起業というのは、大変なエネルギーが必要です。
特に、長年、サラリーマン人生を歩んでおられた方にとっては、大変な変化でしょう。なかには、清水の舞台から飛び降りるかの如き、一大決心をしてやるなんて方もいるかもしれません。
しかし、会社にせよ個人事業にせよ、立ち上げというのは、ゴールではなく出発点に過ぎません。立ち上げよりも、その後、いかに会社を存続させていくことのほうが、ずっと大事なことです。
なので、起業それ自体が目的化してしまったり、立ち上げで消耗してしまってしまっては、本末転倒なわけです。むしろ、起業時の手続きはさくっと済まして、その後、本来の自分のやりたかった事業に邁進していくことが大事です。
といっても、フリーランスとか一人会社の場合、サラリーマン時代と違って、規模は小さいながらも、自分で全体をキリモリしていかなければならないので、やることが多岐にわたります。
というわけで、今回は、起業後、個人事業者が事業を運営していくにあたって、身につけるべき能力について取り上げてみたいと思います。
個人事業者が身につけるべき4つの能力
1 集客力
事業において、いちばん重要なのは、何をおいても、集客ではないかと思います。
大抵のビジネスにおいて、集客ができれば、あとは、なんとでもなってしまうのではないでしょうか。逆にここが弱いと、お金を稼ぐ能力が弱くて、存続できなくなってしまいます。
普通の会社であれば、営業とか、広告に当たる部分ですが、フリーランスや個人事業の場合、うまくSNSを活用したりできる、いわゆるコミュ力が高い人は強いと思います。
自分が一番、苦手なところでもありますが、小規模事業者の場合、そもそもブランド力、信用ゼロの状態から始めなければなりませんので、泥臭くやっていくしかありません。
2 管理能力
次は、いわゆるマネージメント能力です。人、モノ、お金といったリソースをどのように、分配して管理していくか、というものです。
集客が攻めとすれば、管理は守りといえるかもしれません。企業でいえば、会計、人事、総務といった、間接部門に当たるかと思います。とにかく、会社がうまく機能して回っていくように、人、モノ、金というリソースを、補充していくという感じでしょうか。
ただ、自分のような小規模事業者においては、収入なんてたかが知れているし、人もそんなにいないので、そこそこ効率よく会社が回るようにすればいいのではないかと思います。自分の会社も、せいぜい会計を専門業者にまかせているだけですし。
ただ、そうはいっても、例えば、今回のコロナのような不測の事態が起きると、何ヶ月も収入がないというようなことが発生しますので、そのような状況でも大丈夫なように、日頃から、お金の管理をしておかなければなりません。
リスクマネージメント(危機管理)といえば、大げさですが、リスクに備える姿勢というものは、大事だと思います。
3 開発力・リサーチ力
新商品や新サービスを開発したり、新企画を打ち出せる能力も必要です。
事業というのは、今やっていることは、それはそれで大切なわけですが、それだけだと、それがぽしゃってしまうとジリ貧化してしまうので、常に、それを補完しうるような、新しいビジネスを、先手を打って考えていく必要があると思います。
ただ、新商品や新サービスを開発するといっても、小規模事業者の場合、そんな大げさなものは必要ありません。なにか試してみたいアイデアがあったら、簡単な形を作って、即、市場に投入してみればいいのではないでしょうか。で、駄目だったら引っ込めると。それで十分だと思います。
要は、他人のニーズをつかむために、そうやって小さくリサーチしてみるということが大事だということです。情報発信でも、投資でも何でもそうですが、どの記事がバズるとか、どの株が騰がるかとかは、最初はわかりません。しかし、数をこなすうちに、コツがわかってきます。
まあ、実際に、実行に移すかどうかは別として、常に、そういうことを考えておく必要があるということです。そういうことが面白いと感じられる人こそが、起業すべき人といえるかもしれません。逆に、ここに苦痛を感じる場合は、サラリーマンのほうが向いていると思います。
4 実務遂行力
あとは、実務を遂行する能力です。メーカーなら製造、料理屋なら厨房、YOUTUBERだったらコンテンツ制作、といったところでしょうか。
このあたりは、経営者ではなく、サラリーマンとかワーカーの領域ですが、一応は、経営者なら一通りのことはできるくらいには、知っておくべきでしょう。自分ができもしないことを上から目線で命令をしても、説得力がありません。
あと、一人会社やフリーランスの場合は、外注しないのであれば、自分で遂行する必要がありますが、そのときは、当然、実務能力は必要となります。その場合は、内容そのものの付加価値をあげてプロフェッショナル化を目指す方向性になります。
以上、個人事業者が身につけるべき4つの能力でした。
ただ、誰しも得手不得手というものがありますので、これらすべての能力を身につけろというのではありません。自分の弱い部分は、外注化するなど、他の人に補ってもらえばいいのではないかと思います。
要は、自分の得意な部分はどこか、苦手な部分はどこかということを意識して、できるだけ、自分が得意なことに自分が専念できる形に、リソースを振り分けることが肝心だということです。
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