区,大鹏新区,龙华新区)が、加わって、現在、全部で十個のようです。

以前は、経済特区(罗湖,福田,南山,盐田)と特区外が明確に分かれており、いわゆる第二国境で、いったんバスを降ろされて、身分証の提示を求められるなどありましたが、現在は、地下鉄路線が伸びているので、徐々に、意味がなくなりつつあるようです。

人口

深圳の人口は、かなり多く、定住人口が800万人、流動人口を入れると、1200万人くらいといわれています。中国の都市のなかでは、上海、北京に次ぐ規模らしいです。また華南地区全体でみると、深圳の南に香港、北に東莞が隣接しているので、あわせて2000-3000万人くらいの都市圏になり、世界でも有数の人口密集地帯といえます。
深圳を構成するのは、主に湖南省、湖北省、四川省をはじめとする中国南部からの移民です。従って、広東省内で唯一、普通話(北京語)が主流になっている珍しい街です。言わば寄せ集めの街ということになりますが、中国人にして言わしめると、「田舎モノの集まり」と言われているくらいで、隣の香港と比較しても、その人間性の違いは歴然としています。
また、深圳住民の平均年齢は30歳とも言われ、高齢化問題云々が言われている中国の都市部としては、特殊とも言えます。街には若者の姿があふれており、独特の活気があります。まあ、そのぶん、自分が年寄りのように感じてしまわなくもありまえん。

深圳の地図 グーグルマップ


左の「查看大图」をクリックすると、大きな地図になります。ストリートビューは、やはり中国本土では、使用できないようです。(香港は使用可能)

気候

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実は、深センには、夏と冬しかありません。

日本のような四季の移り変わりがないく、亜熱帯海洋性気候なので、基本は夏で、一年のうち、4~10月は夏、1-2月が冬といっていいと思います。夏と冬の変わり目は、不安定な天気が続き、日本で言うところの春や秋のような、さわやかな天気はほとんどないです。
夏が終わると、寒かったり暖かかったりの不安定な季節がしばらく続き、その後、一足飛びに冬になってしまいます。クーラーを使っていたと思ったら、次の日はストーブが欲しくなるといったことも珍しくありません。
1~2月は冬ですが、冬といっても、日本の冬のような厳しさはなく、最低気温もせいぜい8~10度程度です。しかし、マンションには、冷房はあっても暖房がないところがほとんどなので、現地の気候に慣れた方にとっては気温以上に肌寒く感じられるかもしれません。

また、一年を通じて湿度がかなり高く、さながら低温サウナのように、外を少し歩くと、すぐに汗ばんでしまい、シャツを交換したくなる感じです。また冬は、洗濯物がなかなか乾かないので、乾燥機があると便利かもしれません。ただ、肌がかさかさしない、唇がひび割れたりしないので、乾燥肌の人にはいいかもしれません。

ただ、こちらに長くいると、やはり四季の移り変わりが楽しめる日本というのは、やはりいいなあと思います。冬から春にかけての桜の季節や、じとじとした梅雨、爽快な秋、そして長く厳しい冬。そういった循環が、日本人の繊細な情緒を育んでいるんですね。気候が人間の情緒に与えるものは、すごいなと思います。それに比べると、夏と冬しかない経験できない中国人(広東人)というのは、気質的に少し単純な感じがします。

物価

深センの物価は、実はそれほど安くはありません。もともと、中国ではトップレベルで高いです
あと、為替レートに左右されます。人民元は、基本的に米ドルとゆるやかにリンクしていますので、円安は、ドル高すなわち人民元高となります。現在、円安は一段落で、少し円高傾向がもどってきているので、一時期よりは、ましになってます。1人民元=15円程度(2016年10月現在)。

駐在員の場合、日本円(固定)でもらうか、人民元でもらうかによって、結構、手取り額が変わってくるので、注意が必要ですね。

言語環境

言語状況は、かなり複雑です。広東語が主として話される広東省内にあって、唯一、普通語が主流です。これは、深圳が広東省で唯一、外地人(他省出身者)の人口が多いためで、普通語だけで十分日常生活の用は足せると言っていいでしょう。
しかし、実際、使われている印象で言えば、普通話と広東語、同じくらいでしょうか。また方言も多いので、エレベーターで何語で話しているのかわからないこともしばしばです。

ちなみに、英語はほとんど通じないと思っておいていいです。限定された場所(スタバとか)にいけば、別ですが、あまり期待しないほうがいいでしょう。ある意味、日本以上に通じません。(日本人は、一応、知識は持ってますが、中国では、英語の知識そのものがない人間も総統います。)そのあたりが、隣りの香港やその他の諸外国と大きく異なるところでしょう。

歴史

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深圳の都市としての歴史は高々40年位でしかなく、歴史物語を期待するほど歴史は古くはありません。開放政策以前は、マンゴーやライチが実り、牛や馬が闊歩する一漁村だった深圳が発展するきっかけを作ったのが、鄧小平の経済開放政策です。
以来、中国の経済特区として優遇されたこと及び香港のすぐ隣という地理的条件が整っていた深圳は、みるみるうちに大都市へと成長していきます。

まずは香港人たちが、深圳に次々と工場を作り、原料から完成品を生産し、それを香港から世界各地に出荷するといった、いわゆる加工貿易を始めてから、他の外資系企業がこぞって投資を始め、瞬く間に「世界の工場」といわれるほどの一大生産拠点となりました。20年以上に渡り、年率にして10%以上の成長率を常に維持し続け、人口も、流動人口を含めれば1300万人という巨大都市へと膨れ上がったのです。深圳市内各所のオフィス街や高層マンション群には、現在でも「〇〇」という名称が、そのまま残っており、地名が街の発展速度に追いついていないという現象もあり、いかに深圳が急激に発展してきたかを物語っています。

