深圳国際空港 ~新ターミナルビルと交通アクセスについて
深センにも「深圳宝安国際空港」という、国際空港がある。
最近は、ほとんど利用する機会がないが、2013年暮れに、新ターミナルがオープンして、かなりイメチェンしてしまったようだ。
以前、このブログで書いた深セン空港についての内容も、かなり古くなってしまったので、今回、空港新ターミナルビルと交通アクセスについて、大幅に加筆、修正してみた。
以下の情報は、深セン空港のホームページをもとに、出来る限り、正確に記述しているつもりですが、必ず、もとの情報をご確認ください。
深圳宝安国際空港 概要
深セン宝安国際空港は、1991年の開港以来、旅客、貨物ともに、順調に増加し続け、現在、中国国内120都市、海外30都市にフライトが就航、年間の利用乗降客数(年旅客吞吐量)は、4197万人に達し、これは、中国国内第六位の規模とのことである。(ちなみに海外は右の通り規模別の空港一覧 – Wikipedia)
また、2015年には、空港イミグレの24時間通関が実現され、貨物も100万トンを突破。
滑走路は、ターミナルを挟んで、陸側と海側にそれぞれ一本ずつ、合計二本。(2011年から第二滑走路の運用を開始。)
ロケーション
深圳宝安国際空港は、深圳の西、宝安区の海側にある。市内からは、距離にすると、だいたい30-40キロほどといったところ。近年、深センも地下鉄の新路線11号線の開通により、空港と市内が、ダイレクトに結ばれるなど、アクセスも向上している。
グーグル地図
深圳空港 新ターミナルビル(新航站楼)について
ターミナル外観について
さらに、特筆すべきなのは、2013年暮れに完成した、新ターミナルビル(新航站楼)であろう。
空港のホームページによれば、地上4階、地下2階、総建築面積45万平方メートル、南北1,128メートル、東西640メートルをほこり、年間4,500万人の旅客、飛行回数は37.5万回まで処理能力があるとのこと。
その外観は、巨大な鳥、あるいは、十字架のようにもみえる。ただ、空港のホームページを見るとマンタ(蝠鲼(fú fèn))をモチーフにしているようだ。
また、空港へのアクセスは、空港ターミナルビルの南、地面交通中心(GTC)で一元管理され、陸・海・空すべてのアクセスが、一点に集約されている。
ちなみに、初期においては、T3(ターミナル3)という呼び方をしていた事もあったようだが、現在は、新ターミナル(新航站楼)という呼び方になっている。T3というのは、旧ターミナルビルA、Bに次ぐ、三番目のターミナルという意味であるが、A、Bターミナル自体、既に、使用されていないことから、T3という呼称もなくなったようだ。
ターミナル内部の様子
次に、新ターミナル(新航站楼)内部に目を移すと、とにかく驚かされる。
4階出発ロビー(写真)は、ひたすら天井は高く、広々としている。また、採光がいいのか、とにかく明るく、天井が宝石のように七色に輝いていて、まるで宝石箱の中にいるようだ。
デザインも斬新で、六角形の穴をあしらった設計は、ウィキペディアによれば「建築はイタリアのマッシミリアーノ・フクサス、構造設計はドイツのKnippers Helbigが担当」とある。
パノラマ
マンタが舞う、深セン宝安国際空港ターミナル|日経アーキテクチュア
買い物
また、新ターミナルは、レストランやショッピングのテナントも充実しているようだ。
出発ロビーの中二階(ターミナル五階)は、飲食スペースになっている。(写真)
深圳空港 フライト情報
国内線 就航している航空会社
深セン空港の国内線は、非常に充実しており、中国内陸全域をカバーしている。4階出発ロビーには、AからHの順番に、チェックインカウンター(值机区)が、並んでいる。以下は、各カウンターの航空会社について。
カウンター | 航空会社 |
A | 南方航空(CZ) |
B | 南方(CZ)春秋(9C)海南(HU)四川(3U)アモイ/厦门(MF)成都(EU)西部(PN) |
C | 海南(HU)四川(3U)厦门(MF)成都(EU)西部(PN) |
D | 国際線(南方(CZ)チャイナエアライン/中華(CI)シルクエアー/胜安(MI)大韩(KE)韩亚(OZ)東航(MU)など) |
E | 深圳(ZH)国際(CA)エアアジア/亚洲( )ユニー/立荣(B7)シンガポールタイガー/新加坡虎航(TR)など |
F | 東方(MU)上海(FM)联合(KN)吉祥(HO)奥凯(BK)河北(NS)山东(SC)西藏(TV)など |
G | 深圳航空(ZH)国際航空(CA) |
H | 深圳航空(ZH)国際航空(CA) |
国際線について
国際線については、確かに少ないが、就航している都市(以下)は、意外に多い。タイ、ベトナムの小都市まで運行しているし、欧米にも一応、就航している。ただ、毎日ではないようだが。
地域 | 就航都市 |
港澳台 | マカオ(澳门)台北、高雄、台中 |
極東アジア | 東京、大阪、ソウル(首尔) |
東南アジア | バンコク(曼谷)チェンマイ(清迈)プーケット(普吉)ハノイ(河内)ホーチミン(胡志明)ニャチャン(芽庄)ダナン(岘港)プノンペン(金边)シェムリアップ(暹粒)ランカウイ(兰卡威)クアラルンプール(吉隆坡)シンガポール(新加坡)マニラ(马尼拉)サバ(沙巴)ジャカルタ(雅加达)バリ島(巴厘岛)マナド(美娜多) |
中東・欧米 | ドバイ(迪拜)シドニー(悉尼)ロサンゼルス(洛杉矶)フランクフルト(法兰克福)シアトル(西雅图)オークランド(奥克兰)ブリスベン(墨尔本) |
国際線への入口は、建物中央にあり、エスカレーターを降りていくようになっている。以前に、比べると、かなりわかりやすくなっている。
日本への直行便は?
