ゼロコロナが緩和の動きを見せて、少し明るい兆しが出てきましたが、中国経済にもう一つ、影を落としているのが、不動産不況の問題です。
昨年、恒大集団のデフォルトの話が、かなりクローズアップされましたが、今もまだ、不動産の問題はくすぶっていて、それなりに落ち着くには、相当、時間を要すると思います。
ちなみに、自分の近所にも、割と大きな不動産会社があって、ここの、金融商品が利払いができないとかで、たまにですが、ビルの前に債権者が集まって「金返せ」コールをしたりして、その度、警官が動員されて、債権者とにらみ合いをしたりしてます。
なので、会社のビルの大きな敷地は、柵で囲まれたままになっていて、一般人民は、その柵の周りをアリのように、歩かなければならないという、不便極まりない状況を強いられています。
債権者をビルの中に侵入させないということだけを考えれば、ビルの門前だけ規制して、入らせないようにすればいいだけですが、ビルの前の広場全体を囲い込んでしまう。
「どうして、こんなに非効率、極まりないことをしているのか?」といえば、やはり、ビルの前の広場を開放すると、債権者たちが集会をしやすくなるので、これがまずいということなんだろうと思います。
そして、どのみち、その不満の矛先は、会社にとどまらず、「そのような欠陥商品を、ちゃんと管理監督していなかった政府が悪い。」という理屈になって、政府に批判の矛先が向かいがちです。
さらにまずいのは、ゼロコロナ続きで、不満をためている一般市民が加わってしまうと、収集がつかなくなってしまうということでしょう。
というわけで、一見すると、非効率極まりない通行制限ですが、管理する側から見ると、非常に合理的なわけです。
つまりは、一般人民の利便性うんぬんより、社会不安を増大させないことを優先せざるをえないということなんだと思います。
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