哪吒閙海2 ナジャ復活~竜神退治
復活
前回の続きです。
【竜神たちの復讐】
竜王を懲らしめ、得意の絶頂となって帰ってきたナジャに対し、父の李靖は激怒し「お前という奴は、なんと馬鹿なことをしてくれたのだ。そんな息子はしらん。」と、ナジャを柱にくくりつけてしまう。
そんな父の意外な反応に、戸惑いを隠せないナジャ。
一方、竜宮城に戻った竜王は、弟分の龍たちに事の次第を話すと、龍たちは、竜王の仇をうつべく、李靖の配下の村に、風、水、雪と、あらゆる災厄を与えはじめた。そして、李靖に対して、この災厄をやめるかわりとして、ナジャをさし出すよう要求する。
李靖は、竜神たちに、怒りを収めるように懇願するものの、竜神たちの怒りは収まりそうにない。この場を収めるためには、もはや息子を自分の手で、あやめるより他無しと覚悟を決め、剣をとるものの・・・
非情に徹することができず
以下、絶望的な状況に置かれた、ナジャの葛藤が切実に伝わってくるように、シーンが上手く重ねられている。
「情け容赦ない龍の攻撃」
「水害の前に沈みゆく子供」
「なす術もない李靖とその家臣」
やがて意を決したかのごとく、髪をくわえ(ここ、いかにも歌舞伎っぽい。)
「シーフ!!」天の師匠に届けとばかり叫ぶ。金の輪と紅いベールをくわえた鹿が懸命に走ってくるが、時すでに遅し。
ナジャの脳裏に去来するイメージ。
とそこへ、鶴が舞い降りて、ナジャの魂ともいうべき光り輝く小さい玉をもってかえる。
【ナジャ復活】
ナジャの生命は、鶴によって仙人のいる場所へと運ばれ、仙人の手によって復活する。
復活
仙人は、ナジャに、新たに火炎輪と槍を与える。以前までにも増して、超人的能力を身に着けることに
ナジャがひとたび、槍を振り下ろせば大波が立ち、海の中もやすやすと入っていく。モーゼの十戒を思わせるような、水が二つに分かれる間を駆け抜けていくシーンは圧巻。
一路、海底にある竜神の屋敷へ。
【ナジャ、再び】
一方、ナジャを倒した竜神たちは、屋敷で飲めや歌えやの、どんちゃん騒ぎ。その最中に、復活したナジャが現れ、大混乱
文字通りの八面六臂の活躍で、竜神軍をきりきり舞いさせる。京劇をBGMとした戦闘シーンのリズム感がすばらしい。魚群の表現が、手塚アニメっぽいか?
京劇の見得を切る所作も決まってます
四匹の龍との戦闘シーン。雪や火といった攻撃に対して、次々と難局を打破。高熱の球を爆発させるシーンでは、ナジャの機転が冴え渡る。
竜神たちを懲らしめるナジャ。
終了
とにかく、無駄なシーン、カットが一つとして無い。すばらしいの一言。
【補足】
なお、製作は「上海美术电影制片厂(上海美術映画製作所)」によるもので、この会社の製作では、他にも以下のようなものがある。
《大闹天宫》1964年(中国語)
http://www.tudou.com/programs/view/UVL1d4uEPFc/(音にご注意ください!!爆音です。)
孫悟空が天上へ行って、大暴れする物語。西遊記とは違うようだ。
制作はナジャよりさらに古く、アニメ黎明期の作品。京劇の音がちょっとうるさいし、画風もちょっと古風で怪しい感じだが、今のアニメの画風に馴染んだものからすれば、かえって新鮮かもしれない。
子供の頃、このアニメは再放送のような感じで、日本のアニメに混じって、たまに見かけた気がする。
興味のアル人だけどうぞ、ぱらぱら見れば十分です。
メディア・娯楽 その他の記事
哪吒闹海1 ナジャ誕生 2015年1月22日
中国国産アニメであるが、意外とすんなり見れてしまう。しかし、30年以上前に、中国にもこんなアニメがあったとは驚き。当時の日本アニメ等からも技術も取り入れているようなので、画風など非常になじみやすいかもしれない。
千手観音~中国障碍者芸術2007年3月1日
「中国残疾人(身体障碍者)芸術団」による千手観音の演技。CCTV(中央電視台)で放映され、一躍脚光を浴びるようになった。21人の演じ手が縦一列になって演じるという発想自体ユニークであるし、その手がサンゴの触手のように、艶かしく動く様は、それ自体が生命を持った生き物を見ているかのようである。