湖南省Ⅱ 湖南省の田舎を行く
長沙だけでは、一週間はもたないので、湖南省の田舎へちょっと立ち寄ってみた。
田舎といっても、風光明媚な景勝地とか穴場の観光地とか、そういった旅情をそそる場所ではない。正真正銘のごく普通の田舎町で、多分、普通の日本人は行かないような場所だ。
でもいろいろ発見はあって、それなりに面白かった。
以下、その記録。
夜行列車で一路、湖南省の田舎町へ
今回目指したのは、長沙からは、3-4時間のところである湘潭のそばにある小さな田舎町。中国も最近は、新幹線など真新しい電車が走るようになって、徐々に旅風味が失われつつあるが、今回乗車した、この列車は、まぎれもなく汽車(火車)である。
途中で売り子が売りに来るモノも、いかにも田舎テイスト溢れるものばかり。
乗車時間は、長沙から3-4時間といったところであるが、自分が日本人だと分かると、いろいろ興味を持って質問してくる。多分、こんなところに普通は日本人はいないのだろう。それはいいのであるが、自分の斜め向かいに座った、中年の女性が、運悪くアムウェイ(安利)の勧誘員らしく、一生懸命に勧誘してくるので、断るので大変だった。こういうのは、本人が、自分はよい行いをしていると思い込んでいるから、余計にやっかいだ。
アムウェイもそうであるが、中国では、マルチ商法まがいの商売も結構、浸透している。地方ほど、そういうのに引っかかりやすいのかもしれない。
さて、その田舎町の駅に到着したのが、夜中の11時くらいで、あたりは、ほぼ闇である。本当に暗くて、ホームには電気らしいものが無く、駅舎の方にかろうじて明かりが見えたので、降りた客は、皆んなして、そちらの方にゾロゾロ向かう。
何かすごいところに来てしまったなと思ったが、しかし、考えてみると、電気のない時代、人間の営みと言うのは、本来そういうものであったのだから、このくらいの暗さのほうが、普通なのかもしれない。見上げると、星がやけにはっきりと見える。
聞いたところでは、衛星から見ると、世界の中でも、日本の国土は突出して明るいのだそうだ。確かに、日本のコンビニとかの明るさは、異常である。しかし、それこそが文明なんだと言われればそれまでだが
ただ、駅から街中に歩いていくと、街灯があって、多少は明るい。
とりあえず、安宿をとって、すぐに寝る。
湖南省の田舎町を行く
翌朝、ホテルを出て、街を歩いてみる。
ぼんやり、田舎道にたたずんでいると、前をいろいろな車が往来するので、撮影してみる。
カメラを構えていると、珍しいのか、皆、こっちをみる。
長い鉄線を運搬するトラック
こちらのリアカーは、全部籠が前に着いている模様。
もう少し、歩いてみる。
スーパーのチラシをそのまま拡大して壁に貼り付けた感じ。ここでは日本と同じようなスクーターが活躍中。
いかにも、中国の田舎の大通りといった感じの街並み。道がむやみやたらと広く、大雑把で、色彩も乏しく、ほこりっぽい。慣れてしまえば、何てことはないのであろうが、こんなところには住めないなと感じてしまう。
やはりバイクが結構活躍している。確かにバイクで無いと、この広さを移動するには無理だ。
中国はスローガン好きであるが、地方は特にその傾向が強かもしれない。しかし、現実は、スローガンと全く逆だったりする。
下のスローガンは「耕地を保護することは、すなわち、我々の生命を保護すること」といっているが、実際は、耕地を破壊してニュータウンを造成している。
街中でちょっと、地元のお店に入ってみることに
地元商店街 微妙すぎるアイテムがいっぱい
ちょっと、地元の商店街をのぞいてみたが、結構、すさまじい状況になっている。
下は靴屋。
陳列の仕方がどうのこうのというより、根本的に、何かが間違っているような気がしてならない。
こちらは子供の遊具だが、何か怖い
一応、ピカチューだとは思うが。。。
百姓大薬局 中国語で「百姓」は庶民の意味なので、間違ってはいない。