ちなみに、日本への直行便であるが、東京成田に一日、一便。大阪関西に一日二便、就航している。共同運行路線が多いので、便名が複数あり、注意が必要である。
便名 | 出発地⇒目的地 | 航空会社 | 出発時刻 | 到着時刻 | 曜日 |
ZH9051 他 | 深セン⇒成田 | 深セン(SH)中国国際(CA)全日空(NH) | 13;05 | 19;00 | 毎日 |
ZH9052 他 | 成田⇒深セン | 深セン(SH)全日空(NH) | 20;00 | 23;45 | 毎日 |
ZH9053 他 | 深セン⇒関空 | 深セン(SH)中国国際(CA)全日空(NH) | 9;25 | 14;00 | 毎日 |
CZ8425 | 深セン⇒関空 | 南方(CZ) | 10;00 | 14;30 | 毎日 |
ZH9054 他 | 関空⇒深セン | 深セン(SH)全日空(NH) | 15;00 | 18;20 | 毎日 |
CZ8426 | 関空⇒深セン | 南方(CZ) | 15;30 | 18;50 | 毎日 |
搭乗の際の注意
チャックインカウンターで、手続きを済ませあと、4階出発ロビー中ほどにあるゲートに進み、荷物検査などを済ませる。
その後、搭乗であるが、中国の空港では、時間の遅延・変更、搭乗ゲートの変更、が日常茶飯事なので、注意が必要である。しかも、それを、中国語でのアナウンス一つで済ましてしまうこともあるので、変だなと思ったら、早めに、係員に聞いたほうがいいだろう。
以前、ゲートの変更で乗り損ねた時があったが、そのときは、空港のオフィスに行って、事情を話したら、同じ日の別便に振り替えてくれて、事なきを得たことがあった。確か、北京空港で、中国国際航空だったと思う。
最近、中国の国内線に乗っていないので、よくわからないが、いくら建物がリニューアルされたとはいっても、中国人的な発想で運営されている限り、そのあたりのテキトーぶりは、決して払拭しきれるものではないと思っているが、どうだろうか。
到着ロビー(新ターミナル二階)
空港の到着ロビーは、ターミナルビルの二階。そんなに、昔のターミナルと印象は変わらない。ここから連絡橋通路を介してダイレクトに「地面交通中心」につながっている。
入口付近には、客引きのおっさんがうろちょろしているが、適当に無視すればよい。
深セン空港 交通アクセスについて
地面交通中心(GTC)
次に、空港と市内各地を結ぶ、交通アクセスについて。
空港から市内へは、近年開通した地下鉄をはじめ、エアポートバス、タクシー、フェリーなど、陸・海・空、あらゆる交通手段が揃っている。
そして、そのすべてが、空港ターミナルの南側にある「地面交通中心(GTC)」という建物に集約されており、ここから、各地へと、移動することができるようになっている。
案内板には、「地下鉄(地鉄)」「タクシー(出租車)」「バス(公交)」「330エアポートバス(机場巴士)」「長距離バス(長途巴士)」「フェリーターミナル(机场码头)」「香港マカオバス(港澳巴士)」さらには「ヘリコプター(直升机)」まである。
こちらも、ターミナルビルに負けず劣らず、大きい。敷地面積は4万平方メートル、3層に分かれている。
建物内にはバーガーキング、マクドナルド、味千ラーメンなど、各種飲食施設がある。どれも市内より、10元程度高いようだ。また、セブンイレブンなどコンビニもある。
パノラマ
以下、各交通機関ごとに、まとめてみる。
地下鉄 GCT地下一階
2016年暮れに開通した地下鉄11号線「机場」駅が、地下一階にあり、市内の中心、福田駅まで30分で結んでいる。
途中停車駅も少なく、実にスムーズ。しかも、これで8元(125円)だというのだから、驚きである。
ただ、「机场」駅は、始発ではないので、必ずしも座れるわけではないというのが難点かもしれない。
乗り場は、地面交通中心(GTC)の中央のエスカレーターを降りてすぐ。
ちなみに、地下鉄一号線には「机場東」「后瑞」駅があるが、空港の新ターミナルから、かなり離れているので、できれば、使わないほうが無難だろう。
深セン 地下鉄路線図
330エアポートバス GCT二階17号門
地下鉄11号線がダイレクトに空港に乗り入れているので、存在感がやや薄くなりつつある空港バスであるが、そこそこの安さで、座席にゆったりと座って、移動できるというメリットはある。
