脱サラして起業をすることを考えたとき、一度は検討するのが、フランチャイズかもしれません。
昨今は、コンビニ店長の闇とか、いろいろ情報も出回っているので、そうそう美味い話はないとはわかっているはずですが、それでも、早期退職とかで退職金とか出ると、気持ちが大きくなって始めてしまう人もいるかとは思います。
ちなみに、フランチャイズ(FC)については、かなり昔、自分も、学習塾のFCでアルバイトをしていたことがあって、そのときに、いろいろ内実について、見聞する機会を得たことがあります。今回は、その時の話を、ちょっとだけ紹介してみようかと思います。
あそこにいたのは、自分がまだ日本にいたときの話であるから、もう、随分昔になります。
それは、東京のとある繁華街にある、学習塾のFC本部だったのですが、自分は、その本部でアルバイトをしながら、たまに教室に派遣されて講師をするという感じでした。
要するに、本部側とオーナー側、両方を往復するので、双方を観察できる立場だったのです。
本部のほうは、結構、羽振りが良さそうだったのに対して、教室側は、どこのオーナーと話をしても、ため息ばかりついていた感じでした。
まあ、オーナーと言っても、ほんとうの意味でのオーナーではなく、独立したいけど、あまりリスクはとりたくない。でもなにかオーナーっぽいことをしてみたいという、なんちゃってオーナーだった気がします。
たまたま、授業ができる場所があって小金もあるので、何か副収入をと思っていたところに「手軽に副収入」というキャッチフレーズに目がいき、フランチャイズに加盟したというような人が多かったようです。
本部は、そういった、ちょっとオーナー気分を味わってみたいという人から、開業資金をもらい、広告をうったり(DM、ちらし)、講師を派遣したりといったサポートをするという感じでした。
ただ、彼らのほとんどは、教育についても経営についても馴染みのない素人なので、実際の運営も本部へ丸投げで、大部分の教室は、採算が取れず畳んでしまうようでした。それでも、損失額としては、開業資金数百万円程度?なので、大抵の場合、オーナーが諦めて終了という感じのようでした。
一部、納得がいかず、本部に対して恨みつらみを言ってくる人もいましたが(粘着質オーナーが、いやがらせ電話とか)そういった彼らの愚痴や恨みつらみを聞いてあげるのが、本部社員の日課で、彼らは教務とは名ばかりの、別名、人間サンドバックと呼ばれてました。
場所代がかからないので、結構、楽勝にも思えるのですが、それでも経営状態が悪いというのは、やはり本部へのロイヤリティーがかかるので、さほど儲からないのかもしれません。(具体的にはしりませんが)
ただ、少数ながらも、まともに経営している教室があったのですが、そこは、オーナー自身が、実際に教師をしながら経営もしているという、他人に任せっぱなしのオーナーとは、明らかに一線を画していたように思います。
ちなみに、上記の学習塾FCですが、いまだに存続しているみたいで、加盟する人が後を絶たないということは、退職金が入ったりして、手元に現金もあるし、場所もあるし、なにかやってみたいという高齢者が、いくらでもいるということなのかもしれません。
まあ、自分は、フランチャイズを否定しているわけではありませんし、きっかけとしては、それもアリかなとは思いますが、最終的には、自分が主体的にやるという気構えがなければ駄目だと思っています。
上記の学習塾の例でいえば、いざとなれば、自分で授業ができるとか、講師を独自で調達することができるとか、まあ、何でもいいわけですが。
そうではなく、単に、本部にお任せの安直な方法を選んでしまうと、かえって、高い授業料を支払わされてしまうということです。特に依存マインドの人は、注意が必要だと思います。
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