トレンディ?なカフェを発見 しかし、アイスコーヒーを注文するも・・・
こういった田舎町にも、いわゆるトレンディ?スポットがあるようで、ここなんかもそんな場所なのかもしれない。
一階は、いわゆるベーカリー形式のパン屋で、二階が喫茶店であるが、このように半個室状態になっている。
試しにアイスコーヒーを注文。
しかし、でてきたのは、ホットコーヒーと氷の受け皿。
「自分が注文したのは、アイスコーヒーであって、これではないのだが・・・・」と、一応、店員に確認してみたが、「それがアイスコーヒーです。」とのこと。オーダーの間違いではなかったようだ。
しかし、この程度の氷を入れても、単に生ぬるいコーヒーになるだけなんだが・・・・・・
気を取り直して、再び外へ出てみる。
田舎テイスト満点の施設が、そこかしこに
街のいたるところに、空き地のような場所があり、ゴミが散乱していたりする。全体的に清潔感がかけている。
忘不了(忘れがたい)というよりは、忘れてしまいたいような街だ。
半ゴーストタウン(鬼城)化しているニュータウン
完成したばかりと思われるニュータウンがあった。しかし、いかんせん人が少なすぎるし、いかにも作りましたといった感じは否めない。
これが噂のゴーストタウン(鬼城)か、と思いきや。一応、人はいるらしく、バスケットボールをする子供の声や、マージャンをする音が聞こえてくる。
ガランとして誰も通らないメインストリート
ちょっと、中を散歩してみる。
住宅の二階以上、通りに面した部屋には、ほとんど鉄柵が付いている。
電柱を発見。中国の都会では、ほとんど地中に埋めるので見かけないが、田舎では結構、あるのかな?
静まり返った商店街に、マージャン洗牌する音だけが響く。
道の真ん中に不釣合いに大きい黄金の牛
こんなものが倒れてきた日にゃ、ひとたまりもない。多分張りぼてだろうが・・・
左右には、微妙な名前の店舗が軒を連ねる
蜘蛛王
アイダイディス??
またしても微妙な、おっさん広告。でもここは一応、紳士服大手だが。
中国コーラ「非常コーラ」を飲んでみた
さっき、広告で見かけた「非常コーラ」を、近くの コンビニで購入して、飲んでみた。
味の方は、思ったよりはしっかりしていて、まあとりあえずはコーラでした。
というか、その気になれば、コーラなんて別に作れるということである。イランとかでも、国産コーラ、普通に作ってるし。ちなみに、このコーラを製造している娃哈哈(ワハハ)は、中国では割と有名な会社。
英訳は何故か「Future Cola」
「無座(立ち席)」で深センへ
そろそろ帰る時間が近づいてきたので駅に向かう。
しかし、ちょっと早く着きすぎたせいか、駅に行っても人がほとんどいない。
特急列車が何本も通過するのを横目でやり過ごしながら、小1時間も待っていると、ようやく、乗客がぞろぞろと大挙してやってきた。
この駅に列車が止まるのは、一日に何回も無いのか、列車が停車する直前になって、やっと、皆、ホームにやってくるということらしい。
この後、深セン行きの列車が到着するや否や、乗客達が一斉に列車に突進。入り口から入れず、窓から列車に乗り込むものもいる。「無座(立ち席)」しかないので、席取りバトルになってしまう。
ここから深セン西駅までは20時間。全く先が思いやられる。自分も以前は、そういう旅を各地でしてきたし嫌いではないが、さすがに年齢的にきつい。
長沙を過ぎたあたりで、座席に有りつくことができ、なんとか座席で居眠りする席を確保することだけはできた。
日本人がこんなところにいるのは珍しいらしく、いろいろな人と話をした。深センの日系企業で働いている女の子もいた。彼女がいうには、今の日系会社の待遇は割といいとのこと。でも、日本の男に嫁ぐのは、やはり嫌なのだそうだ。
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