中国全土で約1000万人が「爆」受験 中国のセンターテスト「高考」について

2021年6月1日


今年も、中国の大学入試センターテストにあたる「高考(ガオカオ)」が行われます。

受験者数は中国全土で約1000万人。中国は人口が多いので、受験者数も桁違いです。

 

 

中国の大学入試センターテスト 「高考(ガオカオ)」とは?

「普通高等学校招生全国统一考试」 通称 「高考(ガオカオ)」

現代の「科挙」とも呼ばれる、このテストは日本で言えば、大学入試センターテストにあたる試験で毎年6月に実施されます。(中国は9月入学)
中国の学生にとっては「一考定終生」といって、一回の試験によって自分の一生が決まってしまう一生の一大事です。

中国の場合、大学独自で入試試験というものがなく、高考の点数のみによって、入学できる大学が決まってしまうという、文字通りの一発勝負です。

教科は、必修の「語(国語)・数(数学)・外(主に英語)」と選択科目で、文科と理科によって、選択科目は分かれるようです。志望先として、重点大学5つ、本科5つ、専科5つを申請しておいて、それらの大学の入学ラインに届けば入れるし、届かなければ、第二志望、第三志望に振り分けられるという、システムです。

高考_百度搜索 ニュース、試験問題、掲示板、写真  あらゆる情報が詰まってます。

中国全土で約1000万人が高考を受験

また、高考は、中国全土で約1000万人が受験。中国は人口が多いので、受験者数も桁違いになります。また、メディアの取り上げ方が、日本のセンターテストより圧倒的に大きく、「高考」と言う言葉に、中国人の独特の思いがあるようです。たかがテストでは済まされない感じなのです。

また、お母さんが子供を出迎えたり、家族総掛かりで、受験に取り組む感じがあり、このあたりは、自分のことは自分でするのが当たり前の日本では、考えられないところかもしれません。

試験問題は「全国巻」「広東巻」というように、省ごとに異なる問題を使用しているようです。

当日の交通も、高考に対する配慮を行っていて、タクシーも受験生を試験会場まで無料で送り届けるサービスも行っているとのこと。社会全体が、高考に対し、全面的にバックアップをしているようです。

また、メディアでは、試験当日、身分証を忘れ、警察に頼んで、家までとりに言った話とか、替え玉受験(替身)の嫌疑がある学生の話も載ってます。その他、電子機器によるカンニング事件(作幣)は、携帯持込が全面的に禁止になっているようで、さすがに難しくなっているようです。

一発勝負という試験の性質上、試験で失敗したり、遅刻で入室を禁じられ、失望のあまり、自らの命を絶ってしまう人間もいるようです。ただ、学校側は、そういうことを表に出さないので、ニュースとしては、表には出てこないらしいですが・・・・・

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高考後の記念撮影

高校四年生?

また、仮に、すべての志望先で点数が満たない場合、大学入学を断念するか、復読(浪人)するかということになります。

ちなみに、中国では、日本のように一浪、二浪という呼び方はなく、一浪は「高四」(ガオ・スー)つまり「高校四年生」と呼ぶのだそうです。この法則でいけば、二浪は「高五」、三浪は「高六」ですが、中国人に聞いてもはっきりは分からないようです。

しかし、浪人しても、日本の予備校に当たるものがないらしく、復読生として、もとの学校の高校三年生の中に混じって、勉強しなくてはならないそうです。浪人と言うよりは、むしろ留年に近い感じですが、復読生は高考の経験者として、後輩達からいろいろ質問を受ける存在になっているのだとか。

高考は貴重な青春の浪費ではないのか? 高考の掲示板より

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ちなみに、ネット上での交流もさかんなようで、高考の掲示板なるものもあるようです。
単に「この問題の解答を教えてくれ」的な虫のいいものから、自分の成績をさらして、志望校に届くかどうか?尋ねているもの。その他、「○○省のみんな、生きてるか?」「どの省の数学の問題が最強か?」「山東省の作文の問題が変態的」など、さまざまな掲示板があります。

高考的图片_高考吧_百度贴吧(写真)

中には「すでに三浪することに決めた」といっている掲示板の主もいたりして、それに対し「人生をあきらめたのか?」「貴重な青春の浪費ではないのか?」「大卒なんて、ゴロゴロいるご時勢に、浪人までして高学歴にこだわる必要があるのか?」などと、疑問を呈されたりしてます。

こうなると、単なる試験を超えて人生相談の次元です。

今の日本の学生事情はどうかしりませんが、やはり、中国においても、貴重な青春を、高考だけに費やすというのは、如何なものか?的な疑問は、常にあるようです。現在の中国は、学生余り状態であり「大学は出たけれど」な学生の比率が、かなり高くなっているようです。そんな状況で、高考に人生をかけるということが逆にリスクになるのではないかというのは、当然といえるかもしれません。

ただ、現在の学生(90後?)の親世代が、自分たちが十分に教育を受けられなかったということもあるのか、子供には十分な教育を受けさせたいという、親世代の思惑もからんでいるのかもしれません。

私事ですが、自分自身を振り返ってみると、センターテストも受けたし、当時は当時なりに、大変だったことは確かであるが、努力した分、それが確実に点数となって報われるシステムというのはある意味、公平なシステムであったように思います。その点、その先にある現実社会は、あまりに長く、矛盾に満ち溢れており、努力が報われる保証もない。

今の学生さんには、眼の前の勉強それ自体はがんばるべきであるが(逆にそれすらできないようだと、何をやっても駄目だろう。余程、勉強嫌いなら別だが・・・・)今後、どんどん不透明さが増して行く時代においては、自分の生きる術(スベ)を持つことの方が、さらに大切であるといいたいです。

一生、つきまとう、高考の点数

余談ですが、先日、知り合いの中国人が海外旅行の為、ビザを申請する時に、仲介業者に高考の点数を聞かれたということです。中国の場合、日本と違って、まだビザの発給要件が厳しいので、財産証明とか、親の資産証明とか、うるさいことは知っているが、高考の点数を問われるというのは、いくらなんでもですね。

たとえば、日本人が、ビザが必要な国へ行く時に、仲介業者に、センターテストの点数を聞かれたとしたら、どうだろうか?

高考劇場  恋愛と受験の両立は難しい?


你是否愿意重回高考(もう一度、高考を受けたいか?)优酷网(中文)

大学生が、高考とは何だったのかを検証する、自主制作ドラマっぽいです。今の中国の学生気質がよく出てます。

本番前 がんばる現役生たち

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高考に対する、学生へのインタビュー

大学生に、高考についてインタビュー
「高考は人生のひとつの節目」
「高考より前の約束を、決して信じてはいけない。」
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恋愛と受験の両立は難しい? 高考劇場

gaokao (28) 擬人化された高考 父は科挙、1952年生まれ、数々の罪歴あり。

gaokao (21) 分手吧(別れましょう) 高考は男女の仲をも引き裂く

gaokao (30) 「高考」をやっつけろ!! 色気と酒とネットゲームの誘惑の三悪が、高考をとっちめようとするが・・・・・・

gaokao (32) どうも自分は嫌われているらしい・・・ビルの屋上で悩む高考

中国の高考というのは、どうも罪深き存在のようです。