難点は、30分間隔で運行なので、発車までしばらく、待たなければならないところ。時間に余裕があって、ゆったりと帰りたいという人向きかもしれない。
バスは、330と書かれた青い車体が目印。最近、「福田、羅湖(A線)」方面だけではなく、「龍ガン(B線)」「龍華(C線)」方面へのバスも運行しているようだ。
◯福田、羅湖線(A線)
値段は片道20元。所要時間は約40分。(6;30-フライト終了まで)
(空港⇒市内)深セン空港 ⇒深航大厦(車公廟)⇒投資大厦(福田)⇒華聨大厦(科学館)⇒羅湖駅西広場の順番に停車。
(市内⇒空港)華聨大厦(科学館)⇒深航大厦(車公廟)⇒深セン空港
◯龍ガン線(B線) 深セン空港⇔龙岗城市候机楼 片道30元(7;00-2;00)
◯龍華線(C線) 深セン空港⇔深セン北駅 片道24元(7;00-2;00)
詳細はご確認のこと 330空港バス
カウンターの隣りにある17号門 を通って、330エアポートバス乗り場へ。各方面ごとにゲートが違うので注意。
チケットにバーコードがプリントされているので、それを、自動ゲートのセンサーにあてればゲートが開く。
香港マカオバス(港澳巴士) GTC二階16号門 (8;00-23;15)
深圳国際空港から深圳湾イミグレ経由で、香港国際空港及び香港各地、及び、マカオへ向かうバス。
香港
(行き先)香港空港他、香港の各方面 130-180元
マカオ(澳门)
香洲/拱北イミグレ経由 マカオ100元、珠海95元、
長距離バス(长途汽车) GTC1階 (8;0021;30)
長距離バス(长途汽车)は、中央のエスカレーターを降りた1階にある。
行き先は、東ガン、珠海、中山、恵州、惠陽、惠東、江門、河源、広州など、広東省各地のやや離れた地域を結んでいる。
タクシー(出租车)(13,14号門)24時間運行
地面交通中心内に、タクシー乗り場もある。24時間運行しているので、地下鉄やバスが、運行していない、深夜、早朝でも利用できる。
タクシーは営業地域によって、車体の色が異なるので注意したいところ。
赤色のタクシー(红色出租车)は、深圳市内(南山、福田、羅湖、塩田)
緑色のタクシー(绿色出租车)は、深セン郊外(宝安、龍華、光明、龍岡、坪山、大鵬)など
乗ってから、行先が間違っていると、怒り出す運転手もいるので、注意が必要。微妙な場合は、乗る前に運転手に確認したほうが、いいだろう。
市内までは、場所によりけりであるが、メーター+高速料金で、130~180元(昼間)くらいみておけばいいだろう。白タクの客引きが声をかけてくるかもしれないが、無視するのが無難である。
フェリー(机场码头) GTC二階(17号門) 香港:8;35-18;30,マカオ:8;10-20;00
深圳国際空港の南側に、深圳空港フェリーターミナル(机场码头)があり、そこから香港、マカオ(澳门)行きのフェリーが発着している。フェリーターミナル(机场码头)まではシャトルバスを利用。
◯香港:香港空港埠頭(香港机场码头)まで、片道約40分。大人片道 普通席295元。一日、6往復。(信德船务TurboJet、机场高速CKS)
◯マカオ(澳门);澳门港澳码头,澳门氹仔 码头 片道70分程度。181元、一時間に1-2往復。
バス(公交车) GTC南(15号門)
深圳湾口岸 皇岗口岸、蛇口SCT码头方面など、いろいろある。ただし、一般道を通るので、必ずしも、スムーズかどうかはわからない。
ヘリコプター(直升机)
ヘリコプターでマカオ(澳门)へ15分(夜は25分)。そんなゴージャスなサービスも有る。
◯深セン-マカオ間、一日三往復。
片道、4,700人民元(8万円くらい)。重阳节(10/14)、マカオ回帰記念日(12/20)、クリスマス(12/23、24,25)については、若干、値上がりするようだ。
マカオで、一勝負して当てたら、ヘリコプターで遊覧飛行と洒落込んでみるのも、いいかもしれない。たまには、そんな贅沢でもしてみたいものである。
旧ターミナルビル について
新ターミナルの供用開始に伴って既存のターミナルA、Bは閉鎖された。
現在、どうなってるのか確認してみようと思ったが、場所が違いすぎて、確認することもできなかった。
いろいろ、想い出もあるターミナルだけに残念だ。
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