治安

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このように、非常に速いスピードで成長を遂げてきた深圳ですが、その成長の早さゆえに、やはり貧富の格差等、社会に大きなひずみができてしまうという構造的な問題が常にありました。(中国人に言わせれば、「深センは残酷な街」ということらしいです。)そして、仕事にあぶれた農民工などが、犯罪予備軍になってしまうことで、以前は、広東省、なかんずく深圳というと、危険というイメージでとらえられていました。

しかし、2011年のユニバーシアードを機会に、そいういった犯罪分子を、かなり大規模に一掃してしまい、また当局による夜間巡回の徹底もあり、近年かなり改善されてきています。少なくとも、街中で、夜、普通に道を歩いたりする分は、まず問題はないです。

ただ、さすがに日本のように安全というわけではなく、携帯電話や財布の盗難といった軽犯罪は、よく耳にします。しかし、それも、場所によりけりで、香港との出入境近辺、東門や華強北の繁華街、観光スポットで注意をすれば十分です。
しかし、(旧)経済特区外を移動する場合は、まだまだ慎重な行動が必要です。場所によっては治安がかなり悪いのが実態で、中国人ですらあまり行きたがらない場合もあります。
女子工員が工場から自宅の寮まで、たった2、3分、歩いていたところを狙われ給料袋を夜道で強奪される等、その手口もかなり荒っぽいものが多いです。特区外に出張などで移動中、背広、ネクタイなど、いかにも日本人ビジネスマンといった服装は、慎むようにしたいです。また、特区外には至るところ、白タク(無免許タクシー)を見かけますが、現地事情に疎い方はあまり利用しないほうが賢明です。

企業城下町 深圳

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テンセント(騰迅)本社

深圳は、いわゆる企業城下町で、典型的な経済の街です。市内は高層ビルだらけ、郊外は工場だらけで、文化の匂いがあまりしない街です。中国にとって非常に重要な大企業が、市内各所に点在します。
今や中国の若者にとって、欠かす事の出来ないツールとなりつつあるQQメッセンジャーや微信(ウィーチャット)テンセント(騰迅)をはじめとして、資本家ウォーレンバフェット氏が出資したことで有名になった電気自動車のBYD(空中より)、アイフォーンなどの生産を請負うEMS大手のフォックスコム(空中より)など、名だたる中国の大企業が拠点を構え、その存在は、北京や上海からも一目置かれるところとなっています。

また、生産拠点としてだけでなく、貿易港としても目覚しい発展を遂げており、2010年時点で、コンテナ取扱量は世界第4位。これは、上海、シンガポール、香港に次ぐ規模となっています(ちなみに日本の横浜、神戸は20位以下です)。

このように経済特区としての利点を生かしつつ、広東省経済の雄として、域内経済を引っ張ってきた深圳ですが、近年、その優位性に陰りが見え始めつつあるようです。2008年のリーマンショック以降、輸出が激減し、深圳は中国の他地域にも増して甚大な影響を受けました。また、内陸部の経済発展により労働者にとって以前ほど、魅力ある就労条件を提供できなくなっているようです。そのため、現在は労働者不足に悩まされており、その産業構造、生産スタイルも曲がり角に立たされていると言えるでしょう。

スクラップ&ビルド

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2011年ユニバーシアードの像

中国では、やたらと、店舗の新装開店や内装工事に出くわす。開店セールで「お、こんなところに〇〇が」と思っていると、半年ほどしたら「閉店セール」なんてのはざらである。
ずっと以前、東京で暮らしていた頃、「さすがに東京は、店舗の入れ替わりが早いなあ。」と感心していたものであるが、中国に来るとそれどころではない。2倍から3倍速という感じで、とにかく回転が速い。これは、経済の温度差というのもあるのだろうが、やはり民族性によるところが大きいと思う。「とりあえずやってみて、不都合だったら考える」というのが、一般的な中国人気質なんだろう。
また開発予定地があると、行政があっという間に、住民を立ち退かせることが出来るようで、ゴーストタウンとなり、街ごと消えてしまうこともめずらしくない。居住権もへったくれもないのである。
そして、そこには、巨大な穴ぼこがほられ、ある日、突然、真新しいショッピングモールと高級マンションが聳え立つ。その工程は、恐ろしく早い。

2011夏季ユニバーシアード

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2011年には、夏季ユニバーシアード開幕式)が深圳にて開催されました。ユニバーシアードのメインスタジアムは春繭(はるまゆ)写真といわれ、日本の建築会社が設計したそうです。
(写真クリックで360度空中パノラマへ)

深圳 上空からのパノラマ動画

「深センってこんなにドラマチックだったっけ?!」と思えるほどドラマチック。深セン全体を俯瞰するのにどうぞ。音楽と映像が一体となった迫力ある展開には、思わず息を呑まずにいられません。お勧めです。(ただ、映像は10年近く前に撮影したものと思われます。)

美丽的深圳(別音楽/クリアヴァージョン)

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深圳ってどんなトコ? 5分でわかる深圳」への2件のフィードバック

    1. 老板老板 投稿作成者

      ご閲覧、ありがとうございます。不定期更新ですが、今後もよろしくお願いします。

      返信

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