中国語のテキスト選び

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最近、HSK(漢語水平考試)についての問い合わせが増えた。

多分、HSKが就労ビザ取得のポイントとして加算されるということが、駐在員のモチベーション(焦り?)を引き出しているのかもしれない。

具体的には、5-6級は10点、4級は8点、3級は6点、2級は4点、1級は2点となっている。そこそこ中国語ができる人であれば、3級か4級でも取得しておけば、少しはポイントの足しになるし、当局へのアピール材料にもなるだろう。

さて、以下、自分がこれまで使ってきたテキストを中心に、中国語のテキストについてまとめてみた。主として、中国人の講師と一緒ににやる講義用テキストが中心で(つまり独学向きではない)、中国の本屋で市販されているものである。

ちなみに、以下で紹介するのは、あくまで自分がやったものであって、別にこれが絶対と思っているわけでもない。基本的には、現在、自分が使っているテキストを、しっかりやり込むのが肝心であることは言うまでもないだろう。

講義用テキスト(初級) HSK1-3級レベル

画像クリックで、書籍サイトに移動。)

初めたばかりの頃は、とにかく、やる気満々であるので、定番といわれるテキストを使って、どんどん、学習をすすめればいいのではないだろうか。とりあえず、北京語言大学が出版するものであれば、間違いないだろう。また、この段階においては、HSK等の試験については、ことさら意識する必要はないと思われる。

漢語会話301句 上下(初級向け) 北京語言大学出版

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北京語言大学による有名教材。301個の基本文型と、会話文、単語、ドリル、語法の解説、練習問題といった、一連の流れの中で、中国語の「听(聴く)、说(話す)、读(読む)、写(書く)」能力をバランス良く、伸ばすことができる。また、日本語も併記しているので、取り組みやすい。上下冊やり終えたら、かなり効果はあるだろう。

表紙に「世界中で人気ナンバーワンの中国語テキスト?!」と、自ら宣言しているが、決してダテではなく、日本語版の他、英語版、韓国語版など、各国バージョンがある。また日本の書店でも購入が可能である。

漢語口語速成 入門篇 上・下(初級向け) 北京語言大学出版

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口語速成シリーズ(北京語言大学)の初級編。このシリーズは、口語(話し言葉)に特化しているという触れ込みであるが、語法等の解説も詳しく、このシリーズだけで、中国語のオールラウンドな能力を鍛えるには十分といえる内容である。入門を終了すると基礎、提高、中級、高級と続いており、目標をかなり上においている人にとっても、体系的に中国語が勉強できるようになっている。

中国人の講師によれば、この本の内容は、中国人が普段、日常で使っている口語表現にかなり近いということである。テキストの風変わりなイラストが気になるが、見慣れたら、どうってことはない。日本語版の他、英語版、韓国語版など各国バージョンに翻訳されている。

学説中国語(初級向け) 商務印書館

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自分が、中国語をやり始めたときに、最初に使用したもの。

日本語の説明がなく、英語のみの説明であるが、かなり体系的に学習できるよう構成されている。香港の商務印書館という出版社が出版しているもので、系列の書店で売っている。(中国大陸側では、見かけたことがない)

まあ、初級に関しては、上記の北京語言大学出版のもので十分だと思うが、一応、あげてみた。

 

講義用テキスト(中級) HSK4-5級レベル

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初級を終了したときに、次に、どのテキストをやるかは、少し考えどころかもしれない。初級のうちは、やるべき内容が、皆、だいたい同じであるが、中レベルになると、それぞれ中国語をやる目的も違ってくるし、テキストの内容と、自分の求めているものが一致しないと、いくらやっても学習効果はでないからである。

自分が使ってみた感じでは、口語速成シリーズ(北京語言大学出版)が、一番、体系的で無難であるような気がした。何をやっていいかわからないという人には、とりあえず、このシリーズをやっておけばいいのではないだろうか。

漢語口語速成(基礎編) 北京語言大学 HSK4級レベル

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初級を終えて、さらに上を目指したい人に、おすすめの一冊。オーソドックスなタイプのテキストで、各課は、「旅行、グルメ、ショッピング」といった日常の身近なトピックで構成されている。

「初級を終了して、何か一冊を」という人には、とりあえず、コレをやっっておけばいいのではないだろうか。といっても、かなり分量があって、やり終わるには、相当、根性が必要なテキストである。

しかし、それは、このテキストの難点というより、中級用のテキストはとにかく、インプットする内容が多いから、仕方ないという意味であり、この本のせいではない。(こういうタイプのテキストでは、他に「説漢語」(北京語言大学)というのもある。)

漢語口語速成(提高編) HSK4-5級レベル

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基礎編の続編といった趣のある本書は、基礎編のスタイルを踏襲しつつも、若干レベルアップした内容になっている。また、文章が、割りと面白く、読ませる内容になっているので、退屈はしないと思う。基礎編とあわせてやれば、中級レベルは、ほぼカバーできるのではないだろうか。
難点は、日本語による解説がなく、ほとんど中文による解説だけになっているところであるが、逆に言えば、このレベルになると、そろそろ、中国語で中国語を学ぶというスタイルにシフトしていかねばならないとも言えるかもしれない。

漢語口語速成(中級編) HSK5-6級レベル

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口語の中国語をベースとしながらも、扱うテーマが、環境保護、教育、夫婦関係などといった、より社会性のなるものになっている。単なる日常会話から少し離れて、時事的な内容の中国語に触れていくという狙いがあるようだ。中文のニュースに親しみたい、あるいはHSK5級以上を目指すなどの目的があれば、このテキストは、期待に添えるかもしれない。自分は、基礎編、提高篇ときて、その流れで、これもやった。

