チーファンか?ツーファンか? 中国語学習の出口問題

shenmue-ajiichi 

さて、中国語の学習が、ある程度進んでくると、自分の学習目標として、どの程度、やりこめばいいのか?という出口の問題が出てくると思う。

そもそも通じないというのは困るが、「通じるのは通じるんだけど、何か適当に話しているよなあ」感があるという場合、それでいいのか?という話である。

チーファンか?ツーファンか? 中国語学習のゴール地点を探る

例えば「吃飯」(ご飯を食べる)

教科書的に言えば「チーファン(chi fan)」という風に習うはずである。「チー」は、所謂、日本人が苦手な「chi」。しかし、一歩外へ出ると、食堂の店員でも「ツーファン」と言っているのを聞くことも多い。(特に中国の南方では)

で、どっちが正解なのかと?

例えば、教室で、その疑問を教師にぶつけてみる。すると、多分、このような返事が返ってくるはずである。

教師 「吃飯はチー・ファンであって、それ以外にはありません。」
私  「しかし、ツーファンでも通じているんですけど。」
教師 「ああ、それは正しくないです。」
私  「でも、外の中国人もみんな、ツーファンと言ってますよ。」
教師 「そうですか、でも、間違いは間違いですから。」
私  「・・・・・・・・」

会話終了

こういうとき、講師は、頑なとも思えるほど「ツーファン」を認めようとしない。

それは、何故か?

それは、教師というものが「通じる」中国語よりも、「正しい」中国語を教えるのが商売であるからである。

語学は、結局、コミュニケーションの道具に過ぎない

しかし、ツーファンは全く駄目かというと、全く駄目とも言い切れないと思うのである。なぜなら、少なくとも、現に、それで通じているからである。

「通じればよし」派 にも一理ある。

語学というのは、結局のところ、コミュニケーションの道具に過ぎないのであるから、相手との会話が成立していれば、自分が話している中国語が、教科書的に正しかろうが、正しくなかろうが、それで十分だというところもある。中国で、何年も生活しているとわかるが、ソコソコ生活で使える中国語が身につけば、後はなんとかなってしまうものなのだ。

以前、60歳くらいの日本人で、どう考えても標準には程遠い発音の方がいたが、周囲が、その人が何を話そうとしているのか察して、上手く回っていたので、それはそれで、もう立派なコミュニケーション成立といっていいのではないかと思うのである。まあ、一種の身内中国語といってもいいかもしれないが。

しかし一方で、通じるからいいやで済ましていると、自分が話している中国語が、どんどん、いい加減になっていくということも確かである。
中国語というのは、日本語のような「てにをは」があるわけではないし、英語のような格変化時制という概念もない。また、性差もなければ、敬語もそんなに多くはない、という、あれもなければこれもないという、ある意味、かなりテキトーな言葉で、ぶっちゃけ、単語を並べただけでも通じてしまうことが多い言葉なのである。
そういう状況では、通じるからといって、それで通していると、出鱈目街道まっしぐらになってしまう。

自分で落としどころを見つける

では結局、どうすればいいのか?ということであるが、それは、自分の置かれている状況、例えば、年齢、仕事や生活の環境によって、自分で落としどころを見つけていくより他ない。

もちろん、文法的、発音的に正しい中国語を話せるに越したことはない。しかし、例えば、もう還暦を迎えた人に、いくら正確な発音と言ってみたところで限度がある。

要は、正しい発音をしようとして、力が入りすぎて意味不明になって通じない中国語になってしまうくらいであれば、少々、標準とは言えなくとも通じるように話すほうが、精神衛生上はマシではないかということである。

キャッチボールをするときに、テクニックも力も無いのに、相手のど真ん中にバリバリの剛速球や変化球を決めようとして、とんでもないところに暴投してしまうくらいであれば、とりあえず、ストライクになるように投げておけということである。

中国人は、日本語を、どう学ぶか?

逆に、中国人が、日本語を習得するときなんか見ていると、そのあたり、かなりアバウトだったりする。

彼らは、性格的にズーズーしいからか、話せなくとも、まずは使う。すると、少しずつではあるが、だんだん、話せるようになる。話せるようになると、自信がついて、さらに話す。すると、また上手になって、という具合に、どんどん上手になるようである。

かなり日本語が上手なひとでも、「てにをは」は間違えるし、発音が、パーフェクトに出来る人はいない、しかし、それでも十分である。

彼らは、極めて現実的な民族なので、原理原則より、お金を儲けるために、必要であれば、正しい発音にするし、必要でなければ、そこまではしない。それだけではないだろうか。まあ、外国語を学習することで、給与が上がるとか、海外に出るチャンスが得られるとか、現実的な恩恵が受けられるので、日本人とはモチベーションが違うということもあるのだろうが。

参考動画 シェンムーより 陶おじさんの「三刀」の話

以下の動画では、途中で在日華僑のラーメン屋のおじさんが登場するが(5分すぎから)、こんな感じでも通じることは通じている。(まあ、かなり極端な例ではあるが・・・・)


シェンムー 横須賀ぶらり旅18 – YouTube
ユーチューブを見れない方は、以下でどうぞ。

「〇〇アル」「〇〇ヨロシ」・・・・・・今どき、こんなレアな日本語を話す中国人も珍しいとは思うし、いたら逆にお目にかかりたいくらいであるが、よく在日華僑(一世)の特徴を捉えていると思う。

ちなみに「三刀」というのは、一般の中国人に聞いてもあまり知らないようで、広東語の教科書に「三把刀」というのは載っていた。昔の華僑は、そうやって、海を渡って、刃物を使う仕事を生業にしてきたということだが、今の華僑とは、随分と様子が違うようだ。

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