中国現地採用の憂鬱

「日本に帰るべきか?このまま中国にいるか?」

中国で働いていると、このような悩みは尽きない。特に、自分の意思で中国に来た現地採用の場合、なおさらであろう。

以下の動画は、現地採用の陥りやすい罠とでも言うべき点がよくでていて、面白かった。
これから、中国をはじめ海外で現地採用で働こうとする日本人の若い人は、見ておくべきだろう。

中国への移住を決めた日本の若者達  中国現地採用の憂鬱 

中国への移住を決めた日本の若者達 – YouTube(2012年、中国大連)

前半の男性の話は、まさに「ぬるま湯」にどっぷり使っている感が半端なくでている。
中国語は勉強しないし、する気もない。日系の美容院で散髪して、日系書店で本を購入して、日本料理屋で仲間と愚痴を言い合う。中国人彼女から将来のことを聞かれても、何のビジョンもない。何か、絵に描いたような、ぬるま湯ぶりだ。

日本料理屋に集まって、いっしょに語り合う仲間たち。
 
「今の仕事に対して、やりがいは?」
「やりがい、やりがい・・・・・・無いね。」
(一同、笑)


「何が楽しくて大連で働いている?」
「楽しいこと無いですけど別に。」


「中国にいても、日本にいても、変わらないので。」(男性)
「日本でも海外でも一緒なのに、なんで海外にでたの?」(女性陣)
女性陣からのつっこみが、ブーメランのようにかえってくる。

「なんとなく」「別に」・・・まったりムードの中、でてくるのは、消極的発言ばかり。まあ二十代のうちは、それでもいいかもしれないが、三十代でこれだとさすがにまずい気がする。
現地採用といっても、さすがに、こんな人たちばかりではないと思いたいが、ただ、積極的に中国にいたいわけではないが、日本にいるよりは、中国にいるほうがまだマシという感覚はわからなくもない。
現在の日本の労働環境は、若者にとって、時として過酷である。それに比べ、中国で働いていると、ソコソコでも何とかなってしまうのだ。だから、一種、避難所のような感じになってしまっているところがあるだろう。

まあ問題は2-3年、現地採用として働いてからだと思う。そのまま、中国で現地で根を下ろしやっていくのか?、あるいは日本に帰るのか?そのあたりは、海外で働く人間としては、非常に悩ましいところだ。

ちなみに、この動画の本来のタイトルは「サヨナラニッポン。若者たちが消えていく国」であるが、「中国への移住を決めた日本の若者達」というタイトルに変わっているのは、皮肉なところだ。

現地採用で陥りやすいワナ

中国では、そこそこでも暮らしてしまえるという、一種のぬるま湯的なところがある。外国人として生活するというのは、日本国内と違って気楽だし、特別扱いしてくれるところもあるので、居心地の良さもある。しかし、その立場に甘んじてしまうと「自分は、何で海外で働いているのか?」というモチベーションがぐらついて、ルーティンワークの中に埋没しているうちに自分を見失ってしまい、さしたる成果も残せぬまま、帰国ということになりかねない。

以下、海外で現地採用として働いていて陥りやすいワナについて、少し、述べておこう。

中国語を生かす機会がない。

動画のように、そもそも中国語を学ぶ意思がない人はともかく、逆に、語学を生かしきれる仕事に就けないということも、あるだろう。というのも、海外にある日系企業というのは、多かれ少なかれ日系企業相手のサービスが多く、仕事上、中国語を使わなくとも済んでしまうからだ。
また、オフィスには、日本語ペラペラの中国人がいることも多く、よほどの中国語能力が無い限り、中国にいるけれど、中国語を使う機会が無いということは、珍しいことではない。

日本人上司や同僚との人間関係

所謂、人間関係の問題は意外と多いかもしれない。しかも、中国人とではなく、一緒の職場で働く日本人と合わないというパターン。これも、意外と多い。
そもそも、海外とはいっても、こと日本人社会というものに限れば、村みたいな狭さである。そんな狭い村社会で、人間関係がこじれてしまうと大変である。隣同士にいるのに、メールだけで会話をしたりなどという状況になっては、それこそしゃれにもならない。日本でなら、万一そういう場合でも、逃げ場もあるだろうが、海外の場合、逃げ場がほとんどないから尚更である。
職場の風通しの良さというものも、結構、重要なポイントである。

駐在員・ローカルとの待遇格差

会社によっては、駐在員といっしょに働くこともあるかと思うが、同じような仕事をしつつも、待遇の差は歴然であり、それに納得出来るかということ。
また逆に、ローカル社員とも給与の差があり、業務的には同じことをしているのに、ただ、日本人というだけで何倍も違うという点もある。そういう場合、ローカルスタッフも「同じような仕事で、日本人はどうして2倍、3倍?」と、気持ち的には納得できないものはあると思う。

つまり、駐在員ともローカル中国人とも、仲間意識を持ちにくい、つまりは孤独であるということだ。その中で、自分の置かれている立ち位置を把握しながら、駐在員とローカルスタッフの橋渡しが上手く出来るか?ということも、現地採用として仕事をしていく上でのポイントになるだろう。

逆に、中国に来るに当たって、反日感情とか?そういうことを心配する人のほうが多いかもしれないが、余程のことが無い限り、問題にはならないだろう。

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