基礎→提高→中級で、ホップ・ステップ・ジャンプと三段跳びの要領でいくのがベストであるが、まあ、現実的には、それほど時間もないだろうし、自分の実力や目的に合わせて、どれか適当に選んでやればいいだろう。ちなみに、高級篇もあることはあるにはあるが、ちょっと見た感じでは、内容が文学的過ぎる感じがした。(高級は本屋では殆ど見かけない)

时尚漢語(中級向け) 世界図書出版

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时尚汉语(流行漢語)というタイトルにもあるように「娯楽、インターネット、ペット・・」など、今っぽいトピックを扱っている。内容的には、そんなに悪くはないと思うのであるが、会話があまり自然ではないのか、一部の中国人の講師によっては、イマイチ反応が薄かったりする。あと、イラストが多すぎて、チャラい印象があるのかもしれない。

中国走向(初級~中級向け) 北京大学出版社

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初級のテキストが終わって、中国語は継続したいものの、HSKとかビジネスみたいに、ガチガチに中国語に取り組むつもりはなく、とりあえず、日常で、最低限の用が足せるくらいでよいという方に、最適の一冊。
「旅行、銀行、食事、買い物」といったかなり現実に近い場面設定で、短い会話を中心に構成されており、実践的すぎるテキストといえる。
ただし、HSKを受検するとか、ビジネス中国語を目指すという方にとっては、内容が薄すぎるので、ものたりないかもしれない。

ビジネス用テキスト

実用商務漢語(中級以上/CD無し)

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ビジネス中国語の基礎を固めるに当たって、わりと使える本。テーマは、「宣伝広告」「ビジネス交渉」「契約の締結」など、実務の場面を見据えた内容になっており、課の前半は場面別のビジネス会話、後半は関連する新聞のニュースで構成されている。難点はCDがないことくらいか。

 

HSK対策用テキスト(1―6級)

HSK試験対策(1~6級)北京語言大学出版

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中国語能力テストHSK(汉语水平考试)は、中国が主催する中国語のテストであり、どの課も、「リスニング、読解、作文」の三部構成となっている。このテキストは、HSK1級から6級の各レベル、模擬テスト形式10回分で構成されている。日本語による解説はない。

通常テキストで、基礎力をつけてから、試験対策的に、こういった問題集を使うのが良いだろう。自分は、上記の口語速成をやった後、5級と6級の試験の前に、これらの試験対策本を、それぞれ2回繰り返しやったが、それで十分だった。

このような模擬試験形式ではなく、リスニング、読解、作文のうち、自分の弱点分野だけに特化して、集中的に訓練したい人は、日本で市販されているテキストもいいかもしれない。あるいは、中国の書店で、以下のような本を見つけたが、結構、使えそうだ。

HSK全攻略 初中等 商務印書館

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ざっくり見た感じでは、HSKで問われそうな語法が、しっかりとまとまっていて、かなり使えそうな印象がある。

初中等と書かれているが、内容的には、かなりレベルは高く、HSK5-6級を目指す人は、使ってみる価値はありそうである。

ちなみに、中国現地でHSKを受検する方法については、以下にまとめてあるので、ご参照のこと。

HSK受検をお考えの方に ~概要と申し込み方法について | 広東省深圳@老板日記

中国語の参考書について

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日本に帰ったとき、たまに本屋の中国語コーナーに立ち寄ると、本当に、いろいろな参考書があって、目移りしそうになってしまう。

「◯◯で学ぶ中国語」とか「◯◯単」といったタイトルで、おしゃっれぽい表紙や目を引くキャッチコピーに気を引かれて、思わず手に取ってしまうのだが、ただ、どうなんだろう、こういうのは、なにか買っただけで満足してしまいそうな予感がプンプンするというか、結局、気休め程度にしかならないような気がしないでもない。

やはり、軸足は、自分のメインで使用しているテキストに置き、それをやりこんでいくというのが、学習の王道であろう。その上で、余裕があれば、そういうチャラい本を使ってみるのアリだと思う。

というわけで、以下、日本の参考書類から、少しだけ。

旅の指さし会話帳〈4〉中国(中国語)

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ベストセラーシリーズ「指差し会話帳」の中国語版。絵を指させば通じるという、お手軽感?に加え、漫画好きの日本人の感性にフィットしてか、あっという間に、増えていったような感があるこのシリーズ。

本来は、旅先で中国語を話せない人でも、指をさせばコミュニケーションが出来ますよというコンセプトであったのであろうが、非常に実践的に出来ているので、初級のドリル教材としても使えそうである。もちろん、この本をメインのテキストとして使うことは現実的ではないが、実際、この本に載っている表現を自由に使いこなせれば、大抵の内容は話したりできるということは確かである。

Why?にこたえるはじめての中国語の文法書

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ご存知「相原茂」先生による参考書。これ一冊あれば、もう他の参考書は必要ないというくらい手が込んでおり、初級から上級者まで幅広い階層の学習者にとって、必須と言える。手許において、何か疑問が起こったときに、参照するというような使い方がよいだろう。

また、イラストが面白く、飽きない構成になっており、読み物としてもおもしろい一冊となっている。絶対にお勧めの一冊。

 

広東語

広東語のテキストについては、以下のページをご参照のこと。
広東語って、中国語とどこが違うの? | 広東省深圳@老板日記

辞書・電子辞書

辞書については、機会があれば、どこかで、また書いてみるつもり。

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