中国で起業して12年になります。
まあ、起業といったところで、自分一人なので、実態としては、フリーランスに近いと思いますが、続けていると、やはり、いろいろと思うところもあります。
今回は、実際、独立してみて、良かったと悪かったことを、書いてみようかと思います。
ちなみに、独立のよい点は、裏を返すと、悪い点にもなりえる、という諸刃の関係になっているので、以下、並列的に書いてみたいと思います。
独立して良かったこと、悪かったこと
1 時間が自由(時間)
とりあえず、まずは、時間が自由ということでしょうか。24時間、自分の時間といってもいいでしょう。
朝寝坊だって、昼寝だって、夜更かしだって自由自在です。また、職住近接で、満員電車に揺られる必要もありません。
しかし、逆に言えば、時間の区切りがはっきりしないので、ONとOFFの区別がはっきりせず、自堕落で、公私混同になってしまう恐れはあります。なにせ、仕事と思えば仕事、遊びと思えば遊んでいるようなものだからです。
自分も、昼夜逆転したりで、自律神経やられがちです。なので、自分で時間管理ができない人は、サラリーマンやっておいたほうがいいでしょう。
2 わずらわしい人間関係が無い(人間関係)
次に、煩わしい人間関係が無いことです。
自分の場合、一人会社なので、中国人の講師を除くと、上司も同僚もいません。
会社の人間関係で消耗することはなくなりました。お客さんと講師に対して、一定、気は使いますが、会社内部の人間関係ではありませんので、不思議とストレスに感じることはありません。
ただ、上司もいなければ、同僚もいないということは、誰も何も言ってくれないので、孤独ということはあります。
そういう意味では、日本の会社空間というのは、干渉してくる人がいっぱいいる分、うっとおしいですが、有り難いところもあります。
会社内の人間関係を観察しているだけで、面白いですし。(「変な新人君が入ってきた」とか、「○と○は最近、付き合い始めたらしい」とか、)
3 自分ですべて決めることができる(決定権)
全部、自分で決定できるということもあります。
どんな事業をやってもいいし、お金の使い方から、人の配置、モノの購入は言うに及ばす、気に入らない!?アルバイトを辞めさせることもできるし、受けたくない仕事は受けないこともできます。つまり仕事量を自分で調整できるということです。
しかし、そうやって、事業や人材や客を選り好みしていると、あとで確実に、自分に跳ね返ってきますし、責任は、すべて自分が負わなければなりません。
また、決定できるということは、裏を返すと、すべて自分で決定しなければならないということです。
決めるということは、実は、ある種の人にとっては、結構、面倒くさいことかもしれません。上司に言われたことを素直に実行しているほうが、楽といえば楽だからです。
そういう意味で、根っからのサラリーマン気質の方は、独立はしないほうがいいかもしれません。
4 収入を伸ばせる(収入)
一般的には、起業すると、収入が青天井になる可能性があるということは言われます。というか、世間一般的に「起業」といったときの最大のメリットは、収入面といってもいいのではないでしょうか。
しかし、一番難しいのが、この収入面であることも確かで、そんなに甘いものではないというのは、言うまでもありません。あくまでも、その人の「才覚」や「運」次第でということです。
逆に、収入面で、安定性はなくなります。。
サラリーマンの場合、毎月、決まった額の給料をもらえるので、基本的にはプラスの世界ですが、独立するとマイナスになることもしばしばです。
ちょっとでもお金が減ることに対して耐え難いという人、マイナスにもなりうる世界に対する耐性がない人は、難しいでしょう。
ちなみに、自分のような零細フリーランスは、ローリスクローリターンですので、それほど、見返りがない代わりにマイナスリスクも限定的といったところでしょうか。
それでも、いつ収入が入ってくるかはわからないので、いつも、お金のことが頭から離れないし、小さいながらも資金繰りの圧力があります。そう考えると、月に何百万円も支払いがある事業者の方というのは、すごいなと思いますね。
以上、思いついたところを、ごく簡単に書いてみました。
独立すると、時間、人間関係、決定権、収入・・・すべて、サラリーマン時代には手に入らなかったものが、いろいろ手に入るような気がしてしまいます。
しかし、良いことは、別の角度から見ると悪い面になりうるので、いい面しか見ずに独立して「こんなはずではなかった」とならないよう、自分がどの点に着目して、起業、独立するのかということは、しっかり意識しておいたほうがいいと思います。
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