深センのローカル度が高いエリアに行くと、地元の人間しか利用しそうもない、ファッションビル(服装市場)があって、我々外国人にとっては、ほとんど利用価値は無いが、見物している分は、なかなか面白い。
今回、訪れたのは、深セン福田にある、とあるファッションビル(服装市場)。ちょっとした街なら、どこにでもありそうな、ローカル市場である。全館、若い女性が喜びそうな、衣類、靴、ファンシー小物、化粧品などが所狭しと並べられている。
でも、何か変なのだ。
地元民ご用達 中国深圳のローカル服装市場
こういったローカル市場は、一歩中に踏み込むとアリの巣のようになっていて、ちょっとした迷路感覚が味わえる。中国人というのは、どんな空間でも、わざと細分化して、ごちゃごちゃ空間にするのがお得意である。
まずは「女装区」へ もちろんあの女装ではない。女装は中国語で女性服のこと。
一つ一つの店が、6畳~10畳くらいのガラス張りの箱のようになっている。とにかく、空間が激狭ということもあって、いわゆる圧縮陳列せざるを得ない感じ。
こちらはパジャマ専門。
お次はジーンズ屋。「歓迎光臨」赤いTシャツのマネキン姉さんがお出迎え。
ジーンズが恐ろしいほど几帳面にたたまれています。中国人って、こういうところはやたら几帳面だったりする。出鱈目なのか、几帳面なのかよくわからない。(というか単に暇なだけかも)
「のまがきですか」?
あーでもない、こーでもないと言いながら、親子が選んでいます。店員は、早く選んでほしそうです。
カバン・靴類 ここでも圧縮陳列
スニーカー屋。 ここも圧縮陳列。まさに空間を恐怖するかのように、並べている。
店先で弁当を食べる中国の店員
店員さん、お食事中営業中であっても、店先で弁当を広げて食べるのが中国流。
小物類
「そこまでするか!」と言うくらい几帳面。ただ、整然としているのか、雑然としているのか、よくわからない。店員さんは、店に埋もれている。
「法国香水每毫升两元(フランス香水2ミリリットル2元)」
高いのか安いのか、わからない。というかそもそも本当に輸入品?
化粧品と言うより、子供用絵の具パレットのような感じ。
青白く光る怪しい蛍光灯の光の下、几帳面にアクセサリーが並べられております。
「特快无痛穿耳」(超スピード痛くないピアス穴あけ)
エステ、ネイルで女に磨きをかける?
服やくつを買ったら、当然、ボディにも磨きをかけたくなるのが女心。当然、その手の店も用意されている。
エステストリート。店員は、皆、白衣を着用。手前の子供は、お母ちゃんがエステ終わるのを待っているところか。
日本の資生堂の広告も一役買っております。通りすがりのお嬢さん、なにやらうれしそう。
不気味の谷を行く 中国のマネキン
さてファッションには、なくてはならないマネキンであるが、ここ中国のマネキンは、どうも様子が変である。
リアルに作ろうとして、かえって不気味になるという、所謂「不気味の谷」に落ち込んでしまっている。
以下、このビルの中で見かけた個性派マネキンをいくつか紹介
個性派すぎる中国のマネキン
シャギーな髪と野性味あふれるまなざし。
ビジュアル系、青い目がクール。
エキゾチック派
知性派も
変系
男、子供も
追記
最近、7-8年ぶりに再度訪問したが、基本的には、そんなに大きな変化は無かった。
しかし、全体的に、マネキン等、まとも、というか普通になっていて、以前ほど奇天烈感がなく、パワーダウンしている気がした。要するに、普通のこぎれいなファッションビルに近づきつつあるのだ。
もちろん、自分の方が、中国に慣れすぎてしまったということもあるのかもしれないが・・・。
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