「中国語ジャーナル」 という雑誌について

先日、旧正月前に、あまりにも暇だったので、部屋の大掃除をしていたら「中国語ジャーナル」という雑誌のバックナンバーが出てきて、思わず、手にとって、見入ってしまった。

中国語ジャーナル・・中国語学習者であれば、多分、ご存知だとは思うが、中国語学習者向けの月刊誌である。

確か2000年頃、創刊した雑誌だと思うが、奇しくも、自分が、はじめて中国語に接し始めたのも、ちょうどこの頃で、毎月、楽しみにしていたことを覚えている。自分のほうも、今よりずっと、中国や中国語というものに対して、興味を持っていた時期で、中国語の学習の一種の羅針盤のような感じだった。

しかし、その後、中国語に関心がなくなって見なくなり、中国に行ったあとも、それは同じであった。たまに日本に一時帰国した際、本屋に立ち寄った際「そういえば、中国語ジャーナル、本屋で見かけなくなったなあ?」と、思い起こすだけだったのだ。

で、気になって調べてみると、2013年春で休刊していたようである。最後は、月刊から季刊になっていたようだ。

日中関係の悪化で、中国語学習者が減ったということもあるのだろうが、それよりも昨今の紙媒体の衰退の影響が大きかったのかもいれない。まあ今日、インターネットを見れば、音声や画像入りのコンテンツがゴロゴロ転がっているし、スカイプなど双方向のコミュニケーションツールも利用できるような状況では、しょうがないのかもしれないが、残念なことではある。

しかし、この中国語ジャーナル、バックナンバーをあらためて、見てみると、結構、ユニークな雑誌だったなと思う。当時の、2001年4月号の目次は、こんな感じである。

中国語ジャーナルについて

まず、目次を見てみると、「中国語解体新書」「ステップアップ発音塾」といった、中国語学習のテクニカル的な講義もあるが、
それ以上に画期的だったのが、パソコンを中国語環境にする方法を解説したり(電脳スーパー活用指南)、福山雅治の歌(中国語版)の歌詞を訳してみたり(歌詞で学ぼう!中国語)、古代の漢詩を現代中国語で読んでみたり(中国の世界)と、従来の参考書ではあり得ないような切り口のテーマで、当時としては、かなり斬新だったと思う。(しかも、すべてCD付き)
いつだったか、当時の中国人ホスト二人(馬さんと陳さん)に、夫婦喧嘩(かなりリアル)みたいなことをさせてみたり「そこまでするか!!」的な思い切った企画も多かった。

また語学学習以外にも「中国語で人材になる」「検定試験にチャレンジ」「まる分かり!中国留学生活」などで、現地在住者、留学生、検定試験合格者の生の声が聞け、当時としては結構、貴重だったように思う。
例えば、2001年4月号では、「ストレンジャー・イン・パラダイス 非日常という名の甘い罠」と称して、留学生活が陥りがちな罠について、語っているが、イチイチうなずける内容になっている。

その他、時事方面については「今月の話題(本月话题)」で、毎回、最新の中国ニュースの原文と日本語訳のスクリプトを掲載し、娯楽方面についても「チャイナポップス」で、チャイナポップを毎回、三曲紹介、「連続ドラマ」では、中国のラジオやテレビのドラマを、シナリオごと掲載するなど、盛りだくさんの内容だった。

しかも、間口は広く、初心者から上級者まで、幅広い層を取り込めるだけの、奥行きが魅力だったと思う。

大物ゲストのインタビュー記事も

また、毎回の目玉は、中華圏からのゲストへのインタビュー「人物专访」だっただろうか。

例えば、2001年4月号のゲストは「王力宏(ワン・リーホン)」であるが、彼の音楽観のみならず、ニューヨーク華僑である彼が、自分自身の名前について、どうして漢字にこだわるのかというようなことを、アイデンティティ的な側面から語るという、日本人からは知り得ない、中華圏のスターの側面を窺い知れる内容となっている。

ゲストは、一般的には、音楽やドラマといったエンターテイメント方面が多かったが、それ以外にも、中国医学、京劇、主持人など、多岐にわたっていた。幅広い分野で活躍する中国人の生の声が聞けることは、非常に新鮮で、刺激的であったと思う。ゲストは、知らない人のほうが多かったが、アグネスチャン(陳美麗)ビビアンスー(徐若瑄)など、日中双方で活躍するタレントなども時々、登場したりした。

また、内容もさることながら、インタビュー内容をすべて、中国語の原文、日本語訳つきで、掲載するといったもので、中国語学習者には、これ以上無いといえるような、生きた教材だったといえる。

今でもなお、存在意義はある

とはいえ、すでに休刊してしまっているので、今となっては、中古のバックナンバーを読むより他ないが、それでも、十分に意義は有ると思う。関心がある人は、中古でもいいので、何冊か読めば、なんとなく、上で述べたようなことは、わかっていただけると思う。

もちろん、冒頭でも述べたとおり、インターネット全盛時代の昨今、この雑誌の存在意義は薄れたのは事実であるが、こういう中華圏の今というものを感じながら、ある程度、まとまった形で、情報を得られる媒体というのは、今でも全く需要がないわけでもなかろうと思っている。

というのも、ネットの情報というのは、あまりにも膨大すぎて、個人で検索して探していくのは、大変であるし、初心者では、なおさらだからである。ある程度、プロというべき人々がスクリーニングして、まとまった形にしてあるのは、中国語学習のメルクマールともなるし、毎月、紙で手に取れるというのは、それ自体、楽しみともなる。

ちなみに自分は、今でも、2001年~2002年辺りのバックナンバーはほとんど保存してある。

中国生活も長くなり、最近では惰性で、中国や中国語に対するようになってきているが、初心を忘れないためにも? たまには、この雑誌を開いてみようかなとは思っている。

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